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異世界日本記  作者: はくあんせいぼ
第二章 忠義神ピールと慈愛神シェリル
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神々が消えた日本の大地を征く。4

 僕たちはその日の内に京都市内にあるお世話になった保育園までモハメドの転移魔法で飛んだんだ。マスクしてないと悪臭酷くてね。そんな中で保育園の先生方は総出で後片付けしてたんだ。先生方はモハメドの事、名前は知らないけど泣きそうな顔をして意識の無い僕を看病し続けた竜族の人って覚えて下さってた。被災して多分1ヵ月近い筈だ。なのに、この遅々として復興が進んでいない状態に僕たちは衝撃的な事を聞く事になったんだ。


「それがね、昨日ようやっと梅雨明けしたんだけどその間雨が降り続いてね。京都は盆地だから川から水が氾濫しては水がなかなか引かない状態が続いてね。それが続いたから衛生状態も悪くなって疫病まで起きたの。破傷風とかもね。何処も今日から災害復旧始めた所ばかりよ。一時、ロボット兵達も護岸工事に投入しようとしたけどね。雨が全然収まらなくて流されるって理由で護岸工事も今日からよ。」

「あの、子供達は大丈夫なんでしょうか?」

「何名か原因不明の疫病にかかってるって話は聞いてるけど今の所特効薬の開発も無いわ。嘗て技術大国だったのにね。今では新型ウイルスに対して私たちは無力なのよ。」

「それ、本気で言ってるのか?世界政府とかも何も対策打ってないのか?」

「残念ながら何一つ音沙汰無いのよ。トップ。辞めちゃったでしょ。その影響がこんな形で出ているの。」


 僕は頭を抱えたよ。後1ヵ月辞めるの遅かったら多分、エド。絶対現状を看過してないよなぁって僕は思ったんだ。僕たちは復興のお手伝いをしたいと申し出たんだが……………


「凄くありがたいんだけど、明日からの方が良いかと思うの。ボランティア保険って知ってる?」

「「…………」」

「知らないか。君たち母国ムーンフロンティアだもんね。ボランティア活動中の怪我や病気を保証してくれる保険があるの。日本ではボランティア活動に参加する場合、その保険の加入は義務になってるのよ。勿論、そんなに高くないの。日本人ならね。ただ、外国人の事までは正直言って分からないわ。」

「何だかすいません。忙しい時に色々教えて下さって。」

「良いの良いの。気にしないで。おにぎりの御恩には見合わないけど、君たちの戦線復帰は私達も大歓迎なの。それとね、お願いがあるの。実はね、この付近。出るんだ。泥棒。」

「こんな所に泥棒なんて出るんですか?」

「ええ。残念だけどね。夜中みんな避難所に行くからその隙を突いて金品を奪う泥棒多発しているのよ。此処も既に先日入られたの。子供達の保護者から預かった給食費。根こそぎやられてるからもう入らないと思うけど。此処を無人にするのは私たちもどうかと思ったけど、私たちじゃ太刀打ち出来ないわ。祠が必要なら此処に作っても構わないから君たち此処に泊まってくれると助かるんだ。」

「そう言う事なら喜んで。僕たちにとっても悪い話じゃないですから。暫くご厄介になりますが、宜しくお願いします。」


 僕たちは保育士さんから保育園の住所と電話番号を書いた紙を渡されたんだ。ムーンフロンティア発行のパスポートも問題ない。転移魔法が使える僕らは税関を通過する事が無い為にパスポート自体にAIが付いてて現在地を認識して登録されるタイプに変更したばかりなんだ。魔法使える様になったのもつい最近になってからだし。期限も10年で、更新し忘れても飛ぶ前にAIが警告出すって仕様のものだ。軍部や政府関係者しか持てない物を僕たちが持ててるのは多分、僕たちが旧王族って言う経歴所以でね。僕たち月に無断で行ったのバレた時に能力バレてるんで用意してくれたんだ。嘗ての父さんの部下だった人がね。丁重にお礼を言って、門の近くにある花壇らしき跡に父さんの銅像入った祠が建って回復魔法が使える様にしてから、人数分のスルーを唱えて災害支援本部に出向いたんだ。


 京都市役所内の災害支援本部に出向いたら市長以下職員達が完全に疲弊してたんだ。何故、こんな事態になってるかと言うと、普段はAIに任せている市長以下職員達なんだけど、京都市役所も1Fが冠水してAIが沈黙。完全にガラクタと化してるんだ。屋上に電機関連の施設があった為に被害は1Fのみとなったがそれでも色々対応に追われて、交代要員もいないまま。不眠不休を強いられた訳で。

 で、ボランティア受付してますかって聞いたら隣だって言うんで早速加入する事にした。ボランティア保険。これ無いと作業に参加すら出来ないとは知らなかったんだ。書類を書こうとして僕たち早速固まった。


 今更ながら気がついた。僕たち、揃いも揃って住所不定無職状態なんだよね。あ、僕たち大司教だったか。


 なんで、早速、ムーンフロンティアの神殿までスマホで連絡して住所と連絡先教えて貰ったんだ。そして、パスポートの住所も此処ですよって。僕はこの時初めて知ったんだ。何でも大統領閣下の命で既に戸籍等は此処に変更してくれてたんだ。窓口で記入してね。そして、保険料を支払うって段階で僕は思い出したんだ。


 僕、そう言えば無一文だったと。一人頭5千円程だけどそれすら無いからどうしようかと思ったら、モハメドが。


「キャッシュレスで。2人分いけますか?」


 ってさっさと払うんだ。何でモハメドお金持ってるのか聞いたんだ。顔写真入りのカード型ボランティア保険証を受け取って歩いて市役所出た時にね。そしたら。


「もう収入無くなったけど、イヴァン父さんが亡くなる日までちゃんと給料。支払ってくれてたでしょう?僕は四六時中あなたのご寵愛を受けてたから使う間無く貯まっていてね。高卒の僕に月100万。しかも税金納めてそれでボーナスも半年分出てたでしょ。貰いすぎで恐ろしい位だったけどね。お陰様で、あなたが散財した洋服代も今回もそこから賄えたよ。だけどね、重ねて言うけど僕たちもう収入無いからね。お金持ち時代みたいに散財するのは勘弁して欲しいかな。」

「……………持つべき者は賢いパートナーだね!」

「……………そうやってゴマ擦ってもダメだよ。ピール。」

「元手100万だけあったら株式投資で増やすよ。もう、資産差し押さえられる危険も無いしね。」

「そんなギャンブルみたいな事して。ピールの才覚は僕も十分存じてるけど、その内手痛いしっぺ返しが来そうな気はするよ。ピール。」

「まぁ、その時は潔く諦めるよ。そして以降は慎ましく生きるとするさ。」

「……………ピールが慎ましい状態が想像つかないよ。僕は。これまで失敗とは無縁に近いからね。ハイジャック以外は。」

「僕は大事なパートナーを扶養する義務あるからね。簡単に紐にはならないよ。」


 で、その日の内に株式投資してさくっと億の単位稼いでおいた。モハメド目を丸くしてたけどね。まぁ、年2回の臨時収入があるだけでも違うので、会社が大丈夫な企業かどうかはちゃんと精査はしたんだ。その辺はずっとこう言う事やって来てたからね。何社も底値の企業を買って高くなったら売るを繰り返して。後は定期収入用の株式を何社分か購入したんだ。年1回の総会に出る必要あるけど、今年は既に終わってる。後は自分の銀行改めて開設し直してキャッシュレス決済出来る様にしてね。モハメドに100万返しておいたんだ。洋服代も保険代も幾らだったか聞いてその分も返金してね。モハメドがね。


「旦那様の金銭感覚がおかしい理由。分かった気がする。子供の頃からこんなにあっさり稼ぐんじゃ、お金の有り難み。分からない筈だよ。」

「いや、でも、今日まで僕無一文だったでしょ。お金無いと何も出来ないんだなぁってのはひしひしと感じたよ。勿論、この後何かあっても困るから慎ましく生きるよ。奥さんと一緒に。」

「本当かなぁ。」

「本当、本当。ただ、京都市と今回お世話になる保育園には寄付するつもりだよ。そんなに大層な金額を包むつもりないけど、今のまんまじゃ世界政府の支援。いつまで経っても入らない気がするからね。」

「そうなんだ。陛下には伝えるのかい?京都の現状。」

「伝えるまでも無く、この目から全てを見て聞いてるんだ。流石にこれは拙いってなってると思うよ。」


 そう言って、僕は眼帯外して姉上様から賜った黄金の目を見せたんだ。まぁ、今回あっさりお金稼ぎ出来たのもこの黄金の目を使って精査出来たってのはあったんだ。暫く株式投資やってなかったからね。それにモハメドに損害与えたくなかったからね。本気をついつい出しちゃったよ。


 帰りに色々購入して帰ったんだ。モハメドの話を聞く限り、あそこには布団の類いは無いらしいし、電気も水も止まってた。水は自分で精製出来たが、容器の類がね。お風呂はシェアハウス作って風呂のついた旅館想像すれば何とかなりそうだ。父さんがまだ元気な頃に大規模な家族旅行連れて行ってくれたんだ。幸太郎さんの招待で、亡くなられた息子さんの遺言になってしまったが、家族旅行に行かないか。って誘われて休暇作って連れて行ってくれたんだ。まだ日本も腐臭漂ってない時期だったから普通に旅館に泊まったんだ。だけどね、既に木々には元気がなくて最後の紅葉って状態でね。でも、楽しい思い出なんだ。人数多かったからね。幸太郎さんと3家族。アークさん夫婦。それと父さんと僕たち。アメリアさんとアレスタの双子。本当に賑やかな二泊三日でね。場所は何処だったか全然覚えてないけどね。でも、その後木々が一斉に立ち枯れて冬を越して春になると悪臭漂う様になって地上から人が姿を消してしまったんだ。


 それから保育園に戻って。僕たちは保育士さん達と合流したんだ。鍵はもうかからないらしくてね。園長先生にもご挨拶をして。それから唯一無事だった2Fの教室3部屋と倉庫の鍵をお預かりして、僕たち倉庫に寝泊まりする事にしたんだ。コントロールを唱えて二人して電気つけて窓開けて掃除してね。湿気が凄くて蒸し暑いのもあって、僕はシェアハウスを唱えて中を旅館で泊まった一室作ってね。快適な空間作って、相変わらず無茶苦茶な設定してからダブルサイズの布団とシーツを敷いてね。見回り必要かと思って真夜中にアラームなる様にセットして。僕は久しぶりにモハメドと愛を育む事にしたんだ。まぁ、中の時間はたっぷり3日過ぎてても外の時間は5時間後。お腹が空けば非常食を摘みつつ。僕は久しぶりの安らぎを得る事にしたんだ。

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