第三十章27 【アンサー・クリエイト/贄喰威(にくい)4】27/5名目の下手人【レベル5】(【男?/私】)06
では、【グェシュニ】は何を狙っているのだろうか?
それは、表向き、グダグダな世界観で誤魔化しつつ、【真核名絶対技】に対抗するため、【死滅遊戯】と言う方法を使おうとしていた。
【死滅遊戯】とは何か?
それは、【世界観】の中の【キャラクター】の【真核名】を自ら破壊し、消滅するまでの僅かな時間で攻撃すると言うものである。
【真核名】を破壊してしまえば、【10番】の【真核名絶対技】は不発となる。
死滅するための余韻で攻撃しても【10番】は、【真核名絶対技】では防げない。
日本の神風特別攻撃隊の様な真似を【グェシュニ】は、させようとしている。
【世界観】に対して愛情が全くない、使い捨て的な戦法である。
創作者からすれば、反吐の出る様なやり方である。
【グェシュニ】は、
『さぁ、準備は整った。
【真核名】を失いし、名もなくなった【名無しのゾンビ】達よ。
最後の遊戯だ。
お前達は、あの女が来なければ名前を失う事も無かった。
全てはあの女のせいだ。
あの女に怒りをぶつけろ』
と命じた。
名前を失った名も無き【キャラクター】達は、
『うぉろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろっ』
『うぉあぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ』
『えがぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ』
『おあぁうぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ』
『えばあぁうぇぇぇぇえぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ』
などと言う声にならないうめき声を次々に上げながら、【10番】に襲いかかった来る。
異能力を駆使した見応えのあるバトルではない。
とにかく数で攻めて、力押しと言う泥臭い戦いである。
その勢いと執念は凄まじく、さすがに【10番】も一旦、距離を取った。
【10番】は、
『何がそれをさせる?』
と言った。
【グェシュニ】は、
『何が・・・か?
解らないだろうな・・・
私の気持ちは・・・
私は・・・愛してしまった。
【あの方】を・・・
あの方のためなら、私は・・・』
と言った。
『愛?
愛ですって?』
『そうだ、愛だ。
愛のためなら私は何でもやる。
何でもだ』
と言った。




