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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第5章 冒険者活動と日常編(8歳)
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第108話 アイテムボックスを考えてみる


 初めて外壁の外に薬草採取をしてからだいぶたった。


 あのあとも何度か薬草採取の依頼をこなし、お父さんや冒険者ギルドの資料室の司書ミィさんから合格をもらえた。

 ちなみにお父さんやミィさんが戦わなければいけなくなることはなかった。こちらに気づいた魔物がいても、遠巻きに見てくるだけで襲ってくることはなく至って平和だ。

 そんなわけでお父さんとの特訓は無事に終了だ。



 他の話題と言えば、いつものようにエリーのお屋敷に遊びに行ったんだけど、なんと王子様(ハロルド殿下)たちに待ち伏せされたことだ。


 えー、なんでまたいるの?

 また暇つぶしに来たの?


 と思って目立たないようこっそり通り過ぎたんだけど、王子様は目ざとく私は見つかり、また勝負を挑まれた。

 と言うか未だに勝負を挑まれて続けてる。

 もちろん、赤信号よろしくマッシュ様との勝負もやった。


 勝負内容はやっぱり剣術勝負。

 当然私には剣術なんてちゃんと習ったわけでもないので、獣人の高い身体能力を生かしてダガーサイズの木剣二刀流でごり押し。技とかあったものじゃない。剣術(笑)になってようと関係ない。


 時々ヒヤリとすることもあるけど、今のところ力も速さも私が圧倒してるので負けなしだ。

 ぶっちゃけ何度も挑まれるのは面倒くさいので、王子様相手だけどもういいやと最初の方は全力で相手した。

 ムリゲーとか私の相手はもうしたくないと思わせたと思ったんだけど、逆に対抗心に火がついたらしく、全くめげる気配がない。

 なんでよ……。


 私は少なくとも現時点では普人の男の子より力や速さが圧倒的に上っていうこともあり、なんとなくムキムキになっちゃったような錯覚を覚えた。

 なので微妙な心境だったけど、私の見た目はエリーとそんな違わず年相応だと思うので、これくらいは獣人特有の身体能力の高さ範囲内なんだろう。きっと。

 ちなみにアイリは背丈が幼女なので比較対象外だ。


 もちろん、座学についても勝負を挑まれた。

 こっちはエリーもアイリも参加して、みんなでフルボッコにしてる。


 何回か日を改めて再戦されてると、王子様は何とか文字を読めるようになってた。

 でもお構いなしだ。

 剣術勝負と違って知識面は正解不正解がはっきりしてるしね。

 良識のある青信号のマイケル様相手でも容赦なし。


 割とやりたい放題やってるにもかかわらず、いつの間にか王子様たちからライバル認定されてたんだよね。主に私が。

 何でよ。

 解せぬ。


 いつの間にかは他にもあって、私たちと王子様たちの仲は良好になってた。お茶会に普通に混じってくることもある。


 相変わらず王子様は俺様やってるけど、私もアイリも見下されることは一切ない。

 負けたことで多少丸くなったのかな?

 それともマイケル様にたしなめられたのかな?

 それに冒険者活動の話、特に外壁の外については興味津々で聞いてくる。

 うんうん、王子様って言っても男の子だもんね。

 こういうの好きそうだもんね。



 そんなことがあって、退屈せず楽しく気ままに過ごしてる。




 ある日のお茶会でアイリは提案してきた。

 テーマは冒険者活動にあたり、もっと楽に活動するにはどうしたらいいか、だ。


 「冒険者活動してるときって荷物とか採取した薬草とかって邪魔にならない? それにもう夏だし、バックパック背負ってると背中が蒸れて嫌なのよね」


 「ですわ」


 「せっかく髪の毛伸ばしたけど、切りたくなってくるよ」


 小さいときはショートボブだったけど、今の私の髪は鎖骨より少しあるのでセミロングくらいかな。

 ちなみにアイリはロング。胸元まである。ふわふわで可愛い。

 エリーはお風呂でドリルがほどけたのを見た限りではお尻くらいまである。乾くとすぐツインドリルになるからあんまり長いって感じはしないかな。


 「その綺麗な銀髪を切るなんてとんでもない! というわけで、フランの髪を守るためにもアイテムボックスを作るわよ」


 「ですわね。それにしてもアイテムボックスは道具箱とは何が違いまして?」


 「違うわよ。アイテムボックスは、ええと、簡単に言うと、いつでもどこでも物の出し入れが自由にできる収納のことよ。これを魔法で作るのよ」


 「それって魔法が切れたら入れたものが散らばっちゃわない? それに収納を持ち運ぶの? バックパックに入れるより不便じゃない?」


 「ふっふっふ、甘いわね。収納先はここではないどこかにして、出し入れの時のみ魔法を使えば良いのよ」


 んー、なんか似たようなこと知ってるような……あ、これってもしかして前世で読んだ異世界もののお約束のアイテムボックスなのかな?


 「まあ、それは便利ですわ。ですが、(わたくし)にできるか不安ですわ」


 「確かに不安ね。だからみんなで考えましょうよ。魔法はイメージ。3人集まればきっとなんとかなると思うわ。それに天才ネコミミ魔法少女フランと魔法を作るって楽しそうじゃない?」


 「!! ええ、ええ、ぜひやりましょう!! ああ、初めて作る魔法がお二人と一緒なんてとても楽しみですわ!!」


 「天才とか魔法少女は置いといて、みんなで魔法作りって楽しそうだね!」


 考えてみたら、魔法って自分がやりたいことを何とかする手段って感じで使ってきたから、誰かと一緒なんて発想がなかった。

 魔法はイメージなので、個人で細かいところに違いが出ると思うけど、それはそれで面白そう。


 「そうそう、せっかくアイテムボックスの魔法を作るんだから、色々と便利機能を盛り込みたいわね。必要そうなことを書き出してみるわ」


 アイリはポーチからメモ帳と羽ペンのセットを取りだし、さらさらと箇条書きしていった。


・容量 (理想:いくらでも入る)

・物の出し入れできるサイズ (理想:大きさにはよらない)

・物の状態 (理想:互いに干渉しない。時間経過しない)

・重さ (理想:物を入れても重さは増えない)

・距離 (理想:触れなくてもいいくらい)

・安全性 (理想:他人から干渉されない)

・制限 (理想:生物は入らない。危険そうなので)


 「ざっとこんな感じかしら?」


 「これ、制限は別として、どれも難しそうだね」


 「理想までいかなくても、容量がバックパックサイズ程度でも使えればとても便利ですわ」


 改めて考えると、ゲームやら小説やらで出てくるアイテムボックスってこれらをほとんど満たしてるわけだけど、現実にできたらとんでもなくチートすぎる気がする。


 「でも、こんなすごいことできそうな収納先のイメージは湧かないよ」


 「亜空間とか、次元の狭間とか?」


 「それ、どこ?」


 「……」


 アイリはそっと目を反らす。

 だよね。


 「最初の目標が高いのは構いませんが、まずはできそうなところから考えましょう。例えば収納先なら(わたくし)のお屋敷の倉庫とかどうですの?」


 「それは良いわね」


 「んー、遠い場所と一瞬で繋がるって考えると、アイテムボックスっていうよりもうワープだよね。でも、私はワープのイメージはさっぱりだよ」


 どうやって遠くにある倉庫と繋がるのか皆目検討つかないし。

 うーん、アイテムボックスって考えれば考えるほど難しい。


 「ワームホールとか?」


 「なんですの? ワームホールって」


 「なんか離れた所と繋がる時空の穴……らしいわ」


 「そう、(わたくし)には分かりませんわ。フランは?」


 「ううん、全然分かんないよ。そもそもいつでもどこでも何でも入るし重さも関係ないし、時間も進まないし、お互いが干渉しないなんて場所なんて思い付かないよ。そもそも場所って考えがダメかもしれないね」


 「う、た、確かに」


 「「「うーん……」」」


 これは思った以上に難しくなってきた気がするかも。





次回更新は5/7(月) 17:00の予定です。

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