4.御伽噺の産物。
今度こそ、オープニング終了。
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「どういうつもりですか? ……獅童支部長」
「あら、ずいぶんな聞き方ですね」
冬也がその場を去ってから。
残った有栖は、獅童にそう訊ねた。
直属の部下である少女の言葉に、上司は至って平静に対応する。窓から外を眺め、鬱蒼とした森の奥にある街明かりに目を細めた。そんな彼女に有栖は、ほんの僅かな不機嫌を示す。
「それで、何故いきなり彼を引き入れたのですか? 今回はイレギュラーかもしれず、その能力だって未知数なのに」
「そうですね。でも、とても命を救われた者の言い方とは思えません」
「それは、関係ありません」
「えぇ、そうです。関係ありませんね」
獅童の飄々とした態度に、また有栖は眉をひそめた。
上司は分かりやすく表情を変える部下の姿に、どこか気持ちよさそうな笑みを浮かべる。だがすぐに、一つ息をついてから言うのだった。
「有栖さんは、聞いたことがありませんか?」
「……なにを、ですか?」
ぶっきら棒な態度になってきた有栖に、獅童は至って真剣に告げる。
「『勇者の因子』と呼ばれる存在を、ですよ」――と。
すると、その名が出た瞬間に。
支部長室の空気が、一気に張りつめていった。そして、
「御伽噺ですよ。……そんな力は」
有栖は首を左右に振って否定する。
あり得るはずがない。馬鹿げたものだと、そう言いたげに。
そんな少女の言葉を受けて、獅童もまた頷いた。だがしかし、
「えぇ、御伽噺……あるいは、創作世界の産物です。ですが――」
一つ、言葉を切ってからこう口にした。
「事実は小説より奇なり、というやつかもしれません」――と。
◆
「………………」
「えー……それでは、今日からこのクラスに転入する生徒を紹介する」
――『異局』での出来事から数日。
俺はいま、何故か多くの子供たちの前に立たされていた。
そして自分と大差ない年齢の教員の口から、彼らに向けて紹介される。
「御年二十九歳、なぜか中学一年生になった安土冬也くんだ」――と。
他の生徒たちは、みな口々に何かを言い始める。
あからさまに珍獣を見るような、好奇としか表現できない視線を向けて。俺は十数年振りに着用したブレザーの裾を握りしめながら、全身を震わせた。
そして、叫ぶ。
「なんでだあああああああああああああああああああああああ!?」
こうして安土冬也は、三十手前にして中学生に戻ったのだった。
本当になんで……?
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