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2.戦闘異能ではないんです……。

ここまでがオープニング。

次回から第1章に入ります。









「そんな、嘘でしょ……?」



 俺が尻餅をついて震えていると、背後から女の子の声が聞こえた。ちらりと振り返り、改めて相手の姿を確認する。

 肩ほどまでの金色の髪に、青色の瞳。

 俺のことを民間人と呼んでいた彼女は、国の機関の者なのだろうか。小柄な身にまとう衣服は基本的に軽装だが、四肢の先にはそれぞれ漆黒のタイツが覗いていた。


 それについてはニュースで見たことがある。

 政府の発表曰く、俗に『ダンジョン探索者』と呼ばれる『特殊部隊』向けに、ある程度の魔法を防ぐ装備を開発したのだとか。ネットがその話題で持ちきりになったのを覚えている。

 もっとも、あまりにも「ピチピチじゃねーか!」という意味で。



「えっと、キミ……もしかしてダンジョン探索者、ってやつなのか?」

「…………っ!」

「マジか! すげぇ……!!」


 

 この時の俺は直前のことでも興奮し、完全にミーハーになっていた。

 少女の反応に対して、必要以上にテンションが上がってしまう。マジマジと見つめて気味悪がられていただろうが、気付くほどの余裕はなかった。

 そして、そんな状態だったから少女の変化が分からないのだ。



「えっと、もしよければ少し話を――」

「動かないでください! 手を上げて!!」

「……へ!?」



 いつの間にやら杖を取り上げられ、田んぼのど真ん中でそう命じられていた。こちらが困惑して目を丸くしていると、彼女はより一層に語気を強める。



「いいから、素直に手を上げて答えなさい!!」

「え、あの……御近所迷惑……」

「黙りなさい!!」

「はいぃ!!」



 相手が子供であろうと、魔法の類を当てられたらひとたまりもない。

 俺はようやく自分の置かれている状況を理解し、悲鳴のような声を上げつつ手を上げた。すると少女は訝しげに、こちらの出で立ちを隅々まで確認する。

 そして何度か首を傾げながらも、俺の身分証を発見したらしい。

 懐から取り出したメモ帳に番号を控えつつ、しばしの沈黙の後にこう訊いてきた。



「戦闘異能登録証明書は、どこですか?」

「戦闘異能……なんだって?」



 正直に答える。

 すると、また数秒の間があってから――。



「戦闘異能登録証明書、です!! あと、所属機関を答えて!!」

「わ、うわ!? 耳元で叫ばないでくれ!?」

「嫌なら、早く答えて!」



 思い切り胸倉を掴んで、少女は声を張り上げた。

 抗議すると同じ質問を繰り返される。だから俺は、素直に答えるのだった。



「だから、そもそもないんだって!!」

「ない……? もしかして、貴方は海外機関の?」

「違う!! そうじゃなくて、俺のスキルには――」




 また大きな勘違いをしようとしている少女。

 そんな相手に、今度は俺が声を張り上げて言うのだった。




「もともと、戦闘するような力がないんだよ!!」――と。




 戦えるわけがないじゃない、だって【転職】だもの。

 そんな思いを胸に、俺は高らかに宣言したのだ。



 悲しくも自分は『無能』だ、と。




「………………え?」




 すると今度は少女が目を丸くした。

 そして、またも大きく。





「ええええええええええええええええええええええええええ!?」






 御近所迷惑などお構いなしに、叫び声を上げるのだった。



 


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