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異世界日本記  作者: はくあんせいぼ
第一章 賢神イヴァン
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総力戦。1

 私達の乗るステルス型宇宙強襲戦艦フェニックスは姿を隠したまま高度を上げて大気圏を抜けて宇宙に舞い上がったんだ。ステルス状態を維持したまま出て来たのには訳があったんだ。今朝、アレクサから連絡来たんだ。


 待ち伏せされている。注意せよ。


 って極めて短い文章だったが先行してる私達の艦に偵察命令が下されたので出て来て見たんだ。レーダーで確認したんだ。月の所属と思われる船籍が多数いたんだ。恐らく、出て来て無防備になってる戦艦を集中砲火で撃ち落とすつもりの様だ。


「敵の状況及び規模。分析急げ!」

「了解!」


 リンちゃんが大画面にピール君が分析して纏めたデーターを表示させたんだ。嘘だろって思った。私達よりも規模が桁違いだったんだ。流石のリンちゃんも青ざめた。


「艦長、これ無謀すぎます!我々の100倍以上の規模って、死にに行く様なものじゃ無いですか!」


 そうなんだ。月の軍部は此処を突破されたら後がないからさ。地球の艦長の頭数100人以上に対して月側の艦艇数実に2500艇超えてたんだよ。これに戦闘機が1万機以上。 普通だったら撤退だろうな。だが、竹田艦長。物凄く嬉々としてらっしゃるんだ。


「お前らな、何の為にこれあるんだよ。お前らにあって、あいつらに無いもの駆使すりゃあ、俺たち、無傷でヒーローになれるんだぜ?ノルマ1艇あたり25艇か。上等だぜ。そんなもん、俺がひっくり返してやるよ!」


 そう言ってご自分の頭を指さすんだよ。もうね、誰さ。この人私達のパーティーに入れ込む事を考え付いたの。って思ってたが、認識がひっくり返ったんだ。この人、やはり軍師としてかなりのやり手だと思い知らされたんだ。私はブリッジで通信を担当してたんで。


「みかさの真田将軍に繋いでくれ。」

「了解です。」


 私は訓練通りに艦艇番号を入力して通信を試みた。直ぐに繋がったんで。


「総司令官、真田将軍と繋がりました。」


 そして、みんな一斉に立ち上がって敬礼したんだ。勿論、私も例外じゃない。徴兵されて新兵になってるからね。ただ、身分が身分だから階級は高めってだけだ。真田将軍が返礼を返したんだ。で、早速報告を始めたんだ。


「偵察の結果をご報告いたします。艦艇数 空母型82隻 戦艦2437隻 戦闘機12589機。現在、地球と月のほぼ中央に密集形態で布陣しています。」


 地球と月の間に布陣してる状態を表示させたんだ。真田将軍がその艦艇数の多さに難色を示していたんだが。竹田艦長には勝算がおありだ。


「普通なら無謀でしょうが、生憎俺は子供達に恵まれたんでこの状況覆せるので作戦続行を具申します。」

「ほぉ、日本軍にこの人ありと謳われた名軍師には勝算が見えていると。是非ともプランを聞かせて頂こうか。」

「はっ!まず、我々に同型のイギリス強襲部隊全軍をこの地点に配置願います。我々が小ワープで移動後、座標を送りますので此処に集結させてください。」


 と言って布陣先をポインターで示したんだ、月本土と大艦隊が布陣するほぼ中間位置に布陣する様だ。魔法が無ければこんな場所に布陣など狂気の沙汰だ。


「で、イギリスの強襲部隊は我々が乗ってる型同様魔導師が配備されてるんで真語魔法使える奴全員にシールドとリフレクト2を切らさねぇ様にする様に指示出しておいて下さい。月本土からも攻撃ありますんで。月本土からの攻撃はウチのエースパイロット達に潰して貰うんで問題ありません。」


 あ、これ絶対エドとルーちゃん。スクランブルかかるか。ルーちゃんがエドを必ず魔法で守ると分かりきってるんだ。


「まず、大艦隊を対象にして真語魔法最大奥義『メテオストライク』を当てて艦艇数を減らします。この密集形態でいきなり隕石降って来たら避けようがないでしょう。魔法の方はナスターシャとルーベルト中将二人にやらせます。我々がメテオストライクを当てたら日本軍に突撃命令出して頂けますか?我々も突撃して挟み撃ちにしますんで。」

「ほぉ、魔法を駆使しつつ無理矢理挟撃に持ち込むか。しかも、相手の補給路も断つと。まぁ、数的には無謀だが、魔法という便利なものがあるからこそ覆せると踏んだか。面白い。だが、メテオストライクを詠唱後其方の艦は一時的にだが無防備になるだろう。ステルスも解除になるがそれを踏まえてのプランなんだな?エンジン役のナスターシャにメテオストライクを詠唱させるって事はそう言う事だぞ?」

「それは勿論承知の上で。ですんで、俺たちの役目は的って感じですかね。まぁ、陛下にも結界魔法をこの艦艇に発動して貰いますし、シールドとリフレクト2張り直す間でしたら持ち堪えるでしょう。」


 で、私も力の出し惜しみをするなと仰せなんですね。分かります。まぁ、宇宙に出たから妖精魔法が封じられたがフラウディアによる力の増幅効果は有効なんだ。これだけの大規模となると、ルーちゃんもショーンの増幅効果を使うが、幾ら消費MPが10分の1にまで減ったと言っても使うのは最大奥義だ。心配そうにメインパイロット席で起立しているルーちゃんに視線を送ると 「問題ありません。」って言いたげにウインクを返して来たんだ。


「宜しい、竹田艦長の立案を承認しよう。直ちに作戦行動を取るが良い。イギリス強襲部隊には其方の座標を入電するが良い。みんな転移魔法で飛んでくるであろう。それでは戦場でまた会おう。全く、日本国軍は惜しい男を失くしたものだよ。」

「まぁ、それは言いっこなしで。どちらにしても世界政府に属してれば軍籍はどこに行っても共通ですんで。」


 そう言って、通信切れたんだけど、副艦長のエドの顔が疲れを帯びてる気がしたよ。多分、今まで上官と部下としてやって来て、この人の性格。多分熟知しているんじゃないかな。みんな着席したんだが。


「全く、最後まで楽させて貰えませんね。」

「当たり前だろう?世界政府からはイギリス王族最後の王を将軍に据える気満々だからなぁ?俺も上官として接するのもこれが最後だ。もし、次があるならそれは臨時徴兵に応じた時位だから恐らくお前の部下になるだろうよ。なんで、軍籍にいる間に色々教えておかないとな。てな訳で小ワープ準備だ。」

「了解!」


 この艦艇は旗艦になっても良い様に作られていた為にこの艦艇にのみ最新鋭機能。ワープ機能が備え付けられていたんだ。みんなシートベルトを装着して衝撃に備えたんだ。ピール君が座標を入力して点滅させたんだ。テストも無しにいきなりの本番だった。ゲージを見ながらタイミングを測ったんだ。ルーちゃんが


「ワープ!」


 って言えば、引っ張られる様な感覚がして次の瞬間、月が背中に見える様になっていたんだ。モニターが半円状で360度展開されているからこそ見えて、全面には地図が表示されてるんだ。


「すいません、座標ちょっとずれました。」

「なぁに、メートル単位の誤差。誤差の内にも入らねえよ。一応、成功で良いんじゃねぇか。ルーベルト、メインパイロットをアーリアに交代。シールドとリフレクト2詠唱後、メテオストライクの準備に入れ!ナスターシャもメテオストライクの準備だ。ルーベルトには地上の掃討行ってもらうからルーベルトの魔法が切れて以降はナスターシャにシールドとリフレクト2切れない様に詠唱を頼む。ミサトは結界魔法の準備だ。ミサトはこういったの慣れてないから教えておく。直してたら対応が間に合わないから上書きする様にするんだ。割られても大丈夫な様に重ねがけしておけよ。」

「了解!」

「エドワードは戦闘機内で待機。ルーベルトの準備が出来次第、戦闘機で発艦。地上の掃討に当たれ!」

「了解!」


 エドが竹田艦長に敬礼してからブリッジを飛び出して行った。


「イギリス強襲部隊に座標を知らせるんだ。兎に見つからない様に細心の注意を払え!」

「了解!」


 ピール君が幾重にも隠蔽をかけてからイギリス強襲部隊に入電すると、30隻が続々と転移して来たんだ。私達には見えるが、敵から見えない様にステルス機能をつけたまま、それぞれが魔法を付加していく姿が確認出来た。


「イギリス強襲部隊に通達。長期戦必至だ。エンジンルームの魔道士の魔力が枯渇しない様細心の注意を払え。動けなくなったら集中攻撃を食らう。俺の許可は不要。ステルスかけてからの戦線離脱を許可する。エリザベス、チャールズ、ヘンリー各艦の指示に従って戦線復帰せよ。3時間以内の終息を目指すが、数が多すぎる故、最大5時間見ておいて欲しい。各艦の健闘を願う。通達は以上だ。」

「了解!」


 モハメドが聞き取った内容を文章に起こして、ピールがそこに隠蔽をかけてから通達を送付したんだ。そうこうしてる間にも指示を受けたシールドとリフレクト2詠唱後、メテオストライクの詠唱の準備が終えたルーちゃんがショーンの力を借りながら。


「メテオストライクの準備整いました。」

「流石に魔法を極めた導師だけあるな。今まで色んな魔道士を見て来たが、最大奥義をこんな早くに準備出来る人は見た事がないぞ。」

「ありがとうございます。ですが、魔王様もそろそろじゃないですか?」

「…本当に忌々しい男ね。まさか最大奥義をちゃんと詠唱してこの速さとは。非常に腹立たしいが導師ルーベルトの御業は神すら凌ぐ程よ。この男の前ではどんな魔道士も紙屑みたいなものね。其れ位、能力が際立ってる。人を見る目に関してはミサトさんの方にあった事を認めざるを得ない。無駄話はここでおしまい。あたしも準備出来たわ。」


 こんな所で褒められるとは思ってすらいなかったけどね。魔王様もおもちゃ返して頂いたんで殺す気満々だ。この後、上空で待機中の日本国軍とイギリス強襲部隊から準備が出来たと報せが入ったんだ。

 命が紙屑の様に消える瞬間。来てしまったんだ。

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