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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第5章 冒険者活動と日常編(8歳)
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第100話 次の勝負は

ついに100話を迎えました!

相変わらず話の進みはゆっくり、ゆるゆるな内容ですが、これからも応援してもらえると嬉しいです(*´ω`*)


 なんと王子様から次の勝負を申し込まれた。


 「そこの銀のが少しはやることは分かったが、まだチビが済んでない」


 あ、私のことを雌猫とか灰色とか言うのは訂正してくれたんだね。「銀の」呼びになった。

 名前までは呼んでくれてないけど、まあ相手は仮にも王族。私は平民だから勝負とはいえ王子様に木剣を突きつけたわけだから覚えてもらわなくてもいいや。後になって不敬罪とか嫌だし。

 あとはアイリのことだけだ。


 「では今度はこちらから勝負内容を決めてもよろしくて?」


 「いいだろう」


 「今度は学力で勝負ですわ。お互い算術の問題を出して、相手が答えるのですわ」


 アイリの体力が最近すごく伸びてきてると言っても、さすがに体を動かす系統の勝負はいくらなんでも無理だ。だからエリーは学力勝負という先手を打ったんだろう。



 これはひどい。



 「いいだろう。では俺様からは追加ルールだ。勝負は二人ペアとする。俺様のペアはマイケル、チビのペアは銀のだ」


 「構いませんわ」


 あーあ、勝負内容が通っちゃった。


 王子様はニヤリと笑みを浮かべてる。

 おそらく平民で、しかも獣人の私じゃ学力は戦力にならないと思ってるんだろう。


 でもぶっちゃけこればかりは始まる前からもうゲームセットも同然だ。

 エリーは容赦がない。

 剣術勝負じゃ言い訳の余地を残すようにしたけど、学力勝負はそうしないのかな?

 算術じゃ口を挟む余地ないし。

 いくら王族や貴族が教育を受けているとは言え、並みの8歳が算術で私たちに勝てるわけがない。


 二人は私の学力についてよく知ってる。

 私は平民だけど、3歳から文字の読み書きができたし、5歳では文通もしてたし、去年のお茶会では算術の話題が出たとき、四則演算の問題を余裕で解いたら二人にはとても驚かれている。


 私は数学含めて苦手な教科は無いけど得意教科も無い。

 平凡な学力だけど、それは前世の日本での話だ。

 この世界では教育を受けたということ自体が大きなアドバンテージだ。


 中世ヨーロッパっぽいこの時代は識字率の問題が出るくらいだから、算術と言ってもホントに大したことはない。

 難しい問題と言ってもせいぜい掛け算割り算程度であり、多少の応用問題があってもそれ以上は学者とか建築士とか設計士とか専門家が学んで使う程度なんだとか。資料室の司書ミィさんが言ってた。

 だからはっきり言って楽勝だ。


 まあ仮に王子様やマイケル様が連立方程式、二次関数や因数分解などの中学レベルの問題を出してきたとしても、多分大丈夫じゃないかな。

 前世の学力が平凡と言えども、高校受験は普通に通ったし高校も平凡にこなせたわけから、その前提の中学の問題くらいはできる。

 って、仮にとか言いつつ、前世基準でも8歳の小学生2年生が中学レベルを理解して出題してくるなんてあり得ないから、この考え自体が意味のないことか。


 そんなわけで、天才であるエリーに並んでいる私もまた天才扱いされてたりする。もちろんアイリも言わずもがなだ。

 確かに8歳としたら破格の頭の良さだとは思うけど、私は中身が(一応)大人。読み書きと四則演算などの簡単な計算程度で天才とか言われても全然嬉しくない。複雑な心境だ。


 私が嬉しいのは天才とか言われることではなく、エリーとアイリに並んでいられるということだ。

 私には前世の記憶という知識や精神、人生の経験値という文字通りのチートがあるから現時点では問題ない。

 でも、平凡な私は優秀な二人にそのうち置いていかれるんじゃないかと心配だったりする。


 貴族と平民では教育格差が激しいし、貴族間の情勢や政治、歴史についてはもはやお手上げだ。まあ貴族間の情勢はあまり興味無いけど。

 それ以外についてはある程度は仕方ないにしても、会話についていけずに蚊帳の外にいるようなことにはなりたくない。話題で二人に気を使わせたくない。


 だから私は冒険者活動がないときは、ギルドでアルバイトをするだけではなく、いまだに資料室に通っていろんなことを学んでいるのだ。

 まあスマホやテレビが無いから実際のところは娯楽的感覚が強いけど。


 幸い、今は子どもだからか前世よりも記憶力がかなりよくなった感覚はある。なので何度か読んだ本はだいたい覚えた。

 これを続けていれば、方向性は違ったとしても、知識面で二人に差をつけられることはそうないし、話題に困ることは少なくなるだろう。

 記憶力が良くなった恩恵は他にもあって、転生してから8年たった今でも不思議なことに前世の記憶は薄れてないように思える。血筋なのか種族的な特徴なのか分かんないけど、記憶力はいいに越したことないので中身が平凡な私にとってとても嬉しい。



 まあ私のことはこれくらいでいいかな。

 今は算術勝負だ。



 「殿下、作戦会議はいかがなさる?」


 「今度は敗けん。俺様に時間を寄越せ」


 カランカランカラーン…………カランカランカラーン…………


 「もちろんですわ。ただ、ちょうど3の鐘(12時頃)が鳴った頃ですの。作戦会議と勝負はお食事の後でいかがかしら?」


 「ふん、そうだな。先にもらおう」


 学力勝負は午後に持ち越しになった。




 私たちはお昼ごはんを終えると、男女離れて作戦会議を開いた。


 「さて、作戦会議ですわ」


 「や、作戦会議ったって、アタシもフランも敗ける要素皆無な訳だし、必要あるのかしら?」


 「甘いですわ。これは単に勝つための作戦会議ではなく、ギャフンと言わせる作戦会議ですわ。昼食の時に考えておりましたの。最初は簡単な問題から出すけど徐々に難しくしていく演出はいかがかしら。それに最後はアイリだけじゃなくフランの力も見せて差し上げないと」


 「なるほど。最初は余裕と見せかけてだんだん追い詰めると。とどめに平民だからとフランの学力を侮ってる相手に次元の違いを無慈悲に突きつける容赦のなさ。アンタやるわねぇ。だがそれがいい」


 「「うふふふふっ」」


 黒い笑みを浮かべるエリーとアイリ。

 二人ともめっちゃ楽しそうだ。


 「私が一思いにとどめをさせばいいのは分かったけど、私にやってほしいこととかタイミングとか、その辺はアイリに任せちゃっていいのかな?」


 「ええ、アタシに任せてちょうだい。それにしてもフランがとどめをさすって言うと、なんか自然の摂理っていうか、迫力が違うわね」


 「ですわ。こんなに可愛く優しいのに、なぜだかとても厳しく聞こえますわ」


 君たち私のことをなんだと思ってるのさ。

 猛獣とかじゃないんだけど。




次回更新は4/13(金) 17:00の予定です。

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