第1話:盲目少女の転生
私の名前は赤城紅音。17歳。私は2歳のとき、突然の高熱にさいなまれ、目が見えなくなった。
その日から両親は、私の事を蔑むような態度で接してきた。幼い私でも、それがいい感情ではないということはわかった。悔しかった。
3歳のとき、私は祖父のところへ行くことになった。父が言うには、赤城家は武術の名門らしく、それが嫌でしばらく疎遠になっていたとか。
祖父は私に1か月間気配の読み方を教えてくれた。目が見えない私にも優しくしてくれた。だいたい読めるようになったと言ったら驚かれた。私には才能があるらしい。
祖父は両親に私を譲ってくれと頼んだ。両親は喜んでOKした。チッ。でも、私を引き取って喜んだ祖父を見たらうれしくなった。(見えないんだけどね)
小学校入学、私はさっそくいじめられた。でも、私のクラスの人は優しくしてくれた。私のクラスは、障がい者が集まるところだからだ。片足が義足、耳が聞こえない、たくさんそんな人がいた。私は決意した。こんなことに絶望しない。いじめに負けない。クラスを守る。その日から、武術の鍛錬にさらに身を入れ、いじめっこをたおした。勉強も頑張った。
そんな感じで現在
「紅音~」
今呼んだのは私の友達、西野マリア。片足が義足の子だ。
『紅音ちゃん』
今のは東野ツグミ。耳が聞こえないので手話で話している。
『「あのクソ不良の三バカが呼んでたよ」』
二人はこうしてセリフがハモルときがある。仲がいいことだ。
三バカとは、私たちをいじめるグループの事だ。ほかのグループ?ボコボコにしましたがなにか?
ー学校裏ー
「「「おい紅音~~」」」
(何が「「「おい」」」だ、ボコボコにするぞこら。)
二人のハモリはほほ笑ましいが、てめえらがハモッても不快なだけだ。
「「「このナイフが目にはいらねぇか、はいらねえよな~見えね~んだから」」」
(うるさい、不快なハモリ声出しやがって、目が見えなくでも鉄のにおいでわかるわ!)
※(普通の人はわかりません)
「「「ビビッてこえもでねぇか、アアン?」」」
(んなわけなるか!ボコボコにしてやる。)
「やあああああ」 「せい」 「はあ」
いつもならこれで終わるが、今日は少し違った。
ガシッ
何と二人が私を拘束したのだ。私がコイツらに勝っているのは技術のおかげ、女の腕力では拘束を振りほどけない。そして、もうひとりは、
「死ねぇぇぇぇぇぇ」
ナイフで私のお腹を刺しまくった。
「カハッ、何……」 「ずっとテメェは目障りだったからなぁ、殺して犯して証拠が残らないよう燃やしてやるよ」
そして、私は死んだ。
ー目が覚めてー
「ここは、どこ?」
あたりは一面真っ白な世界、そして、返事はあった。
「おっ、目が覚めたか」
目の前には身長155㎝ほどの短髪黒髪の美少年。
「よせよ、照れるじゃねぇか」
「心を読んだ!えっと、あなたは誰ですか?」
「俺はお前らの世界では死神って呼ばれてる。ああ、勘違いすんなよ。お前が死んだことに俺は関係してねぇ。俺の仕事は死んだ魂を天国地獄、輪廻の輪に送るだけだからな」
なんだ、関係ないのか。もし理不尽な理由だったら一発殴ろうと思っていたのに。
「へぇ、そうですか。じゃあ、私は天国に?」
「いいや、お前には記憶を持ったまま転生してもらう」
「ええ!」
私はビックリした。するなというほうが無理だと思う。そんなことをしていいのだろうか。自分が幸せ者に思えてきた。
「言っとくけどそう珍しいことでもねえからな。お前らの住んでる地球以外にも様々な世界があって、そのうちの一つに転生者しかいない世界もあるからな」
「ええ!」
本日二度目のビックリ。するなというほうが無理だ!なんか転生って……もっと選ばれたような人たちがすると思ってたから。
「まっ、お前は地球で結構頑張って生きてたからな。地球人に一番人気の剣と魔法のファンタジー世界に転生させてやる。これは珍しいぞ」
「やった」
私は喜んだ。魔法への憧れはないと言えば嘘になるけど……少し恥ずかしい。
「喜んでもらえてうれしいよ。もちろん、目は見えるようにする。容姿は変更しねえぞ。髪の色はその世界に合うようにするが。あと、長寿にして、ほかにもサービスするが、それは転生してからのお楽しみだ」
「はい、ありごとうございます」
これって結構好待遇じゃないだろうか。
「いいってことよ。あと、向こうの世界でも俺との通信手段はあっから、なんかあったら教会に行くといい。たまに話し相手になってくれ」
「はい、ありがとうございます。死神さん。えっと、お名前は?」
「向こうの世界ではオーズと呼ばれている。後敬語やめろ、堅苦しい」
「わかったオーズ。ほんとにありがとう。じゃあさっそく……」
「おう、転生させてやる。またな」
「またね~」
こうして私は、転生した。




