ある雨の日にあなたとあたし、相合傘で歩く
雨浴びるくらいあたしに相合傘合わせて歩いてくれるあなた。
明日の朝までアリみたいな足取りで歩ければなんて、浅はかでアウトなアイディアが頭から溢れてあきれ果ててしまう。
赤信号、相槌で温かくあははとあなた。愛想笑いでもあたしは熱くなり焦って汗ばみ扇ぐ。
アーケードで雨宿り。あの人みたいにあざとく愛くるしく甘えられればなんて哀れな憧れはあっさりと洗い流して。
呆気なく雨上がり。鮮やかな茜色が現れてああ無情。
ありがとうとありふれた味気ない挨拶。
危うく溢れそうな「愛してる」は暴かれないよう青い紫陽花に預けて。
青い紫陽花の花言葉……辛抱強い愛情