コラム:死神たちの闘いを書いて(前編)
2018年7月1日に連載が始まり、2021年11月27日の最終話を以て完結した私のバトル系作品。略称シンキロ。連載から1年は総合ポイントが3桁にも満たなかった本作は1年経たずに終わってしまう予感が執筆しながらあった。しかし2018年と言えば、私が主催し伝説を残したヤミツキなろうコンに夢学無岳氏の登場とそのクラスタがもたらす交流ブーム、その渦の中でレビュアーとしても大手であったなろう作家の成宮りん氏および彼女の仲間が本作を愛読してくれた事が総合ポイント3桁突破の起爆剤となったのは間違いない事実であろう。
本作を愛読とまでは言わなくとも、読んでくれた一人一人の読者の皆さまに私はとても強く感謝の想いを持っている。感想を多く残してくれた方々へは尚一層である。今はもう見かけなくなったが、守一さんという作家様は感想欄で他の読者様がその感想を楽しみにしてしまうほどのパフォーマンスをしてくれ、本作の作者としては特に感謝尽きない存在である。この拙文をどこかで読んでくれているのならば、それに超したことはない。
さて本作が誕生した背景を思いだしたい。本作はそもそも私が書いてみたい作品として最も筆頭にあがっていた作品だ。この作品の製作が決まった当時は「放課後HEROES」が中途半端な手応えで終わってしまった事が私の創作環境に大きな影響を及ぼしていた。というのも、その拙作を神格化してくれる創作仲間がいたからである。それは私が当時その作品を私の自叙伝としてPRしていた事も絡んでいるが。当時の内々でやっていた人気投票企画ではそんなヒーローズへ作品部門もキャラクター部門も票が集中していた。私がそういう雰囲気にさせていたのではないかと思えるぐらいに。本年私が開催した人気投票企画でもそんな雰囲気があるにはあったのだが、この当時程のムードはさほど漂ってない。
そして本作が背負った使命とはいわばその「ヒーローズを超える」っていうムーブメントにあった。しかしその基準は曖昧だ。ヒーローズは私界隈ならば私の代表作として認知されこそしていたが、そもそも総合ポイントは私の作品群の中でもそんなに高くはない。当時「ザ・ルーム」という作品がうなぎ登りで私の作品では考えられない総合500に迫っていた事(今ではあっさりとその数値は半減した)を踏まえてみても、なぜヒーローズが私の作品群のトップに認知されていたのかは謎なのである。
そしてこの当時からヤミツキなろうコンの成功、RGPの成功をキッカケに私ならではの創作活動の方針を建て始めた。そこで「公募には応募しない」っていう方針と「アマチュア創作活動の可能性を広げるアクションを興す」なんていう方針を方針転換として盛り込むようになった。本作シンキロはそんな私の看板作品としての使命も担うようにもなったのだ――
問題は連載1周年を迎える頃、本作に感想が少しずつ貰えるようになった頃、感想欄でもこういう意見がでるようになった「キャラクターが死に過ぎ。感情移入できそうな人物が出てきたのに、その推しがアッサリ死んでしまった」と。反論する訳ではないが、本作はそんな事が起きる作品だと物語の冒頭で提示をしてまでいる作品だ。それにも拘わらず「この作品には酷い倫理観がある」っていう感想をぶつけられるのは嫌味を言われているような気がしてならなかった。今だから言えるが、そんな感想を残した作家さんが作品で大量虐殺やら残虐な殺人をやっていたケースもあるのだから何とも。しかもレビューでそれを書く御方まで出てきて、私は苦笑いをするしかなかった。
だけどこの問題は念願の総合ポイント200を目前にある現象を起こす。俗にいう「九龍ショック」だ。当時はなろう作家の盟友と思っていた友人と決裂する事態が生じた。そのことで心を痛めつつも、本作の人気キャラクターであった九龍姉妹が殺害されてしまう話を書いた時のことである。ちなみにこの展開は元々プロットにもあったものであり、変更する余地は全くなかった。
その話を掲載して1週間もしないうちに総合ポイントは60も落ちた。
いわゆる作品株価の下落。私はこれを「九龍ショック」と呼んだ。この事態に私自身もショックを受けた。決して読者の為に作品を書いている訳ではない。しかし目に見えるようにして読者が離れていくのを私は体感したのだ。
それでも私はだからこそ本作を最後まで書くことを心がけた。ウジウジしていたって何も進まないのである。これは当時、家紋武範氏主催の企画参加やフェス開催などをやっていき「新たな人脈の開拓」を目指し、そこで可能性が広がった事がショックの緩和に繋がったのではないかと思い返す。
そしてその新たなムーブメントへ舵を切るなかで作品の総合ポイントは200を突破。遂に超えたのである。さらにここだけの話、完結して半年近く経つ現在になって300も超えた。現在私の作品群ではトップの数値を記録し、名実ともに私の代表作となった。今年の人気投票企画でもその地位を証明する結果まで残している。
思いだしたいのは本作が誕生した時に本作が担った使命と目標。それを私は苦戦苦闘しながらも達成したのである。それを自慢するのがこのコラムの目的ではない。ただ私は本コラムで言ったように公募には応募しないし、書籍作家へと進化する事も目標としていない。そして私が掲げている目標や夢は非常に難解かつ実現不可能な曖昧さを持ったものだ。それでもだ。それでも本作品が為しえた成功は私自身にとって、また私のように異端な目標を持つアマチュア作家にとって良いモデルになったのではないかと自負するのである。
本作品が完結して暫くは長編小説の連載を控えている。書いても「1999」程度の文量がやっとだろう。それぐらい燃え尽きるほど書いてきた死神たちの闘い、毎週土曜日23時の更新を護りに護ったのも今では懐かしく思う。そしてそれをやり遂げたことも自信に繋がった。
そんな私の次回作が決まった。「DROP OUT~逆襲の萌香~」である。
シンキロのように激しい命の奪い合いなど書かない。だけども私の中にある生命観は引き続きテーマとして書くのではないかなぁと想っている――




