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異世界日本記  作者: はくあんせいぼ
第一章 賢神イヴァン
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月へと至る道を往く。1

 みんなで種子島宇宙センターに戻ってから3日後。イヴァンが監修した宇宙巡洋艦『さくよう』の工房化が無事完成したんだ。イヴァンも子供達との時間を取る為に敢えてペースダウンしてくれたんだ。樹先生も


「イヴァン博士って本当に子煩悩なんだね。僕が言ってもなかなか休もうとしなかったのになぁ。でもまぁ、体調も問題無いし、吸入薬でも心臓持ち堪える事も分かったからね。戦後は定期的に薬貰うと良いよ。ただ、建国しちゃったってのもあるから何処に転院するか分からなくてね。イギリスでも行ける様に英語で診断書。書いておいたから。絶対に無くさない様にね。」


 そう言って、診断書貰ったんだ。結局、イヴァンも私も幸太郎さん達とも相談したんだけど断念したんだ。日本人になるの。日本人だった人も日本人辞めて移民の手続きしたんだ。もちろん、ピール君達も一緒なんだ。何処に行くかってなった時にエドが、イギリスにおいでよ。って言ってくれたんだ。イギリスならローグフェルグから比較的近いし、通える範囲にあるからね。って。転移魔法もあるからそこからイギリスの学校に通えば良いと言ってくれたんだ。

 そうなると何処に通うかなってなったんだ。残念ながら私の現状では半年の休学が響いて単位が貰えそうも無い。高校1年からやり直しになる予定だ。ただ、日本は4月入学だがイギリスは9月入学なので、高校生やり直しになってもまだ挽回が利きそうだった。ミラさんも学が無いから勉強したいと言ってて。ピール君も同学年なので無理なく編入出来るみたいだ。なので、時間のある時は訓練の傍ら何処の学校行こうかって相談していたんだ。モハメド君も遅ればせながら小学校から勉強頑張るって言ってるんだ。今まで、側から離れようともしなかった二人だけど、モハメド君もピール君の側で執事してる時から勉強実はしたかったそうなんだ。なので、イヴァンも応援してるんだ。モハメド君の小学校の勉強。イヴァンがご飯後に時間取って教えてるんだ。従軍中とは思えない。家族の時間を満喫したんだ。


 そして、驚く事に宮様も昨日、衝撃的な事を発表したんだ。宮様。何と皇籍離脱を宣言しちゃったんだ。

 こちらは日本政府に何の相談も無くやらかしてるものだから日本政府が大慌てで火消ししてる最中だが、こちらはオーストラリアで土地購入して余生をのんびりと過ごしたいそうだ。もう、日本では作物も育たないし、米も作れないだろうから今度は試験的に米の種籾持って行ってちゃんと育つか確認してから日本酒作ってみたいそうなんだ。私は飲めないけど、イヴァンもこの間飲ませて頂いたら凄くまろやかで飲みやすかったそうで、移住先でもお酒。作れると良いなって思ってるんだ。


 軍籍組のエド、ルーちゃん、アーリアさんは出発準備でてんてこ舞いだったよ。私達が乗る為の戦艦。拝領されてね。軍籍の上位順に宮様が艦長。エドが副艦長に就任したまでは良かったけど、宮様がマスコミに追っかけ回されてるものだから当然、艦長の仕事も全部エドがしなければならず。ルーちゃんもアーリアさんも可哀想になってきて手伝ってたんだそうだ。エドが。


「あの人、仕事サボりたいから皇籍離脱なんて言い出したんだ。絶対、そうに決まってるんだ!」


 って大層ご立腹だったご様子で。なので、ルーちゃん。宥めるの相当苦労したみたいだ。


 イヴァンと共にさくように乗船予定のバイソンさんもさくように取り付けられた溶解炉と集積専用船軍団の整備に時間を費やしたんだ。部品に関しては全ての船の設計図がマザーコンピュータに登録されていて、場所毎に生成されてその場で修理されて再出撃出来る様になるんだ。そして、さくようにはもう一つの役割が与えられたんだ。遺体回収って嬉しくない役目だ。マザーコンピュータで遺体の身元を照合して登録後、収容するんだ。そして、それが月側の人間だった場合は大気圏で燃やされる手筈になっていた。仕方なかったんだよね。吸い込む物が部品だけとは限らなかったからだ。


 リンちゃんはローグフェルグに関する仕事に時間を費やしつつ、来るべき時に備えてアークさんと一緒に訓練に明け暮れてたんだ。もちろん、リンちゃんの怪我が絶えなくてね。アメリアさんがついてくれてたんだ。アメリアさんも視力が落ち着いてきてたけどまだ長時間目を酷使するのは辛いみたいなんだ。そのアメリアさんの楽しみは月に潜伏中のアレクサと会話を楽しむ事なんだ。アレクサね、ナスターシャさんの事どうも気になっているみたいなんだよね。誰も魔王様に関わりたがらないものだから同情半分。気になってるの半分って感じだけど。絶賛引きこもり中だからアメリアさんも返答のしようが。と困った様に笑われていた。


 幸太郎さんは実はリンちゃんの件で樹先生と泉先生にとっ捕まってたんだ。最初、説教から入ったそうなんだけど、事情を話せばお分かり頂けた様で。実家が美容整形外科医院だって言ったらびっくりしていたそうなんだけど、まぁ、これは親の一存で決めて良い話じゃないから終戦後に時間作るからその時には同席頼むわ。ってお願いしていたよ。リンちゃんのSOSで家族を説得したけど離婚って憂き目に遭ってしまって結局、リンちゃんの願いを叶える事が叶わなかったのが随分負い目になってるようでね。なるべく本人が望む姿にしてあげたいそうなんだ。


 お医者様のご兄妹はそれぞれ乗船する船が別れる事になったんだ。樹先生は私達が乗る船に船医として乗船が決まったんだ。結局、みかさの大会議室の使用許可降りなかったんだけど、その代わり、私達が乗る船の大会議室が臨時の病院になったんだ。設備もどうにか整って。最終調整に余念がない。預言なんて跳ね返す気満々なんだ。アークさんがこのメンバーだけでも犠牲者出さねぇ!って言い切ってるから何があっても対処出来る様にするみたい。泉先生は医療師団としての参戦だから医療従事専用船よつばで陣頭指揮に当たるんだ。なので、後方支援担当になるんだ。



 翌日、みんな作戦会議に呼ばれたんだ。艦長のみが参加してるんだけど、100人以上は軽くいるんだよ。国籍で固まってはいるけど5割日本軍、4割イギリス軍、1割オーストラリア軍って割合だったんだ。指揮系統の頂点は引き続き日本国軍第5艦隊旗艦 宇宙空母みかさの艦長真田将軍閣下が受け持つ事が発表されて、参謀官が布陣を説明していったんだ。後方支援に当たるさくようとよつばの護衛はオーストラリア軍が受け持つんだ。さくようとよつばの最後尾には月からの移民団を載せる大型船が3隻用意されてるんだ。月と地球では重力差があるからこの船で地球の重力に慣れてから旧魔族領に送る手筈になってるんだ。

 中央に陣取るのは宇宙移動要塞エリザベス率いるイギリス軍だ。移動要塞は全部で3隻。それを取り囲む様に多くの戦艦が布陣をしているんだ。幾ら日本軍全ての戦艦にAI搭載されているとは言っても被弾しないって訳でもないので後退した戦艦達の代わりに出撃して最終的には月所属の戦艦の完全撃破を目指すんだ。軽微な修理などは移動要塞まで後退すれば良いが、航行に支障が出る状態になればさくようの出す曳航船で引っ張られるか、修理不能に陥っていれば集積船のお世話になるという訳だ。全ての戦艦に小型脱出艇も完備されていたから怪我人が収容されるのはよつばでそれ以外は大型船で待機して、戦線復帰出来そうなメンバーがいればそこから補填されるのだ。

 そして、最前線で実際に戦うのは実質上多国籍軍となってる日本国軍となるんだ。戦う舞台が史上初めて宇宙で殺し合いをする事になったからか。全ての軍籍から精鋭を選りすぐって送り込んでるんだ。彼等の役目は月の施設に突撃する我々を守りつつ、制空権を掌握する事にあるんだ。軍の施設に関してはアレクサの調査で全容が明らかにされていたからピンポイントで爆撃も行われる事になってるんだ。

 最後に出番が来るのは我々勇者一行と強襲部隊が乗るステルス型宇宙強襲戦艦『フェニックス』これを製造したの実はイギリスなんだ。今回のエド参戦に合わせてイギリスの保有する技術の全てを集めて作られた戦艦だからもちろんAIなんて搭載されちゃいないんだ。なので、これを操作出来るのはイギリスからエドの命を受けて従軍している整備兵達5名が受け持つ事になってるんだ。処女航海でいきなり戦闘に投入される事になるが、この船舶。実は飛空挺と構造が一緒で人数を多く積載する関係で容量が飛空挺の5倍の大きさあったんで、当然だが、動力源として動かせるのは職業が魔導師のみに限られた。なので、行きは引きこもり魔王のナスターシャさんが。帰りはナスターシャさん達が月への移住を希望している関係上、ルーちゃんが受け持つんだ。本当に、悪戯が過ぎて地球にいるの怖がるレベルって本当にどうなのかと思ったよ。で、フェニックスで月に降り立つんだが、ナスターシャさんの魔法で強襲する部分の世界を魔法で地球と同じ重力に変えるんだ。そこからペンタゴン最深部を目指す事になったんだ。月のシステムの掌握はピールの担当だ。その後、血路を開きながら状態に応じてって感じだ。


 でもね、ここで参戦する多くのAI達の殆どが生き残って遠い未来に立場が完全に逆転して感情のかけらすら消えた人類達を紙くずみたいに消費して殺し合いを始めるのかと思うと、これが本当に正しい事なのかどうか。私には分からなくなっていたんだ。

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