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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第5章 冒険者活動と日常編(8歳)
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第101話 算術勝負・デュエルスタンバイ!

どうしたら面白くなるのかなと思って悩んだ末、勢い余ってついかっとなってやってしまいました。


 作戦会議は終わり、私とアイリは庭園に平行に並べられた横長のテーブルにつく。

 だいたい2メートル程度離れた正面には王子様とマイケル様が同じように席につく。


 「ルールは交互に算術の問題を出しあい、先に答えられなくなった、または答を間違えた方が負け。パートナーとの相談はあり。こんなところかしら?」


 「ああ、問題ない」


 「答えを間違えてもいい回数は2回まで、つまり3回間違えると負けというのはいかがかしら? 計算ミスがあるかもしれないですもの」


 「そうだな、それくらいのハンデはやろう。もちろん、レディーファーストで先手もくれてやる」


 王子様は相変わらず上から目線で同意したけど、これ、あっさり勝負が終わらないようにするためのものだよね、エリー。

 王子様は知らないとはいえ自らフルボッコされにきたけど仕方ないよね。自分でそう決めちゃったんだし。

 マイケル様は良識ありそうなのでちょっと気の毒だけど、これを期にうまく王子様をコントロールできるネタにでもしてほしい。


 「では勝負ですわ。アイリ、フラン、頑張ってくださいまし」


 「もちろんよ。頑張るわ」


 「うん」


 なんかエリーとアイリの会話には「演出を」って言葉が入りそうなのはきっと気のせいだと思う。うん、きっとそうだ。


 「では始めましょう。アタシのターン! ドロー!」


 「!?」


 え!?

 ドロー!?

 なんで!?

 っていうか何を!?


 アイリは多少芝居がかった口調で宣言しながら計算用に用意された紙を一枚手に取った。

 事前に白紙なのはお互い確認済みだ。

 アイリはこれから出す問題を数行メモする。


 「さあ殿下、いきますよ!」


 「来い!」


 「まずは基礎から出題します! 1+1は!?」


 「ふぅんっ、小手調べのつもりか。だがぬるい! 俺様にこの程度の小手調べは通じん! 答は2だ!」


 「さすがですね殿下。正解です!」


 「うおー! 殿下! やったぜ! これじゃマイケルの出番は無いかもな!」


 「俺の出番が無いのはいいのではないかい? マッシュ」


 「お見事です、殿下。でも次の問題は簡単にはいかないですわ」


 「…………」



 あれ?

 おかしいな。

 なんで全員こんなに盛り上がってるの?

 アイリは演出するって言ってたけど、こんなになるものなの??


 「えっと、アイリ?」


 「フラン、デュエルは愛と勇気と友情。そしてノリよ!」


 私にはよく分からない謎のテンションで算術……いや、「さんすう」の激戦(?)がすでに開始されていた。


 「メモは……次のターンまで必要なさそうですね。アタシはメモを伏せターン終了」


 「次は俺様のターンだな! まずは片手で数えられる範囲で様子を見てやる! 2+2は!?」


 「お優しい殿下ですね。ですがアタシは指は見なくても数は数えられます」


 「なにっ!」


 「ふっふっふ、答は4です!」


 「ふんっ、正解だ。まさかチビも指を見ずに数えることができるとはな! なかなか面白くなってきたじゃないか!」


 え? え?

 えっと、マジでなんなのこのノリ。

 計算内容はあまりにしょぼいのに何で?

 もしかして「ドン☆」とか「ドドドドドド」なんてマンガっぽい効果音が見えてなかったり、BGMが聞こえないのって私だけなの?


 「アタシのターン! ドロー!」


 アイリはさっきメモし伏せておいた紙を手に取る。

 いや、普通にペラってめくってるだけじゃなく、カッコつけてシュバッ!としながら取ってる。


 つっこみたい。

 ものすごくつっこみたい。

 その掛け声や動作って意味あるのって。


 でも、私は空気を読んで黙ってる。

 余計なこと言えばせっかくの演出(?)で盛り上がってる場が冷えちゃうし。


 「次はこの問題でいきましょう。片手で数えられませんよ! 3+4は!?」


 「殿下、まだ俺の出番は無くても平気かい?」


 「当然だ」


 「ふふふ、さあどうです!?」


 「まだまだ俺様は余裕だ!」


 「もしかして、テーブルの下で指を折ってるんじゃないですか?」


 「くっ……な、何のことかなっ! 答えは7だ!」


 「正解です! なかなかやりますね!」


 「ふんっ! ならば次はこちらの番だ! 今度は両の手では数えられんぞ! 6+9は!?」


 「な、なんですって!?」


 「え? アイリ!?」


 「フラン、大丈夫。安心して」


 アイリの反応に私が驚くと、アイリは扇子で口元を隠しウインクしながら「演出よ」と私にだけ聞こえる小声でこたえてくれた。

 だよね、演出だよね。私の驚きを返してほしい。


 「先ほどの銀の反応を見るところ、算術勝負では役立たずのようだな。計算できなければ素直に負けを認めてもいいんだぞ?」


 「いいんです。フランはいるだけでアタシの力になってくれますから。答えは15です!」


 「ふん、銀のをうまく使ったのか? まあいい。正解だ」


 それにしてもこの王子様、ノリノリよね。

 世界が変わっても、男の子ってこういうのが好きなのかな?


 「ではアタシのターン! ドロー! ふふふ、もしかしたら今回で終わりかもしれませんよ?」


 「ほう、俺様にその余裕。面白い!」


 アイリは伏せた紙とは別の白紙を手に取り、文字をさらさらと書き込んでいる。


 「さあこれが問題です!」


 「うん? どういうことだ?」


 アイリは紙に問題を書き、それを王子様に見せている。


 「今回は文章問題です! しかも引き算ですよ!」


 「なにっ! くっ! そういうことか!」


 わー、王子様本人はいたって真面目なんだろうけど、この文章問題でこの表情、すごくシュールに見える。

 超絶イケメン美少年王子様の困る顔が少し面白い。


 「一つ……貨、一枚の……パンを……? ……貨一枚で…………」


 「おや? どうしたのですか? 殿下」


 「う、うるさい!」


 ま、まさか王子様は文字が読めないの?

 それにしてもアイリもノリノリだ。




次回更新は4/16(月) 17:00の予定です。

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