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異世界日本記  作者: はくあんせいぼ
第二章 忠義神ピールと慈愛神シェリル
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秋の精霊王ショーン救出。2

 僕たちと剣聖が出かける前に、姉上様から封書を渡されたんだ。


「これは何?姉上様。」

「みんなと話し合いをする前に既に用意していたのです。ルシールにだけ、開封が出来、しかもルシールが読み終えるとルシールにかけられた全ての効果を打ち消す様にしてあります。ショーンも、これで自らの主人を自分の意思で選べるでしょう。私の眷属からも外され、文章も解任通告書なので、導師の任も外されるのです。ストップ解除後直ぐ様駆け付ける筈です。なので、救出後にこれを置いて直ぐ此処に戻る様に。」

「お前たちの回収後は俺が大陸をアイテム化して持ち歩く。環境の保全も問題無い。ルシールがどうするか。みんなで見物した上で対策を練るとしようか。」


 僕たち3人は無言で頷いたんだ。僕たちがモハメドの転移魔法で飛ばされたのは本当に何も無い空間だったよ。まぁ、他の人に来られても困るからストップ詠唱して無制限にしたんだ。ゴリゴリ魔力が削られるが、この際、贅沢は言ってられない。ネイサンが微かなショーンの位置を感知して僕たちを案内し始めたんだ。


「こっちだよ。」


 ってね。僕は案内に従えば所々にトラップが仕掛けられてたから。モハメドが。


「フラウディア。導師の魔法、強制解除するよ。この際、気絶しても構わない。」

「分かった。」


 モハメドがフラウディアの効果を使って魔法の解除をすると、全部が一編に割れてさ。直線で直ぐ移動出来る様になったんだ。そして、奥の部屋にいたんだ。秋の精霊王、ショーンだ。三日月のベットを自分で作って、完全に干からびた状態で発見されてね。ネイサンの風が吹いて初めて僕たちに気がつく程に弱っていたんだ。代表して僕がショーンを抱きしめて魔力を込めたんだ。どうか死なないでって願いながら。そして、封書をその場に落としてから剣聖が転移魔法をしてくれてセレネティアに飛んでから僕はストップ解除して。父さんは大陸毎神界に避難させてくれたんだ。そして、みんなで見たんだ。ルシールの行動を。父さんの力で事の顛末が見られる様にしてくれたんだ。


 エド夫妻はお楽しみの最中だったんだ。多分、モハメドが強制的に魔法解除した関係で呪詛返しが来たみたいでさ。失神してたよ。ベットの上でさ。エドに揺さぶられて直ぐに気がついたみたいだけどね。姉上様は一旦ローグフェルグに飛んでた。親友だった人の変わり果てた姿が見るに耐えられなかった事位、想像に難しくなかったんだ。慌てて服着て転移魔法で飛んでたよ。日本でショーンが軟禁されてた場所ね。そしてさ。手紙を読み出したんだ。読み進める内に身体が震えてね。全部読み終えた途端、手紙が燃えて幾重にも魔法陣が描かれたと思ったらその全てが割れていったんだ。そしてね、ルシールの背中から妖精の羽。消えてしまったんだ。そして陛下が全世界に聴こえる様に罪状を読んでいったんだ。


「我はローグフェルグ皇帝である。導師ルシールよ。いいえ、先程全ての魔法と羽を取り去ったが故に既に仲間ですら無い。そなた、妖精魔法を極めた導師と言う立場にありながら、先王ジークフリート王より賜った秋の精霊王ショーンを生死の淵に追いやったその大罪。誠に許しがたい。そなたからは既に我が与えた全ての恩恵を解除し、罪人になった故に空を飛べる証である羽を奪うに至った事、世界に向けて発信する。これ以降、最早そなたは仲間ですらない。災禍の炎に焼き尽くされるが良い。親友であったそなたに会えなくなった事。非常に残念である。」

「……………どうしよう…僕は、敬愛してやまない皇帝陛下に見捨てられたんだ。…かくなる上は、僕が災禍の種を撒こう。僕を捨てる様な奴らは滅んでしまえばいいんだ。全て消えて無くなって仕舞えば良いんだ!」

「まずい!彼奴、何を仕出かすか分からん!日本を護らねば、世界の半分の人口が吹き飛ぶ!ええぃ、エド。俺はあんたを心から憎む!回収間に合えっ!」


 父さんは、強制的に心が折れたルシールの周囲に見えない壁を張り巡らしてルシールが唱えたメテオストライクを全弾ルシールに当たる様に仕向けたんだ。それをもろに受けてボロボロになったルシールの手に嵌められていた隷属の腕輪が砕けた右腕からポロリと落ちたんだ。その瞬間、父さんは問答無用でルシールだった物体を回収したんだ。ルシールをルーベルトに戻す最初で最後のチャンスを看過する様な神じゃなかったんだ。僕たちの父さんは。そしてね、ルシールだった者はエルフの神に引き渡されたんだ。ちゃんと責任取れって迫る姿には一部始終を見てた僕らセレネティアの民達は畏敬の念と一緒に恐怖すら覚えたんだ。



 しばらくすると、ローグフェルグから姉上様がお戻りになったんだ。偶然とは言え、隷属の腕輪が取れた事には喜んでいたんだけどね。でも、エルフの神に説教してたからさ。随分と複雑な顔をなさっておいでだったんだ。それとね、地上から最愛の人が突如、消えてるからね。エドがどう出るかも正直言って読めなかったんだ。僕たちは相談して暫くは地上に関わらない事にしたんだ。熱り冷めてからじゃないと信徒に何かあってもって事で。ただね、地上の様子を定期的に神界に送る必要があったから僕たちが立候補したんだ。そしてね。僕たちだけじゃ心配だって言うのでお目付役付いたんだ。死ぬまで地球政府の優秀すぎるエージェントだったリンちゃん。今は体が生まれ変わってアメリアさんって呼ばれてるけど、生まれ変わったせいで今は専門の回復魔法職なんだ。ナイトメアのね。バランス的にどうなのって話になって、暫くセレネティア大陸の守護から外れても大丈夫な剣聖アークと斥候の双子の兄、アレスタがついていく事でやっと勇者パーティーが再結成される事になったんだ。僕たちは悪臭漂う日本に下された。そこで父さんに言われたのは北から順に腐った自然を更地に戻して悪臭の元を海に投棄して綺麗にしていけ。って事だったんだ。そしてね、それが活躍するのは僕に与えられた最上位魔法コントロールに他ならなかったんだ。移動する手段はバイソンさんがモハメドに竜化の仕方を教えた事で移動にも支障なくなってね。流石に年の功と言うか。感心しちゃったよ。


 因みにね、バイソンさんが連れて来てたの。実は最近娶ったばかりの同族の奥さんだって判明したんだ。名前はミレニアさん。歳は50歳程彼女の方が若いんだって。最初はね、弟子として受け入れた筈だったんだけど、真摯に勉強する姿を見る内にバイソンさんの方が惚れ込んだらしくてね。新婚旅行先がまさか神界に避難したセレネティア大陸になるとは思わなかったらしいんだけど、暫くそこでのんびりする事になってね。発電所製作の仕事引き継いでから旅に出たんだ。バイソンさん。昔の事覚えててね。僕が四苦八苦したのにあっという間に完成させちゃってね。改めて、父さん達の凄さ。思い知ったんだ。勿論、父さんのガラクタ一式バイソンさんに預かって貰ったんだ。まだまだ施設作らないと、セレネティア大陸。電力消費が追いつかないからね。



「こりゃあ、たまらんなぁ。」


 僕たちは最北端の島に下されたんだ。もう、人っ子一人いないんだよなぁ。動物の骨らしき物も散乱していてさ。自然が消えるって本当にただ事じゃないと思ったんだ。僕は試しに島全体を対象に


「賢神特殊最上位魔法、コントロール!」


 僕が唱えると、腐ってた物体が悉く僕が念じた通り海中に落ちて行ったんだ。正直言って、この投棄方もどうかと思うんだけど、土が栄養分を吸わないんだ。だから炎で燃やしても悪臭が増すばかりなんだ。僕が祝福を与えた事で少し元気になれば良いが。もう、土が完全に粉と化してるんだよね。雨が降っても水を吸わず。流れ落ちるだけの状態でさ。もう、地上には誰も住んでないから廃墟に一時避難も可能とあってね。潜伏先には最適だったんだよ。まぁ、廃墟も翌日には更地にするんだけどね。誰一人として管理してないからなんだ。自然が失われて以降、災害が頻発したから地上から人。出なくなってるんだ。地下には人いるみたいだけどね。


 軽く清掃して終わると。今度は自分達で宿。用意するんだ。魔法でね。しかも可視出来ないんだ。僕は小部屋を幾つか用意するんだ。その内、家規模の魔法になると良いんだが、僕はホテルのツインルームを想像しながら。自宅にあったキッチン敷設のリビングを思い描きながら。


「賢神特殊魔法、シェアハウス!」


 って唱えれば、僕の目の前に扉が出現したんだ。因みにね、地上にいるのにはガスマスク必須なんだけど僕たちは何もしていなくても平気なんだ。理由は、僕が父さんの開発したもう一つの特殊魔法を既に詠唱済みだからなんだ。全ての状態を無効化して打ち消す「スルー」って魔法を人数分詠唱したからなんだ。


「賢神イヴァンの生活魔法。凄く優秀だわね。特筆すべきはレベル7で覚えられるシェアハウスと最高レベルの15でないと覚えられないコントロールね。今までの魔法には無い。本当に優秀な魔法よ。信徒達の事をちゃんと考えた魔法になってるけど、同時に悪用される危険性もあるから教える人間は慎重に選ばないといけない。それ故に私たちがお目付役になったのか。」

「本当に申し訳ないと言うか…………」

「良いのよ。幾ら大司教と言っても成人したばかりの若者だもの。」

「そうだな。しかも指定したパーティー以外じゃないと入れない透明化した家とか。レベル7まで覚えないといけないが潜伏し放題となると爆発的に信徒増えそうだよなぁ。政治家は密談し放題。マフィアは悪用し放題だ。」

「取り敢えず入って。続きは中に入ってからだね。」


 そう言って、みんなを招き入れると可視化出来てた物は綺麗さっぱり見えなくなったんだ。中は至って普通の家でね。ただ、困ったのはご飯の類い。当然だが、地下に行かないと食べ物は買い出しにいけないが、当然だけど下されたのが無人島だったからね。するとね。


「リンちゃん、信徒達から頂いたお供え物だ。神力で頂戴して送ったから。ただ、わかってると思うが肉類は無いんだ。」

「良いのよ。凄く助かるわぁ!肉類が無くても大丈夫よ。時間はかかるけど、大豆があるからそこから豆腐が出来ればいけるもの。父さん、和食が好みだったから調味料も持って来てるわよ。自前で作ってるけどね。塩が貴重品だったりするから。」

「リンちゃん凄い!」

「うふふ。此処10年でね。ワタシも女性として進化を遂げてるの。より家庭的にね。大概の物は何でも作れるからご飯、楽しみにしてて頂戴!」

「「「「やったっ!」」」」


 それからみんな美味しい和食の料理に舌鼓打ったんだ。こうして、布教するには非常に恵まれている僕たちの布教の旅。始まったんだよね。

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