表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界日本記  作者: はくあんせいぼ
第一章 賢神イヴァン
76/595

決戦前夜 1

 とうとうルーが倒れてしまったよ。本当に呆れてものも言えぬ。医者にも散々止められていた。それでも目の前の人を助けたい一心で僕の手を振り切り、ヤク中の罪人を助ける為にその力を発揮してしまったんだ。流石に堪忍袋の尾が切れてしまったよ。約束せぬまま無茶し続けるものだから、そろそろ丸め込まれるのをどうにかしようと考えた。


 まずは先程、ウインディアがかけた魔法陣の確認を取る事にした。お陰様で、ルーの側にいるものだから簡単な呪詛なら教えて貰ってるんだ。


 魔法陣を紐解くと、確かにこの範囲にいる限りルーの意思では体は全然動けないみたいだ。間違いなく。僕はそこに遠慮なく効果を書き足す事にしたよ。魔法は発動できないと作戦に支障がありそうだったから消去される危険があるが、要は、僕と一緒にいる場合に限って効果が発動すれば良いだけの話だ。然も、自分から喜んで入る様に。解除すら思わない様に仕向ければ良い。この悪戯の効果で慎ましい淑女が僕の前でだけ人が変わってしまう程乱れる様になってしまうが、僕の精神が心配ですり減るよりかマシだった。従軍してる位だ。命のやり取りしてる以上色んな可能性は確かにあるが僕は最後までルーを守り続ける。その意思には変わりがないが、今後はイレギュラーにも予め対応出来る様にしないとまずいと僕はそう思った。 だから僕が付け足したのは


 一定量魔力が回復したらそこから濃縮した魔法石を精製して決して半分以上魔力が回復しない効果と、快楽に溺れている間は魔力回復量を更に上げるという効果を書き足した。


 要は、そこから出られないという図式だ。僕がそこから連れて出ない限りは。もしも、今回の様な事態に陥っても元々はルー自身の魔力なので、魔法石を砕くだけで回復する事が出来るであろう。で、肝心の快楽の素となるのはみんなお馴染み例のアレだ。元ネタが自分の元妻ってのが非常に残念過ぎるが、魔力を巧みに操るルーを出し抜きたい一心で探して見たらどうも異世界でもそういう趣向があったのだろうか。あったんだ。それが。僕が手に入れたのは隷属の腕輪って代物で、元々は主人が奴隷の所有権を表す為の物だったらしいが時代が変われば趣向も変わるとは良く言ったもので。天変地異後は奴隷なんていないものだからより性的なものに特化したという訳だ。そんな訳で、そんな代物。当然だが購入には制限がかかっている。まず夫婦だと証明されなければ手に入れる事は不可能で。でも、その性的効果が絶大という事もあってか、ネットでの裏取引が非常に横行しており、僕は取り締まる側だからたまたま持っていたってだけなんだ。ただ、僕のは腕輪が1個だけだがルーに取り付けるのは首輪と腕輪と足輪。全部で5つ。魔力が高い人程狂った様になるらしい。それに僕は更に加工を施した。隷属の腕輪の嘗ての効果である位置特定の機能を再現したんだ。原因はルーが寝込む原因になった氷嚢閉じ込まれ事件だ。もし、一人になったとしても位置が分かってさえいれば生死の淵を彷徨うなんて陥る事態にならなかった。そんな後悔からだ。


 さぁ、僕の愛しい姫君。僕の腕の中で存分に狂うが良い。これが僕がそなたに与える罰だ。


 寝ているルーに腕輪の類いを全部付けて呪詛を唱えれば小さな魔法陣が現れて鍵がかけられた。きっと、ルーの本来の力に反応したのかもしれない。急に目が覚めた様だ。子作りした時以来の、僕にしか見せない。蠱惑的な瞳と慈愛を湛えた光が僕を誘った。もう、それだけで僕も狂いそうになるが今回ばかりは約束を絶対結んで欲しいものだから敢えてルーにだけ先に智慧が回らない様に徹底的に可愛がろうと思った。ルーにキスしながら服を剥ぎ取った。体の動きを封じられている人にする事じゃ無いが、僕は媚薬を塗り込んでからリモコンで遠隔操作するタイプの例のヤツをルーに入れ込んだ。


 ルーが小さな悲鳴を上げたが、タイミング悪く僕のズボンに突っ込んでいたスマホが鳴り響き。


「もしもし。……………そうか。アレクサから情報提供か。……………分かった。明日の打ち合わせだな。直ぐにアメリア姫の所に参ると伝えてくれ。」


 そう言って僕はスマホの通話を切った。返す返すも残念だが。


「ルー、起こしておいて悪いが明日の打ち合わせだ。僕が戻って来るまでこの状態じゃなかったら僕は死ぬまでそなたを許さぬ!」

「!?」


 僕は部屋を出て外側から鍵をかけた。それから、2時間程アレクサに聴取して出品に関する物とか当日の動きを打ち合わせしてたら2時間なんてあっという間だった。若干隷属の腕輪にヒビが入ってたのでルーの魔力が膨大過ぎた為にアイテムの方が持ちこたえる事が出来なかったのであろう。想定の範囲内だ。これで交渉に持っていける。


 人払いをしてるので、当然だがルーのいる部屋には人が居ない。だが、夕食の時間帯になってたからワゴンが入り口付近に置かれていた。まだ暖かいところを見ると、執事の方々が気を使って用意してくれた事が伺えた。今日は日本料理でルーの為に雑炊が用意されていた。1人前にしては鍋が大きく量がが多いので二人で食べて良いのであろう。コンロも付いていたから冷えたら温めても良いのであろう。心遣いが有り難い位だ。僕が鍵を開けてルーの寝てる部屋に入って再び鍵を閉めた。ワゴンを押しながらベッドまで行くと。


 ルーの顔が絶望感で溢れていたよ。嫌われたらどうしようってちゃっかり顔に書いてあるのがまた。そういう事を思うのであれば最初から僕の言う事を聞けば良いのだ。 僕は最初からそんな既製品なんぞで縛れるなんて思ってすらいない。ルーは僕が完全に怒ってると思ったんだろう。


「……………ごめんなさい。ごめんなさい。」


 って泣きながら謝りだした。まぁ、ここまでしないと約束一つすら結べないのかとも思うが。


「そなたが僕の言う事をこれからはちゃんと聞いて、僕の支配を受け入れて死ぬまで僕の側に居続けるのであれば許してやらない事もない。」

「……………えっ。」

「そもそもそなたが悪いのだ。散々僕を心配させて。そなたは優しいから自分がどんな状況にあっても人の為に尽くそうとする。その行いは崇高だ。僕だってそんな君に恋をして心からお慕いしているが、その陰で僕が恐れていたり心配の余りに気が狂いそうになる思いを抱えている事を少しは考えた事があるのか?」

「…………」


 ぐうの音も出ない様子だ。そして、畳み掛ける事にした。


「だから約束して欲しい。今後は僕に君を守らせて欲しい。危ない真似は絶対にしないと約束するんだ。君がちゃんと承諾するまでは君を焦らし続ける事にする。何日かかっても構わぬ。そして、医者の許可が下りるまで僕が運ばない限りここから動くのを禁ずる。ちゃんと守る気があるかどうか。しっかり確認させて貰うとするよ。僕だけのルシール。覚悟は良いね?」

「…うん。心配かけてごめんなさい、エド。僕、まさかエドがそこまで思い詰めてるなんて思ってすらいなかったんだ。もう、心配かける様な事はしないって約束するよ。だから…………」

「悪いが僕は自重する気は無いんだ。どれだけ今回の件で僕が怒っているか。その身体に刻んであげよう。此処はウインディアの緊急処置で君だけ動けない。まぁ、僕のいない間に確認済んでる筈だ。追加で入れた効果も、付けられた物が何かも。まぁ、既製品故、宝玉が割れてもう既に効果は切れているが僕がどうしたいか理解はした筈だ。」

「…………」


 僕は、早速熟れた果実を食べることにした。僕のいない間にすっかり快楽の虜になってたから動かない身体を焦らし続けた。泣いて懇願しても許さぬ。僕はただただ気が狂った様に僕を求める愛しい人に罰を与え続けた。そのうち、本当に我慢し切れなくなった様で僕は望みを叶えてあげて。少し冷めた雑炊を温めてからルーに食べさせた。僕も、軽く食事を頂いた。僕たちがバスルームに篭ってる間に布団の類いを替えてくれる様に連絡を入れてからバスルームでも戯れ続けた。時間を忘れる程に。どうやら、ルーも僕が喜んでくれるならおもちゃになっても普通にされても嬉しい事が分かったから僕の提案は大人しく受け入れて貰える様だ。余りにも可愛い事を言うからついつい僕も調子に乗った。僕にルーは甘え続けた。


 ベッドに戻ってみたらおかしな事に魔法陣が消えていた。僕は不思議に思っていたが。


「きっとね、ウインディアはエドが悪用するなんて微塵も思ってなかったからきっと布団の方に効果を付けたんだろうね。僕ならばこうするよ。」


 ルーが魔法を唱えればキングサイズのベッドが対象になった。何を付加したか気になるから聞いてみたが。


「回復量増加と魔法石錬成の効果はそのまま付けたんだ。だけど、行動制限に関しては僕は魔法をかけられるけど自分を対象には出来ないんだよ。しかも、自分より上位の方がやらないと効果は発揮されないんだ。」

「では、僕でも不可能って事になるのか?」

「うん。そうなるね。でも、僕の事を思って。後々の事を真剣に考えてくれたエドに僕、凄く感謝しているんだ。だから、ちゃんとお医者様の言う事をちゃんと聞いて大人しくしているよ。約束するよ、エド。」

「…その言いつけを今まで散々破っているからこの様な事になってる自覚はあるのか?」

「ううう。だけど、エドに嫌われたら僕生きていけそうもないから大人しくしてるよ。本当だから、信じてよ!」

「…………」


 まぁ結局の所、丸め込まれるのは僕の方だと溜息しか出なかったよ。でもまぁ、それでも僕が怒っているのは分かって頂けた様で、翌日になって、僕が闇オークションにパートナーとしてルーを同伴して参加するまでの間、本当に僕の側から離れなかったのだけは褒めてあげた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ