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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第5章 冒険者活動と日常編(8歳)
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第107話 初めての薬草採取

2018/5/2 誤字修正しました。


 私はネコミミをピンと立て、何かが接近してこないか警戒する。

 森の浅いところだから出くわしたとしても猪や角ウサギくらい。でもそれはそれで十分危険だ。

 それに稀にゴブリンが現れることもあるらしい。

 ゴブリンと言えば、回復魔法のアルバイトをやって間もない頃、金髪美少年冒険者ライトくんの怪我はゴブリンにやられたって話も覚えてる。

 ま、仮に遭遇したとしてもお父さんたちがいるから大事になることはないけど、それでも気を抜いていい訳じゃないしね。


 「フラン、そろそろ交代ですわ」


 「うん、分かった」


 私はエリーと交代して近くにある薬草の群生の所に行き、屈みこむ。

 ポーションの素材になる薬草は、黄色い小さな花と実がついている。花弁が5枚で、実の中には細かい種子がたくさん入ってる。

 手で摘み取れるけど基本はナイフ推奨だ。ナイフで切れば潰してダメにしないで済むし、評価も高い。

 あと、手があんまり青臭くならないからってのも大きい。


 ちなみに薬草の正式名称はエレクタームとかいうんだけど、そんなこと言わなくても普通は薬草って言葉で通じる。

 っていうか、ギルド内でも正式名称聞いたことないから、エレクタームなんて言っても多分「なんじゃそりゃ?」ってなると思う。

 希少価値が高いものや特殊な物でなければ、ポーションの材料は薬草、その他は○○の薬草って言うのがほとんどだ。


 少し移動して、風邪薬の薬草も摘んでいく。

 マクロフィリアって名前の紫陽花っぽい花だ。

 一応正式名称を覚えたけど、こっちも風邪薬の薬草ってみんなは呼んでる。

 とにかく、鮮やかなこの小さな草花が風邪に効くらしいんだよね。

 こういう薬効って誰が調べたんだろ?

 前世は風邪薬の中身なんて気にしたことないので、こういうのは面白い。



 この世界での風邪薬と言えば、煎じて飲んだり、風邪薬のポーションにして効力を高めたものを飲んだりする位しかない。

 それに風邪は魔術や魔法では治せないと言われてる。

 そりゃウイルスなんて概念が見つかってない状態だろうし、いくら不思議パワーの魔術や魔法を使ってもどうにも出来ないんじゃないかな。


 もちろん私はウイルスの存在を知ってるけど、どんなウイルスかなんて知らないからどうしようもない。

 仕方ないので対処療法として、魔力を体力や自己治癒力に変換するっていう漠然とした魔法を作ってみたことあるけど、過程がほとんどないのでかなり魔力が必要だった。魔力の残滓がキラキラ出るくらい。


 免疫を高める魔法も考えたけど、あれは下手するとなんちゃらショックとかいう過剰アレルギー反応とか超ヤバそうなのが起きそうなので廃案。


 ちなみにこの病気を何とかする対処療法の魔法もやらかし案件だったりする。

 例の復元回復魔法まではいかないけど、それに近い扱い。

 自宅以外での使用は厳禁。家族以外に使う場合は、お父さんかお母さんの許可が必須だ。



 風邪についてあれこれ考えてたけど、まあいいや。


 エリーからアイリに見張りを交代したあとも採取を続け、つつがなく終えた。

 私たちはそれぞれの薬草を持ち寄る。


 「薬草と風邪薬の薬草それぞれ9束か。結構とれたわね」


 「これだけあれば問題ありませんわ」


 「そうだね」


 思ったよりもたくさん取れて良かった。

 ちなみに1束は10本のセットだ。

 ホクホク顔で喜んでると、アイリは私の手にあるものに気づいた。


 「ん? フラン、それ、水取葉よね? 依頼にあったかしら?」


 「ううん、これは個人用にとったやつだよ。外壁の外じゃいくらあってもいいかなーって。ほら、いつお花摘みに行きたくなるか分かんないし」


 この世界にはポケットティッシュみたいに柔らかくて便利な紙なんて無いから、できるだけストックに余裕を持っておきたい。


 「あー、確かにそうね。ちり紙は持ってきたけど、使わないで済むならそれに越したことはないわね」


 「外壁の外にもお屋敷と同じものがあればいいですのに。課題ですわね」


 そう、外壁の外でのお手洗いはとても大きな課題だ。

 魔物が跋扈(ばっこ)するこの世界では、外壁の外において前世のようにコンビニやお店などがそこら辺にあるわけではない、と思う。


 とりあえず用事を済ませれそうな場所といったら、茂みのある森の中くらいしか無い。っていうかさっきした。

 もちろん、勝手に一人で離れるのは良くないので、正直すごく恥ずかしいけど二人に相談済みだ。

 当然魔法で穴を掘って用事を済ませたあとは魔法で埋めといた。

 私はきれい好きな猫獣人なのだ。


 しかし、旅行中、辺り一面草原の場合はどうすればいいんだろ?

 人とすれ違うことはほとんどないけど、やっぱりちょっと道を外れて荷物を盾にするしか無いのかな……。

 こういうのって男子は羞恥心無さそうだし、手軽(?)にできそうなのはちょっと羨ましいと思う。



 お花摘みの課題は今度二人と相談だ。

 とにかく、トラブルなく採取を終えた。


 「お父さん、ミィさん、スチュアートさん、採取終わったよ」


 私たちは少し離れたとこにいる3人の所に戻ってきた。


 「お疲れさん。じゃあ早速見せてくれないか? …………うん、大丈夫そうだな」


 「……問題ない…」


 どうやら問題無さそうだ。関係ない草花とか混じってなくて良かった。


 「よし、それじゃ引き上げるぞ。忘れ物はないか?」


 「ありませんわ」


 「大丈夫よ」


 「うん」


 薬草を皮袋に入れ、私のバックパックに詰め込む。みんなの分もだ。

 獣人は身体能力が高いからか、これくらい入れても全然重たくない。余裕余裕。


 ちなみにお母さんはガタイのいいお父さんに負けないくらい力持ちだったりする。

 それでも、筋肉ムキムキだったり腹筋が割れてる何てことは全くなく、憧れるほどのとても綺麗なプロポーションだ。

 獣人は筋肉の質が普人とは違うのかな?

 不思議だ。

 何はともあれ、私は自分がムキムキになるなんて嫌だからありがたい。



 森から出る頃には太陽が真上に来ていた。思ったよりも時間が過ぎていたみたいだ。

 鐘の音が聞こえなかったのは、王都から少し離れているし、森の中だったからかな。


 というわけで、今朝休んでた森の入り口でお昼ごはん。

 食事の準備は毒舌美少年執事のスチュアートさんにお任せだ。


 食事前に魔法で作った水で手を洗うことも忘れない。

 前世みたいにおしぼりやウエットティッシュは無いけど、魔法なり生活魔術なりで代用できる。

 むしろ持ち運びが要らないので出先では前世よりも便利なくらいかもしれない。


 「この水はフランが魔法で出した水。魔法はフランの魔力がもとになってる。そして魔力はフランが作ってる。つまり、これはフランの水。うん、売れるわね。キリッ」


 「まあ、なら(わたくし)が買いますわ」


 「残念。このお水は非売品だよ。アイリ、早く手を洗ってね。……ミィさん?」


 「…………」


 「ほら、ミスティ先生も欲しがってるじゃないの。それにしてもフランの水って言うと、なんかポーションに対抗できそうな「アイリは手を洗いたくないみたいだね」ちょっと待って今すぐ洗うから」


 ふざけあって笑いながらみんな手を洗う。

 ミィさんの若干期待のこもった視線には気づかないふりしとこう。


 お昼ごはんはサンドイッチに紅茶とピクニックに来たみたいだ。

 食事中の話題には事欠かない。

 あれが良かったとか、これがいまいちだったりだとか、もっと楽したり便利な物はないのかだとか……。

 採取についてあれこれと感想を言い合うのが楽しい。


 お昼ごはんの後は普通に帰る。

 帰り道も魔物に襲われることはなく特に問題はなかった。

 初めての外壁の外の冒険は大成功だ。




この世界の薬草類は地球の物と違って多年草です。似てるのは見た目だけです。


次回更新は5/4(金) 17:00の予定です。

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