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異世界日本記  作者: はくあんせいぼ
第二章 忠義神ピールと慈愛神シェリル
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エンジニア集団。再び。1

 SPが監視してる教授を置いてね。翌朝ホテル精算済ませてチェックアウトしたんだ。シェアハウスで散々濃密な時間過ごしても、魔法を解除すれば1泊なんだよね。非常にお得感満載の顔して決して安くは無い宿泊代を支払うからホテルの従業員の方は凄く怪訝な顔してたよ。勿論、普通のアラブ人が身につける服装して出て来たものだからホテルの人が逆に慌ててた位だったんだ。入って来た時も出る時も同じ人間の筈なんだけどね。着てる服装で随分と印象が変わるみたい。モハメドに至っては姿自体が変わってるからね。


 ホテル出てね。僕たち目につくんだよね。他の人が見ると明らかに異国の人って分かるからね。なんで、モハメドに命じて京都のボランティアセンターに行って受付して来たんだ。そしたらさ、僕たち声かけられたんだ。福井大学で寝食共にしたゼミ生達で、ほぼ1ヵ月振りか。って感じ。


「ピール、モハメド!こっちこっち!」

「よっ!青木に神崎に小野寺か。久しぶり。みんな元気だったか?」

「うん、みんな元気だよ。あの大雨の中旅立ったからさ、心配してたよ。みんな。今日はまだ僕たちだけだけどね。集合9時だからまだ30分あるし、竹田教授の授業面白いって人気高くてゼミ生多いから驚くと思うんだ。福井大学に入り浸りの俺たち以外のメンバーも漏れなく参加してるからね。竹田教授が与える単位と言う魔力に従わざるを得ない連中。多くてね。夏休み前の小テストに通った4回生と通らなかった連中全て強制参加って言い渡されたんだ。」

「まじかぁ…………」

「考えに共感して参加したんじゃなかったのかい?」

「いや、確かにいるよ。そう言う連中。他の教授のゼミ生は任意で参加だったからね。だから福井大学だけで結構な人数参加してるんだ。だから宿泊先揉めてね。一度に82人泊まれる場所無かったんだ。なもんで、竹田教授が強権発動してね。他の教授と僕らは大きなホテル一括して借り上げて全ての宿泊費竹田教授持ちなんだよ。ただ、それでもどうしても入り切れないから竹田教授、自主的にラブホ行っちゃってさ。みんなして大慌てしたんだよ。学長には他の教授方お叱り受けるし。だけどね、言い出しっぺは俺なんでって学長まで言いくるめてさ。あの横暴な性格でしょ。誰も教授を止められる人居なくて絶賛困ってた。ピール君、君なら教授説得出来るんじゃない?」

「あの、僕たち教授からあみだくじで大ハズレ引いたんだって聞いたけど、違うのか?」

「えーっ!違う違う。仮にも旧皇族だよね。しかも武勲を立てた竹田宮様の次男坊相手にあみだくじ画策する馬鹿いないって。確かにみんなであみだくじは引いたけど竹田教授は不参加で、竹田教授の代わりにスイートルーム引き当てた人は確かにいるけどさ。と言うか、何であみだくじとか言う話になってるのか説明して欲しいんだ。一体、どうなってるんだ?」

「一昨日、保育園でのボランティア終わった後に何も事情を知らされてない愛媛県警の原田さんって方からメモ渡されてね。行ってみたらラブホでさ。引き返そうとしたらとっ捕まったんだ。教授にさ。んでさっきの説明受けたって訳。」

「大ハズレ以外は嘘言って無いのがまた。なら、君たちも漏れなく巻き込まれたか。て事は君たちもラブホ通勤?」

「おいおい、他の人が何事かと思うからラブホ連呼はちょっと控えてくれないか?」

「あっ、嶋教授。ご無沙汰しております。」

「ご無沙汰してるね。君たちの活躍は僕の耳にも届いているよ。竹田君の事気になるから教えて欲しいんだが…………」

「ああ、それでしたら昨日、勘違いした僕の保護者が心配して職員寄越して来ましてね。昨日の内に大阪のホテルに移送したんで教授方を困らせる事態にはならないと思います。」

「そいつは良い。食料調達困ってたんだ。被災者優先で食料行き渡っててなかなか大変でね。福井から学生達の食料賄って貰うのに魚ハの大将がご好意でご飯を配送してくれてたからな。大阪で竹田君が食料購入してくれれば大将も楽になる。キャンピングカーで炊き出し。出来る様になるからね。早速ご両名に相談しないとね。情報提供ありがとう。ピール君、モハメド君。」

「いえ、それほどでも…………」


 そう言って、嶋教授は僕たちから離れて連絡取り始めてた。他の人々も続々と集まっててね。そんな中でも会話は続くんだ。僕たち、結構意気投合してたんだ。竹田教授のお気に入りと言うね。だから会話が弾む事この上ない。


「しかし、ピール君の保護者って誰?」

「血縁じゃないけどピール君のお父さんの第三夫人のお子さんがローグフェルグの皇帝陛下って聞いた事はあるけどね。まさかとは思うけど…………」

「ああ、その認識で間違いないよ。幼少の頃からピールは主君だったし。僕と違って王族だからね。だけどね、ピールは今でも姉上様とお呼びしてお慕い申し上げているんだ。血の繋がってる姉弟以上に仲が良いと僕は断言するよ。」

「モハメドがそう言うなら信用のおけるお方なんだね。まぁ、介入してくれて良かったよ。」

「本当にそれな。」


 そう言って大笑いしたんだ。この後、置いて来た竹田教授も無事に駆けつけてね。福井大学ボランティア部隊82名全員と顔を合わせたんだ。錚々たるメンバーでね。大半は男子なんだが女子学生もちらほら居たよ。この後、班分け行われてね。ミーティングの後にみんなは散り散りに各地に散らばって行ったんだけどね。竹田教授のお気に入りで固められてる僕たちは京都市役所に出向いたんだ。実はご相談が…って事らしい。



「はぁ?AI復旧させろだと?京都大学って日本上位の大学だって工学部あるだろうよ。ご自慢の頭脳集団差し置いて俺たちに依頼するってどう言う事なんだよおい。」

「…………」


 竹田教授がそう言う反応するのも分かるんだ。京都大学って言えばね、世界でも上位の方に位置する大学って認識なんだ。東京大学に続いてね。まぁ、竹田教授が福井大学にいるのがそもそもおかしい経歴の持ち主ってのは言わずもがな。エドの1学年下でエドの後輩ってだけで察してよ的な何か。勿論、学部は違うけどね。日本から留学してそこそこの成績(本人談)で卒業してさ。当時皇族だった事を良い事に自分の行き先まで強権で変えさせた。って事らしいよ。だから、被災してる京都大学よりもって言う京都市長の話しも分からなくはない。だけどね、世の中、出来る事と出来ない事ってある訳で。


「そいつは、日本政府に依頼して下さい。俺たちに依頼するのは筋違いです。まぁ、京都市街地一斉に被災してるからご苦労は察しますよ。ですが、幾ら罹災証明書出さないといけないからってバックアップすら無い状態でシステム復旧させるなんて現状では不可能です。」

「ですが、ピール大司教様は以前、世界政府のエージェントでいらした。ピール様がいらっしゃれば…………」

「ピールはハッカーから足洗ってんだ!こいつに犯罪行為させようって言うのか?自分達が楽したい為に。そもそも何で沢山の市民抱えてる筈なのに何でPCにバックアップしとかねぇんだよ!AIだって所詮は人間が使う為に開発した道具の筈なのに、その道具に支配されてるが故に備えを怠ったってだけの話だろう。依頼するんで有れば日本政府から。それもお前たちの失敗をちゃんと公にしてからだろう。コソコソ隠れて最初からそんな事は無かったんだって隠そうとしてる魂胆が見えてる時点で何で京都大学が出て来ないか理解できた。悪いが俺たちも協力出来ない。てな訳で帰るぞ。みんな。」


 そんな訳で、僕たち京都市役所を後にしたんだ。僕的には何ら問題無かったけどね。だけどね、要はちゃんと筋を通せ。って事なんだと理解したんだ。僕たちはその後、ボランティアセンターに戻ったけど、みんな出払った後でね。奇跡的に依頼が来たんで僕たちそこに出向く事にしたんだ。



 依頼があったのは、暴漢に襲われてたお宅そのものだったんだ。依頼を出したのはそこのご長男さん。何でも日本政府の官僚らしいよ。余りにもタイムリー過ぎて僕たちだけじゃなくて竹田教授までもがびっくりしてたんだ。実はさ、ご近所から異臭が酷いって苦情を受けたらしくって、休暇を取って被災した実家の後片付けって事で。早々に終わらせたいから自分の部下まで出動させてたんだ。そりゃあ、急いで向かってくださいって言われる訳だよ。そこのお宅。楢原さんって言われるんだけど、僕たちが老夫婦助けたの知ってたんだ。黒い鱗を持つ青年に助けられたんだ。ってお爺さん言ってて、たまたま拾った僕の抜け落ちた鱗を大事に持ってて。それを見せられた時僕は驚きを禁じ得なかったんだけどね。いつの間に拾ったのかなぁって。自覚すら無かったんだ。


「いやはや、黒い鱗を持つって聞いてたから正直言って何者か想像つかなかったんですが、まさか、日本に来日中のピール様に助けられていたとは思ってもみませんでした。その節は父母がお世話になりました。ありがとうございました。」

「いや、それ程でも…………」


 凄い恐縮しながらも、ご挨拶したんだよ。まずは家具の搬出からって言われたんだけど、想像以上の異臭の酷さに辟易してね。さくっと魔法で作業する全員対象にしてスルーを詠唱したんだ。途端に匂い感じなくなるんだ。これには楢原さんも。


「日本には凄くタイムリーな生活魔法なんですね。賢神イヴァン様か。」


 ってにこやかに話されるんだ。まぁ、大急ぎで作業するんだけどね。水没した物全て搬出する作業して、腐った畳も全部出してその下の板も、取ったりしてた。楢原さんは流石というか。ちゃんと写真に収めてたんだ。お家の現状。罹災証明書出して貰うのに証明写真。添付する必要あるから。ギクギクッって僕たち思ったんだけど、どうしたものかなぁ話すべきか話さない方が良いかって迷ってたらさ。溜息の後に意を決した竹田教授がさ。


「京都市役所、今、罹災証明書出せる状況にすらないぞ。AIが全て水没してデータ全部吹っ飛んでるぞ。」

「……………それ、本気で言ってますか?流石にバックアップ無いなんて馬鹿な事…………」

「京都市役所に行って俺に聞いたって言って観念して詳細話してくれると良いんだがな。コソコソ隠れてピールにハッキングさせようって考えまで出始めてるからな。職員も市長も疲弊しきってる。日本政府のリカバリーすらない状態だからなぁ。行くなら早い方が良い。」

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