恋愛のやり直し。2
ええと、イヴァンには非常に申し訳ないと思ったが、流石に手術終わって、抜糸がまだな状態で隙ついて、逃げて。新幹線乗り継いでここまで来るのってどうなのかって思ったから通報させて頂いたよ。案の定、代表してルーちゃんに事の詳細を電話して伝えたら、ものの5分もかからない内に迎えに来てくれたよ。聞けば、みんなで探してた。って。しかも。
「みんなイヴァンには自然に思い出した方が良いからって言うから問い詰められても黙っていたけどね。とうとうメンバーの中で白状しちゃったんだよ。イヴァン博士の情に絆されてアメリアさんが。」
まぁ、彼女なら納得いくな。そう言う人の情けみたいなのに弱そうで情に絆されやすいのかもしれない。が、私が合流しない限り毎日でも来そうな勢いで来てる。ちなみに、焚き火はちゃんと水で消火したんだ。そこにイヴァンの上質のコートが濡れた状態で鎮座してるけどね。だけど、ここは治すのを優先したいので。
「お医者様の許可下りるまでは此処来ないでください!」
って言ったら、テレーンってショックを受けた様な顔をするから面白い。ルーちゃんも思わずクスクス笑ってたりした。まぁ、毎日でも訪ねて来そうだからって言ったら注意しとくよって言って無事回収して貰った。昔から一番に狙われてる立場なのに一番自由人だったイヴァン。みんなが気を使い過ぎてイヴァンの場所知らないっていう事もあるから注意が必要だ。
そしたらさ。翌日になったら今度はさっさと退院手続き取って荷物持ってやって来るんだよ。完全に居つく気満々でさ。
「これなら文句はねぇだろ?会いたかった。」
玄関の扉閉めようとしたら長い足で止めて強引に入ってきて鍵かけたと思ったら、唇奪われて。そこから待ってって言うのに全然聞かなくて。ベッドのある部屋まで逃げたら追いかけ来て。辛うじて鍵かけたけど流石に何がどうなったらこんな短絡的な事になるのかさっぱりで。いや、普通なら怖いよ。こんなん。
流石に助け求めたら今度はルーちゃんと一緒にリンちゃんまで駆けつけてくれて。
「こんなに追いかけ回したら普通、怖がるでしょうが!」
って怒って頂いた。本当にそれな。今日はこのまま回収してくれて、まず、話しから入りなさいよ。って事で。多分、色々知りたいから暴走してるんだと思うんだ。記憶の欠片沢山集めたいからああなってるんだと思うんだ。でも、こちらとしてもイチャイチャして良いものか気になるんで。電話で確認したら。
「一応、大丈夫とは聞いてるけど、イヴァン博士の怪我の跡見るとあの日の事をミサトちゃんが思い出して辛くなるんじゃ無いか。って思うのよね。一応、監視もしとくけどどうしても会うのがしんどいんなら場所変えた方が良いわよ。」
って忠告うけたんで、翌日、不動産屋行って売買手続き取ってね。売れたら口座に振り込んで貰える様にお願いして一旦東京に帰郷してから冬の北海道へと飛んだ。まぁ、最早、呪いの品なんじゃないかとさえ思う品物も一応持って来てる。所々焦げてるけどね。家も片付いてスッキリしたし。フラウディアは嬉しそうに雪と戯れて。可愛いんだ。これが。私以外は見えないけどね。
迷子になるからロッジの一室で早めに入ってなんでこんな事になっているのか考えた。そして、気がつくんだ。確かに少々強引な所はあったが、嫌がる様な事は一切してなかった事に。やはりね、記憶。無いんだ。ただ、みんなが言うからそうなんじゃないかって思ってるんじゃないか。ってだけなんだ。記憶なくても記録を見てこうなんだなって。私とイヴァンはこれまで色々騒動を起こしてきた。だから、記録は山の様にあったんだ。それを見て、思い込んでいるんだって。
翌日。更に移動したんだ。フラウディアが喜びそうな場所に落ち着くたくて。どこが良い?って聞いたら、
「春夏秋冬が楽しめる場所が良いなぁ。」
だそうだ。学校も保護者居なくなってるから、時間があればそっちの方も手続きいるよなぁって思って。
私が通っていた通信制サポート校の本校が実は鹿児島県にあった。なので、そっち行っちゃって良い?って聞いたらそう言えばあそこの自然素晴らしかったよねって意見が一致してね。本籍からして移す事にしたんだ。まず、自宅になる様な空き家を不動産屋で探す為に東京で一旦アルベルトさんを訪ねてエルフ達の大使館に出向けば私達が住んでた家にみんな居候させて貰ってたんだ。イヴァンは私を探し回ってたからたまたまその場に居なかったが、私が学校に一番近い鹿児島県の屋久島に新居探したいんだって言えば。
「イヴァンの側で大人びた発言してるから、忘れる事も多かったが、ミサトちゃん。まだ15歳なんだよなぁ。イヴァンと違ってちゃんと将来を見据えてってのが気に入った。俺が養子に迎えて手続きした方が手っ取り早く諸々の手続き済みそうだから一緒に手続き行くか。ミサトちゃん。」
「ありがとうございます。」
「あら。じゃあ、ワタシに妹が出来るのね!嬉しいわぁ。ミサトちゃんなら大歓迎よ!イヴァン博士を抑える口実出来るし。こっちは任せてくれて大丈夫よ。父さんって最強の障壁出来るから、無茶しようなんて思わなくなるわよ。気をつけて行ってらっしゃい!!」
そんな訳で、役所に行けば、養子縁組は恙無く終わって姓が変わった。私も望月姓が与えられたんだ。私で5人目の幸太郎さんの子供になった。んで、住民票とか諸々の書類を揃えてから羽田空港から鹿児島空港へと飛んだ。そこから一度、屋久島に渡って娘がここの生徒で住みたいんで住まいを探してるって言えば不動産屋も保護者付きなんで色々案内してくれて。結局、山の近くにある一軒家を購入して契約した。自分で出すつもりだったが、娘の為の出費なら惜しくないそうで。結局、幸太郎さんの別荘に私が定住する事になったんだ。自宅、東京にあるからね。
んで、住所が決まったので近くの役場で住民票の転入届け出して。国民健康保険の話しになったから手続きしてくれて。自分の身分証明書が出来たんだ。名前も変わったから、これでイヴァンの奴も落ち着けばなって話してた。最後に寄ったのは休学中の高校だった。養子縁組を受けて保護者の変更したんだよね。まぁ、有名人が保護者になってくれたものだから、学校的には大歓迎って事だった。まだ休学解除しないのかと聞かれたが、まだ旅の途中なんでって答えたら、レポートも視聴報告も相当溜まってるから、屋久島に滞在中は自由に通って来て良いからねって先生にも言って貰え、急遽、年に1回参加が義務付けられているスクーリングに参加させて貰える事になったんだ。いる物が書かれた用紙と明日からの予定表を貰って。明日からの準備の為に急遽鹿児島市に飛んで、ショッピングモールで沢山買い物をしたんだ。今日だけでも相当な散財をしたのに嫌な顔一つせず。それどころか。
「何かあったらいつでも電話して来いよ。いつでも駆けつけるからな!」
そう言って、笑顔で別れたんだ。電気と水道、ネット環境とかの残りの手続き済ませて。必要な家具とかも安いけどスタイリッシュな物を購入してから自宅に戻り、引っ越し作業終わらせる事が出来たんだ。
晩になって、リンちゃんから電話があって、イヴァン。落ち着いたって話してくれたんだ。何でも。
「ミサトは一生懸命先を見ているのに、自分は過去ばっかり見てて。何だか自分が恥ずかしくなって来たんだ。当然だよなぁ。自分の気持ちを押し付ける事しかしてないからな。こんなんじゃ、いつまで経っても振り向いてくれる筈が無いからなぁ。まぁ、俺もそろそろ遊んでないで仕事に戻る事にしたんだ。ただ、俺。病室であの子見た時からずっと恋い焦がれているんだ。抜け落ちた記憶の中で大事にしてた感覚だけは残ってるんだ。」
きっとね、生まれ変わっても恋したのはあなただったみたいねって。言ってたよ。イヴァンの体調に問題なくなったから明日から種子島だって言ってた。宇宙センターがあるのがそこなんだって。だから、スクーリングに行ってる時ひょっとしたら会うかもしれないわねって。にただ、勅使河原先生。同行する事が決まったんだって。イヴァンが月に帰るのを諦めていないからお目付役いるよなぁって話しになったんだって。
翌日からスクーリングが始まった。今日からしばらく高校生に戻るんだ。私は交通費が必要ない場所だが、スクーリング行ってる時は学校で宿泊するんだ。泊まるのは4泊5日だ。全国から集まって来る。同級生だったり、上級生だったりするんだ。此処に居る子達は私みたいに学校?なにそれ美味しいの?って子から発達障害を抱えていたり、他の高校行ったけどイジメられたり自分に合わなかったりって言う理由で編入学したり、様々な事情を抱えた子供が多い。だけど、私は最初から浮いてたよ。今まで大人の中でいたから分からなかったけれど、此処の子達と私では住む世界が違うのだ。此処の子達は今あるもの全ての恩恵を享受してた。ゲームだったり、テレビだったり、ネットだったり。何らかの話の種って言うのを持ってるんだ。だけど、私にはそれがまるっきり無い。だから、班分けされても私一人が浮いていた。そして、みんなもそんな私にどう接すれば良いのか分からないんだろう。先生も心配しているのは分かっていたが、みんなの輪に混ざる事は出来なかった。




