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知らない女子から手紙を受け取って、二週間が経った頃。僕はまたさっきゅんに呼び出された。
前と同じ体育館裏。
今回は誰も待っていない。
知らない女子のいないその場所で話した。
一方的にさっきゅんが話した。
彼女の言い分を要約すると「何故だ?」の一言に尽きる。
ははっ、まるで僕みたいだな。
……。
この日もまた、枯葉の音は乾いている。
カラカラと、空気を震わす。
どこまでも突き抜けた青い天井が、視覚的に空気の冷たさを訴えかけているようで。日向が照り出されている分、日影は温度を奪われているようにも見える。
冷たく。
さっきゅんの態度が。
冷えていた。
二週間前、ベッドで転がりながら考えた結果、一つの解決策を思い付いた。まあ、解決策と言うよりただの逃げなのだが。
今まで通りの生活をしたいならば、そうすればいいのではないか、と。
つまり、僕はあの日からずっと、なんのリアクションも返さずに過ごしたのだった。
実際、一週間位ノーリアクションで過ごし終えた時点で、もうこれはあやふやなまま終われるのではないかと思って楽観していたのだが、そう上手くはいかないらしい。
さっきゅんは、遅くとも五日以内――二三日まで――に返事を返して欲しいと言う内容の話をして、早足で帰って行った。
僕から何か聞く気はないらしい。
でも、どちらの返事をするか聞いてこなかった点に関しては、好印象だった。
なんとなく、校内にはまだ例の知らない女子が残っているのではないか。そう思ったが。
急ぐ必要はない。少なくとも僕にはない。
面倒事は後回しだ。
やる気の起きないことは。
やらなきゃならない時が来るまでやらなくていい。その時が来れば仕方なくやるさ。
帰ろう。
脇に抱えたスケッチブックは今日も白いままでいい。




