私とシャルの出会い!
私が愛犬に出会ったのは、小学生の頃のクリスマスイブだった。
「真理奈。ほら、犬だよ。今日から我が家の家族だ」
お父さんが買って来てくれた犬。
それは小さなしっぽに小さな体をした、小さな子犬だった。
明るい栗色と白色の毛が混じった子犬。
いったい何の犬種なんだろう。
「お父さん!この犬ってなぁに?わんわんおー?」
「はははっ、柴犬だよ。小さくて可愛いだろ」
聞いたときはあまりにも犬種には疎いから私はよく分からなかったけど、とりあえず喜んだ。
体いっぱい使って、喜びを表現するようにはしゃいだ。
「しっばいっぬさん!しばいぬぅ!うーん!可愛い!」
私は柴犬を抱きしめるようにして抱え込んで、頭を撫でてあげた。
柴犬はくぅんくぅんと鳴いてる。
「わわっ、鳴いてる!すごいすごい!」
「真理奈は大喜びだな。そうだ、名前をつけてあげたらどうだ?」
「うん!えっと…じゃあ、デスマスク!」
私は自信満々に得意げながらいったのに、お父さんは苦笑いをする。
「もっと可愛らしい名前でいいんじゃないかな…?ほら、その犬はメスだから」
「メスなの!?ほんとだ!無い!なら、ええーと。しばー……、しゃー…シャルマン!ううん!シャルにする!シャル!この子はシャル!世界で一番可愛いって意味のシャル!」
「……お父さんにはよく分からないが、シャル…だな?どこかの言葉なのかな?まぁいいか。なら今日からこの子犬はシャルで、真理奈の大切な家族の一人だ。いいね?大切に、仲良くするんだよ」
私は優しく柴犬のシャルの顔に私の顔をこすりつけあう。
まるでお互いが犬みたいだった。
「よろしくねシャル!私の大事な家族!」
これが、私…真理奈と柴犬のシャルの出会いだった。