表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
沈黙Fall Snow  作者: 憂木冷
5/10

P-3



 知らない女子から手紙を受け取って、二週間が経った頃。僕はまたさっきゅんに呼び出された。

 前と同じ体育館裏。

 今回は誰も待っていない。

 知らない女子のいないその場所で話した。

 一方的にさっきゅんが話した。

 彼女の言い分を要約すると「何故だ?」の一言に尽きる。

 ははっ、まるで僕みたいだな。

 ……。

 この日もまた、枯葉の音は乾いている。

 カラカラと、空気を震わす。

 どこまでも突き抜けた青い天井が、視覚的に空気の冷たさを訴えかけているようで。日向が照り出されている分、日影は温度を奪われているようにも見える。

 冷たく。

 さっきゅんの態度が。

 冷えていた。

 二週間前、ベッドで転がりながら考えた結果、一つの解決策を思い付いた。まあ、解決策と言うよりただの逃げなのだが。

 今まで通りの生活をしたいならば、そうすればいいのではないか、と。

 つまり、僕はあの日からずっと、なんのリアクションも返さずに過ごしたのだった。

 実際、一週間位ノーリアクションで過ごし終えた時点で、もうこれはあやふやなまま終われるのではないかと思って楽観していたのだが、そう上手くはいかないらしい。

 さっきゅんは、遅くとも五日以内――二三日まで――に返事を返して欲しいと言う内容の話をして、早足で帰って行った。

 僕から何か聞く気はないらしい。

 でも、どちらの返事をするか聞いてこなかった点に関しては、好印象だった。

 なんとなく、校内にはまだ例の知らない女子が残っているのではないか。そう思ったが。

 急ぐ必要はない。少なくとも僕にはない。

 面倒事は後回しだ。

 やる気の起きないことは。

 やらなきゃならない時が来るまでやらなくていい。その時が来れば仕方なくやるさ。

 帰ろう。

 脇に抱えたスケッチブックは今日も白いままでいい。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ