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異世界日本記  作者: はくあんせいぼ
第一章 賢神イヴァン
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総力戦。2

「「メテオストライク!!」」


 ルーちゃんとナスターシャさんの魔法が密集形態で布陣していた月の艦隊全体に襲いかかったんだ。隙間が余り無い状態で襲いかかった大量の隕石群はありとあらゆるものを巻き込みながら大量の誘爆を誘う形になったんだ。竹田艦長凄いなぁと思ってはいたが、手を叩いて喜ぶ心境には到底なれそうもない。ルーちゃんは疲れも見せず。


「竹田艦長、エドワード中将と共に地上への掃討して参ります。」

「エドワードは新兵時代からずっと見て来たんだ。俺は悪態ばかりついて来たが、呆れながらもずっと付いて来てくれたんだ。正直言って安心したんだ。一時期は本当にどうなってしまうのか気が気じゃなかったからな。あれは賢帝となる。ルーベルト、心して守って欲しい。」

「分かりましたが、何故僕にその様な事を。」

「ああ、それはな。ちゃんと生き残ったら教えてやろう。」


 そう言って、ルーちゃんを急かしたんだ。私の肩にそっと手を置いて。


「僕が心から敬愛してやまない僕だけの皇帝陛下。初陣を勝利で飾って差し上げましょう。」

「ありがとう、でもエドと共に生きて戻って来なさい。命令ですよ。」


 そう言ったらルーちゃん、私の頬にキスしてそのまま嬉しそうに行っちゃったよ。少々呆然としたんだが。途端に竹田艦長笑い出して。


「ワッハッハ!監視いないからやりたい放題だな!ルーベルトの奴。」

「…………」


 緊張感まるっきり皆無の状態のフェニックスに気がついたのか、残存勢力が攻撃を仕掛け始めたのだ。まぁきっとお互いの旦那様の監視が無いって事を言いたかったに違いない。何枚か結界を上書きしつつ、エドとルーちゃんの戦闘機を放出した後。


「突撃せよ!」


 の合図で改めてシールドとリフレクト2がナスターシャさんの手で張り直されたんだ。イギリスの強襲部隊もステルス状態を解いて砲撃を加え始めたんだ。私たちも的になりながらナスターシャさんの攻撃魔法ソニックウェーブと戦艦に搭載されてるレーザー砲で戦闘機や戦艦を確実に沈めて回ったんだ。地上からの攻撃に強襲部隊は晒されていたが魔法のお陰でダメージは無く、レーザーは跳ね返されたんだ。それに加えてエドとルーちゃんの掃討と真語魔法最上位クエイク2で地面ごと掘り返して無力化した事であっと言う間に地上が沈黙したんだ。


「こちらエドワード。地上の沈黙を確認。次なる指示を求める。どうせこき使うつもりなんでしょ!」

「おうよ、良く分かってるじゃねぇか。んじゃ、こっち来てハエ叩いてくれや。さっきから五月蝿くて敵わん。」

「了解しました。そちらに合流後、任務再開します。ルーさっきから偉いご機嫌だけどどうしたんだ?」

「ふふん、ないしょ!」

「……………後で覚悟をしておくが良い。ベッドで白状してもらおう。」

「おい!お前ら!通信切り忘れてるぞ!いちゃつくんなら終わってから存分に楽しめや!」

「!失礼致しました。任務に戻ります。」


 そう言って通信切れたんだけど。


「ルーベルトに出会ってからのエドワードってな、すっかり人間臭くなったんだよ。感情を表す事すら無かったお人形みたいな王子様だったのがなぁ。」

「じゃあ、ルーベルトに教えるって言ったのも。」

「ああ、あいつに喜怒哀楽教えてくれたのは他でも無いルーベルトなんだ。この間合流してからずっと感じていた事だ。仮面の中にあんなお茶目な一面隠れてたのが知れて俺は嬉しいのかもしれねぇな。」

「…………」

「俺の方こそ無駄話が過ぎるな。日本軍が突撃して来た様だ。流れ弾に細心の注意を払え。攻撃が跳ね返されるってバレてるから特攻に切り替えられたらひとたまりもない。イギリス強襲部隊全軍、一時離脱せよ!」

「了解!各艦、各々の移動要塞迄ステルス機能開始後、離脱を敢行せよ!」

「我々は殿だ!エドワード、ルーベルト。撃ち落とされるなよ!」

「「了解!」」


 既に戦闘開始から2時間が経過しようとしてたんだ。今の所、此方に犠牲者は出ていない。竹田艦長が頃合いを読んで指示を出しているのが分かるんだ。集中力が切れる今頃が危ないと踏んだんだろう。既に、竹田艦長が読んだ通り、戦闘機やら戦艦や空母が弾丸として突っ込んで来るんだ。ただひたすら怖い。結界を新たに張って持ち堪えるが何分にも突っ込んで来る量が半端ないんだ。私達が多くの友軍を沈めてるってバレちゃってるんだよね。だから、相手も死に物狂いで突っ込んで来るんだ。


 エド達も攻撃加えてたんだ。ひたすらに近づけない様に。でも、大きい艦艇迄はどうにもならないと竹田艦長。判断した様なんだ。突然。


「総員、直ちに退艦を命じる!」

「ええっ!」

「何故ですか!艦長!僕たち、まだ戦えます!」

「ヘイト集めすぎたんだよ。こうなるこたぁ、最初から分かってたさ。お前達は生きなきゃならん!生きて月の民を救うんだろう。戦場はゲームでも遊び場でもねぇ。上官の命令に従え。あれがどうにか出来る相手か。良く考えるんだ!」

「…………」


 そうなんだ。私達の目の前には私達の何十倍も大きい超弩級空母が突撃して来てたんだ。エド達の奮起で無力化は出来てたんだがあれが友軍に突っ込んだら軽く数隻は吹っ飛びそうだったんだ。ステルス機能で友軍の状態は見えていたんだ。今、私達が此処でこの超弩級空母を止めれば犠牲はこの艦艇だけで済む。こんな事まで分かってるんだ。この人は。私は、此処では竹田艦長の次に階級が高かった。皇帝様様って所なんだろう。無傷でも、指示に従うしかなかったんだ。私は、竹田艦長に。


「総員、退艦を命じます!直ぐに持ち場を離れ、ブリッジに集まりなさい!」


 断腸の思いだった。ヒゲの殿下は残る気満々だったんだ。ただ、私に出来るのは、泣かない事だけだったんだ。分かっているのに引き留められない。私は竹田艦長に頭を撫でられたんだ。そして。


「君は、その年齢で正しい判断が出来る。実に素晴らしい才能である。指揮官に必要なのは流れを読む事にある。エドワード中将にも君もそれがあるから月に行ってもきっと正しい道を切り開けると俺はそう信じているんだ。ミサト少将に命じる。以後の指揮に関してはエドワード中将に一任する。月で思いっきり暴れてこい!総員、みかさ迄転移魔法で退避せよ!エドワード、ルーベルト両名はみかさ迄帰投する様命じる。」


 私達は敬礼したんだ。竹田艦長は私に指揮棒とアイテムバックと戦艦旗を託してから返礼をしてくれたんだ。みんなをまとめて範囲に指定して私は指示通りにみかさの艦艇内にある大会議室内迄飛んだんだ。そこでは、参謀官達が協議中で、私達の姿を見て、竹田艦長がいらっしゃらないのを見て。


「真田将軍の所まで一緒に来てくれるか?ミサト少将。エドワード中将とルーベルト中将は?」

「はい、竹田艦長の命でみかさに帰投を命ぜられ戦闘機で向かっています。」

「後の者はスペースシャトルに移動していてくれ。格納庫にあるはずだ。」


 みんなは指示に従ってスペースシャトルに向かったんだ。スペースシャトルにはアークさんと軍務に就いてない仲間と強襲部隊が予め待機していたんだ。予見してた訳ではないが、スペースシャトルには元々攻撃する様な機能は付いていないから月艦隊を落としてからじゃないと使えなかったと言う訳なんだよ。



 俺は一人で操縦する機能を使う為に艦長席で調整してたんだ。イヴァン博士は本当に良い艦を作ってくれたよ。多分、こうなる事を見越した訳じゃないと思うが、艦長席にはいざと言う時の為に濃縮した魔法石さえセットすれば動かすだけなら出来る様になってたんだ。処女航海だってのに。無傷の状態で今からこいつを爆発させねばならないと思うと申し訳ない気持ちもあったが、数多の友軍の命と引き換えにって言うなら何一つ惜しくは無かったさ。


 みかさから緊急通信が入ったんだ。俺は正直言って安心したよ。ちゃんと彼ら。無事たどり着いてた。少将以上しか入れない筈のみかさのブリッジにはミサト少将。まぁ、彼女皇帝だからこそ与えられた特別名誉職なんだが。それに息を切らせながらエドワード中将、ルーベルト中将の両名も無事が確認出来たから。

 俺は敬礼したんだ。出てこられたのは真田将軍御本人だからな。俺は何の感情を表す事なく報告を開始したんだ。


「報告します。イギリス型強襲戦艦フェニックス。これより、超弩級空母撃破の為に特攻します。」

「…誉れ高き日本が誇る武人に……………敬礼っ!」


 みんな、敬礼してくれたんで俺も返礼を返した。今生の別れだ。俺も名残惜しくなるから早々に通信を切ったんだ。柏木に作らせた純度の高い魔法石で設定出来た魔法は先程ルーベルト達に使わせたメテオの単体バージョンだ。俺は恐怖を吹き飛ばしたいから軍歌を口に出して歌ったさ。第二次世界大戦の頃に歌われた名歌だ。全神経を研ぎ澄ませて狙うは格納庫だ。そこで情報分析して、最適解を導き出した。

 後は、無力化してた超弩級空母に突撃を敢行するだけって簡単なお仕事だったんだ。短い間だったが、勇者パーティーの面々は問題児ばかりだったが、面白い奴らだったよ。ただ、惜しむらくは。あの天皇陛下の抑え役なんてさっさと放棄してあいつらに合流して。あいつらと楽しいひと時を味わいたかったなぁ。其れ位、あいつらの事は気に入っていた。考え甘ぇって思ったが、本気で運命ひっくり返そうってみんな本気で思っててさ。骨のある奴ばかりで気に入ってたんだ。俺は信じてるぜ。お前達がちゃんと運命切り開いて本懐遂げるの。やり遂げてくれるって本気で信じてるんだ。格納庫に突っ込んだのが分かって俺はやっと自分が本懐遂げたの。理解した。後はもう良いだろう。何一つ残らない世界で眠りに就く事にしたさ。

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