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異世界日本記  作者: はくあんせいぼ
第一章 賢神イヴァン
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作戦会議。1

 翌日になって、エドから連絡が入って。ルーちゃん無事に持ち直したって聞いて本当に安心したよ。

 何でも、転移魔法で直接ウインザー城に飛んだ所で此方の状態を把握したんだそうだ。

 ルーちゃん私たちの危急に帰りたそうにしていたのだが、医者からこれ以上の無茶は命の保証はしかねます。ってイギリスに帰って早々に現地で手配されたお医者さんに診断書と共に診察受けたらそう言われたそうだ。なので、現時点での復帰はあり得ず。ただ、


「ルーは人が良すぎる故、僕が監視の目を緩めた途端にそなた達の元へと飛んで行ってしまいそうでな。なので今、ルーが疲れて寝てる間に連絡をしている。疲れて寝てるのにも訳があってな。僕たち。ローグフェルグで魔王様を忘れて行った事に気がついてな。到着と同時に連絡来たから焼け落ちた宮殿からスタッフを派遣してウインザー城に来て頂いた。でだ。腐女子が喜びそうなものを提供したらあっさりルーの術中にはまってルーが魔王様を使い魔に仕立てるの。まんまと成功してるんだ。」


 これ聞いた時。みんなに衝撃が走ったのは言うまでもない。ルーちゃん。あなた一体何者?と思ったが、エドの話を聞いて納得した。


「僕は彼の軍歴を知る立場にあったから世界でただ一人しか持ってない希少スキル『千里眼』持ちなのは知ってたんだ。ルーの空軍所属もオーストラリア軍にしてみればルーのご機嫌取りだ。ルーの嘗ての所属先は諜報部でな。真っ先に特殊魔法の習得を命じられたのも千里眼の有用性をオーストラリア軍が重要視していた証左だ。軍人の薄給でまず購入はあり得ない億ションの最上階をルーが所持していた事実からも明らかだ。」

「えええっ!ルーちゃん。そんなに凄かったの!?」

「ああ。僕もルーに見せつけられて驚いたよ。彼がリピート使って悪事をばら撒く事が可能だったのも、全ての事実を再現してみせたのも魔法よりも千里眼の方の効果で全ての情報を補完出来たからこそ出来た芸当だ。嘗ての父上も千里眼の有用性に気がついたからこそ取り込もうとしてたのではないかと想像に難しくない。今回もやってくれたよ。ナスターシャの目の前でエルフの人形。強引に引き出してな。顔を見て驚いた。イヴァン博士とルーだったよ。最初から釣れるって分かっててやってたとしたなら、権謀術数も相当なものだ。自分よりも遥かに年上の魔王様を出し抜いてみせたから僕はますますルーが気に入ったよ。そんな訳で、ルーが目覚めたらルーに完全に掌握された魔王様がそっちに送られると思う。流石にルー程の万能さは持ち合わせてないけどいざという時は移動の起点に出来る様に加工してた様だ。ついでと言っては何だが、ナスターシャの目と耳から得た情報も僕とルーは把握できるから情報交換も可能だと思う。遠いイギリスから健闘を祈ってるよ。」


 そう言って電話は切られてしまったが。返す返すもルーちゃんが戦線離脱してさえいなければと。そうすればあっという間に解決の糸口が見えたかもしれない。イヴァンも。


「薄々ルーが魔道士最強なんじゃないかとは思ってたが、まさか、あの女を掌握するなんて誰が考える?俺を雁字搦めにする様な奴だぞ?」

「そうなのよね。知略でもルーちゃんの方が上手となると、ルーちゃんの性格上ミサトちゃんの代わりに知らない所で色々汚い仕事もやりそうで心配なのは確か。でも、今回魔法使いの回収に成功したのは大きいわね。どんな方法で懐柔したのかはきっと知らない方が身の為だと思うけど。」

「そうだよなぁ。俺とルーを抱き枕にされていたんだと思うと吐き気さえ覚える。」


 まぁ、実体験を思い出しちゃったんだろう。実際のイヴァンも顔面蒼白で脂汗流してる位だもんね。流石にしてやったり。って気にはならないか。


「とりあえず、昨日1日で集めた情報を整理しよう。エドが有用な人材を置いて行ってくれて助かったよ。まず、アメリアさんの過去から洗い出した。でだ。アメリアさんの身内が此処に一人と消息が分からないがもう一人生きてるんだったってな。マーク。」

「はい。一人は此処の第一夫人であるハイネル様です。DNA鑑定でも99%以上の高確率で血縁関係と断定されています。で、もう一人の生存者は双子の兄に当たるアレクサというナイトメアの男です。現在、メルツ最大のマフィアNo,3として君臨していますがそれはあくまで裏の顔で表向きは武器商人です。月との軍事関係者とも蜜月であると言われており、イギリスへのスパイもこちらを経由して入国しています。偽名でしたが、顔の特徴で先日世界政府に引き渡された男と同一人物である見て間違いありません。」

「……………ザイード様。ご説明して頂きますよ。アメリアさんの命がかかってるんだ。」

「無論だ。」


 現在この場にはエド、ルーちゃん、ナスターシャさん、アメリアさんを除いた全員とザイード様、ピール殿下、モハメド君が揃っていた。勿論、この作戦会議の記録はみんなの承諾を得た上で幸太郎さんの手で録音がなされてて後々イギリスにもデーターとして送る事になっていた。真偽を見抜く力のあるルーちゃんがいないのは非常に痛いが他ならぬ義父上が嘘を話すとも思えない。私は続きを促す為に。


「義父上。お願いします。どうか本当の事をお話し下さい。私、アメリアさんが困っているなら助けたいんです!」

「分かっているからそう急かすでない。まずは、これを見て頂こう。」


 机の上に置かれたのはホルマリン漬けになってる目だ。随分と小さい。瓶が2つあるが何だか嫌な予感がする。幸太郎さんはその物体をカメラに収めてた。


「これはな、話すのも悍ましいんだが。今から20年前。儂は親友の娘を娶った。今の第一夫人ハイネルで間違いない。当時は7家あったアラブ首長国連邦の7王家もこれが原因で現在の6王家と数を減らしたのだ。その原因がこれである。昨日、石油が取れなくても投資によって財を成してメルツの民を養っていると教えたが、一時期、民が相次いで失踪する事件が多発したのだ。それが、アメリアとアレスタが生まれた20年前だ。手引きをしたのは親友だったよ。当時は、メルツにも税金を課すか否かを議論していたのだ。我らの財政も逼迫していたが故。だが、親友は若い男女を売る事で密かに大金を得て民達に税金を課すのを止めようとしたんだ。勿論、それは自分の身内も例外ではなかった。犠牲になったのは当時生まれたばかりのアメリアとアレスタだ。世の中には、趣味の悪い好事家もいる。彼らが生まれた事を知った闇ブローカーが親友にこう囁いたそうだ。『ヴァルキリーとナイトメアの生まれたばかりの目を欲しがっている人がいる。どうだ?取引に応じる気はないか?』とな。親友は悪魔の取引に応じ、彼らが出生後目が摘出されて国家予算規模の大金になった。課税が回避されて民は喜んださ。最初の内はどうにかなったがそんな付け焼き刃みたいな金策がいつまでも続く事は無い。3年後、きっかけはそこにおられる望月幸太郎氏のスクープ記事だ。」

「ああ、全くもって酷い有り様でな。当時の事はよく覚えている。散々命が狙われたからな。当時はこんな俺にも大事と思った家族がいたからな。脅されたし、監禁された事もあるしな。ただ、此処で生きたのは月での経験だな。捨てる神もあれば拾う神もいるのさ。たまたま此処での取材の帰りにハーレムに軟禁されてる二人の子供の泣き声を聞いてザイード殿の制止を聞かずに泣き声を頼りにハイネル様の居室に入って発見したんだよ。鎖に繋がれた彼らを。俺は構わず写真に収めたよ。その後、ザイード殿も彼らを見つけてどういう事だと問いただしたよな?」

「……………ハイネルの答えはこうだった。父上の命でこの子達を飼育している。現在3歳で後2年隠し通せばこの子達は目を売り渡した相手が今度は性欲の捌け口として引き取ってくれるから見なかった事にして欲しい。これがあれば一生遊んで暮らせる程のお金が手に入るのだ。悪い話では無いだろう?とな。仮にも王族ともあろう者がここまで落ちぶれるのかと儂はそう思わざるを得なかった。二人とも髪が無かったからどうしたのかと聞いたら父上の命でオークションに出して金に換えている。国庫にも入っている筈だと。流石に儂はその時にこの女には愛想を尽かしたのでその場で侍女共々牢に入れた。そして、幸太郎さんに自重する必要はない。遠慮なく真実を流せ。こんな非人道的な事で民を養うのは恥以外の何者でも無い。それで民達に見放されても文句を言える立場に非ず。それで幸太郎の記事で民は目を覚まして当時王だった親友は民によって粛清されたよ。儂も粛清されるのを覚悟してたがそれ以上は命を奪う必要がないという父上殿。当時はまだ身内ではなくエルフの王として君臨なされてた最長老様に魔力でもって救われたのだ。」

「それで、拉致された民達はどうなってたんですか?」

「追跡調査を敢行したが、売り飛ばされた相手はみんな魔族で子を孕む為の道具と化していた。みんな一様に気が触れておった故に助ける事も出来ず、見殺しにするしかなかったのだ。人数にして579名。結婚間近のカップルも複数含まれておった。残された6家は二度と非人道的な事に手を貸さぬと誓った。その後、王に即位したのは儂で、先日。その好事家が老衰で亡くなったと聞いてな。警察を使って関係書類等々押収させてもらえたのじゃ。世界政府のご厚意だ。その時に回収したのがこれになる。」

「…………」


 みんな沈痛な思いで目の前の小瓶を眺めた。光の無い世界でどんな気持ちで生きて来たのだろうかと思うと胸が痛かった。

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