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29.盗賊?冒険者?

10万文字いったらモンスター文庫に出すだけ出してみようかと思います。


難しいんだろうなぁ(╥╯θ╰╥)

レイが馬車の中で鼻歌を歌っていると、突然馬車が止まった。

思わず前につんのめってしまったが、何事だろうか?

馬車に乗り合わせた人達も不安がっている。


今更だがこの馬車は王都への主に平民が利用する馬車だ。

学園への入学金は実はそれほど高くない。

だがら大人だけでなく、レイのような年齢層もかなり見受けられるのである。

なので貴族であるレイはその身なりと容姿から浮いてしまっているわけだ。

ここで入学前に平民同士の友達ができるらしいので、出来ればレイもそれに加わりたかったのだが、さすがに平民から声をかけるのは躊躇われるらしく、未だにぼっち状態というわけだ。

・・・・・・さ、寂しくなんてないさ!

おっと、そんなことより今は馬車が止まっている理由なわけだが、まぁぶっちゃけ僕は気配で分かってしまった。


「あいつらって何処にでも湧いて出てくるんだなぁ……」


まるでGのようだ。

すると、レイの予想どおり護衛の冒険者達がにわかに騒ぎ出した。


「と、盗賊だァ!数は最低でも30はいるぞ!?」

「何としてでもくい止めろぉ!」

「魔法打てるやつは援護を頼む!」

「覚悟がある奴だけ前に出ろぉッ!」


はぁ。やっぱりか。

どうしようかなぁ?30か。わりと多いなぁ。

目立つのは面倒だけど、死人が出るのも寝覚めが悪いな。

よしっ!いっちょ一肌脱ぎますか!


僕は立ち上がると、たまたま近くにいたものすごく怯えている双子の少年少女の頭を撫でてあげた。

2人は不思議そうに僕を見上げた。

僕は母上譲りの安心する微笑みを向けながら言った。


「大丈夫。すぐ片付けてくるからね。」


2人の頭から手を離し、僕は馬車の外へと出た。

……去り際に2人共(・・・)顔が赤かったのは気のせいだと思いたい。



外へ出るともう既に乱戦となっていた。


(血の匂いが酷いな。手早くやらなきゃ今度は魔物が出てきそうだ。)


すると近くの護衛の冒険者が慌てたように僕に怒鳴る。


「嬢ちゃん!危ねえからスっこんでろ!」

「…………。」


いやぁもう慣れたさ流石に。でもさぁ、ちょっと不意打ちは卑怯じゃないかと思うんだ。

うん。めっちゃ凹んだ。


と、近くにいた賊が好機とみたのか僕に突っ込んで来た。

護衛の冒険者が叫ぶ。


「嬢ちゃん!逃げろ!」


あの人、根はイイ人っぽいな。

僕は呑気にそんなことを考えていた。

賊が剣を振り上げ、そのまま思いっきり僕に向けて振り下ろしてきた。

はたからみれば、もうその刃を止めることは出来ないと思うだろう。

そう、はたから見れば。

護衛の冒険者が再び叫ぶ。

僕が斬られたと思って。



「嬢ちゃぁあああ「グボェッ!?」ああえんん!?」


まぁ実際には体をクの字よりもさらに曲げて数十メートルくらい賊が吹っ飛んだんだけどね。

それにしてもあの冒険者おっさん、悲痛な叫びをあげながら驚愕するなんてなかなか器用な真似をする。

というか僕は嬢ちゃんじゃない。


「僕は男ですよ?」


ニッコリスマイルで言ってやった。




Side~冒険者A(おっさん)




よぉ!俺はしがないCランク冒険者さ!

自分で言うのもなんだが俺は腕には自信があった。

だからCランクまで上り詰めることができたと言っても過言じゃねぇ。

そんな俺も今じゃただのおっさんだ。

いやぁ!若ぇってーのはいいもんだったな、だははは!

だから最近は護衛依頼を主にやってんだ!

今日もいつも通り、幾度となく繰り返した王都への護衛依頼をこなしていた。

しっかし、今回はまたえらい別嬪の嬢ちゃんがいたもんだ!

最初見た時はおったまげたね。

俺もあと20若けれりゃ惚れてたかもな!

ありゃ絶対身なりからして貴族だろうな。

しかし何故男の服をきてんだろうな?

所謂最近流行ってる男装かね?

貴族ってのはよくわからんなぁ。

しかも貴族がこんな安っぽい馬車をつかうなんてな!

きっと事情があるんだろうな。

まぁお陰でモチベーションも上がったし、良しとするか!

んで、今日も無事終わると思ったんだが、


「ちくしょお!なんでよりによって賞金首の盗賊団なんだよ!ついてねえなぁ!」


目の前の盗賊を片っ端から斬っていく。

そう。こいつらはギルドから指名手配されるほどに悪事を重ねてきた大盗賊団だ。

それだけにかなり手強い。

「盗賊団ベリアル」と言えば大抵の奴が分かる。

ボスに至っては冒険者ランクで言えばBランクの強者ときた。

こちらの人数は15人。全員でかかれば可能性はあるが、乱戦で死人が出ることは間違いない。どう乗り切るか。

考えながら雑魚どもの相手をしていると、ものずこい別嬪さんが馬車から降りてきた。

……というかさっきの貴族だった。

おいおい、勘弁してくれよ!早く馬車に戻ってくれよ!


「嬢ちゃん!危ねぇからスっこんでろ!」

「…………。」


一向に反応がない。

くそっ!初めての戦場の空気に気圧されてやがんな!

俺は目の前の相手から手が離せずにいた。

そして気づいてしまった。

嬢ちゃんの姿を捉えた賊に。

気づいたところで遅かった。

もう剣は振られていた。

俺は速攻で賊を片付けた。だが間に合わない。

その時俺は後悔と絶望によって叫んでしまった。

……のだが、


「グボェ!」


んん?おかしいな。

生まれてこのかた48年。

今まで俺は大の大人が30メートル吹っ飛ぶ瞬間を見たことなんて一度も無いんだが、あれ?

今日は目の調子が悪りぃみてぇだ。

そして貴族の嬢ちゃんは拳を振り抜いた状態で惚れそうな笑顔で俺に告げた。


「僕は男ですよ?」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジで?



どうやら嬢ちゃんでは無く坊ちゃんだったらしい。

それはすまねぇことをしたなぁ。


もう既に俺は思考が停止していた。

それは他の奴らも同じだったらしく、敵味方関係なく全員が嬢ちゃんっぽい坊ちゃんに注目していた。

この時、坊ちゃん以外はここを戦場だということを忘れていた。

だから坊ちゃんが言葉を発した時にやっと思考が戻った気がする。


「やれやれ。僕は学園に行くのを楽しみにしていたのですが、盗賊ども(皆さん)のお陰でだいなしですよ。」


坊ちゃんに対する反論はなかった。

思考は戻っていて、反論しようとした奴もいたのだが、

結局坊ちゃんの雰囲気で誰も声を発せる者は俺含め、ここにはいなかった。

賊どもも本能で察したようだ。

ああ。絶対に敵に回してはならないやつを敵に回したな、と。

坊ちゃんは続けた。


「責任はとってもらいますよ?対価は皆さんの……」


そうして坊ちゃんは自らの首を手で切るジェスチャーをした。


「お命で結構ですよ。」


一面に氷の花が咲き乱れた。

それはおそろしくも、てきのみを正確に狙った氷魔法であった。

不思議だった。

その氷は血で汚れているにも関わらず、何故だかとても綺麗に見えたからだ。

そして、氷の中を悠然と歩く坊ちゃんは一人の賊の前で立ち止まると、


「君がこの盗賊団のリーダーだね?んじゃ、バイバイ。」


次の瞬間には男の首が宙を舞っていた。



こうして「盗賊団ベリアル」は5分で壊滅させられたのだった。

のちにこれを見た者は語ることになる。

世の中には絶対に敵に回してはならない奴がいる、と。

無論、その話をする時に『沈黙の魔竜』と言う名が出てきたのは言うまでもないことだろう。


いやぁでも、坊ちゃんのお陰で死者0人で無事、王都につけてめでたしめでたし。

俺ももう一回鍛えなおそうかな?

まぁ今日はゆっくり休んで、明日に備えるとしますか!

てなわけで、あばよ!






Side~レイ~



なんとか着いたぜ王都!

まぁ途中盗賊団の襲撃ちょっとしたハプニングもあったが、結果的に平民たちと仲良くなる切っ掛けにはなってくれたので、奴らの犠牲も無駄ではなかったか。

因みに最初に声をかけた双子の姉弟はそれぞれミュウとガイというらしい。

ミュウはちょっとつり目な美少女である。活発的でとても明るい子だ。強気だが、あっさりした性格で話しやすいし、栗色のアホ毛がギャップをさそうので、庇護欲が反応してしまう。

ガイも姉と似ていて大雑把で陽気な性格だ。こちらも栗色のアホ毛が立っていて、頼れるお兄さんみたいなイケメンだ。

アホ毛の方向がどっちも一緒なので、思わず吹いてしまったのは記憶に新しい。

今では名前で呼び合う仲なので、その時は二人に思いっきり背中を叩かれたが。

なにはともあれ友人二人を早くもゲットできた。

ちなみにだが、俺は二人にレイとしか名乗っていない。

何故か?話は少し前に遡るが、お姉ちゃんが卒業する時に、学園長に向けてこう言ったらしい。


「私の弟は私よりもずっと優秀なので、私の弟が入学するときは是非、新入生代表挨拶をさせてください!」


まぁなんともお姉ちゃんらしいよね。

あんまり有り難くはないけど……。

そしてその意見を取り入れる学園長も学園長だが。

今更そんなこと言っても現実は変わらないので、とにかく噛まないようにがんばろう。


というわけで、新入生代表挨拶をするはめになったわけなのだ。

そこで僕は「ミュウとガイは驚くだろうなぁ」と思い、あえてファミリーネームを誤魔化したのだ。

流石に貴族だとはバレていたようだが、それでもアイブリンガーとは思わないだろう。

くくく、楽しくなってきたな!


そんな僕は今冒険者ギルドへ向かっている。

盗賊団討伐の報酬を貰うためだ。


(お金には困ってないんだけどね……。)


規模が規模だけに、報告しないわけには行かないのだ。

はぁ、めんどくさ。

しかもなんか嫌な予感がするんだよねぇ。


やがてその予感は的中することになるとは夢にも思わないレイであった。



冒険者ギルドにたどり着いた。

たどり着いたのだが、


「でけぇ!」


そう。ものすごく建物自体がでかいのである。

中に入ると、ちょうど3時の鐘がなったところだった。

そしてめちゃめちゃ人が居た。

そのほとんどが屈強な男達であった。

まだ遅くないにもかかわらず、隣の酒場からは酒の匂いがプンプンしてきた。

それだけならいいが、なんか僕が入るとちょっと静かになった気がする。

そういうの、やめて欲しい。


「まぁほっとこう。」


そして早めにここを去ろう。

なんだか場違い(アウェー)感が否めない。

僕が受付に向かおうとすると、屈強な男に道を阻まれた。

その数5人。

あれ?なんだか既視感デジャブをおぼえるなぁ。


「どいていただけますか?」


一応僕は丁寧に対応する。

すると男どもは僕の要望を無視して、


「あん?嬢ちゃんよぉ!ここはお前みてぇなか弱い貴族様がくる場所じゃねーんだよ。分かったら有り金全部置いてくか俺の女になるか選べ。」

「・・・・・・・・・・・・」


僕は唖然としてしまった。

こいつ冒険者?それとも盗賊?

え?殺っていいの?

っとと、さすがに殺るのはまずいな。

明日の入学式に出れなくなってしまう。


その沈黙をどう受けとったのかさらにエスカレートしていく冒険者(?)


「ゲヘヘヘ。ビビって声も出なくなっちまったか?なんなら俺の奴隷にでもなるか?毎晩Aランクの俺様が可愛がってやるよ!ダァハハハ!」


キモッ!もう無理だわ僕。てかこいつAランクなのか。

確かに装備はレア物っぽいが雑魚にしか見えないな。

まあAランクなら誰も止められなくて正解か。

下手に止めようとしたら怪我するかもしれないしな。

よし!Aランクなら遠慮しなくていいな!


「歯ぁくいしばれ!」

「は?何言ってんd……」


僕は拳を握り締めて男の頬へと振り抜いた。


「僕は男だァああああ!!」


男はトラックに撥ねられたかのような勢いで吹っ飛んで行き、床に顔面から突き刺さった。

周りの冒険者や受付嬢は目が点になっている。

一方レイはというと、


「ふぅ!さっぱりした!」


とかきもしない汗を拭ったのだった。



床に突き刺さった男を無視して受付に向かう。


「あの~いいですか?」


すっかり放心状態の受付嬢に尋ねる。

受付嬢は我に返ったようで、


「……はっ!?あ、はいどうぞ。な、なんの御用でしょうか?」


若干顔がひきつってる気がするが気にしたら負けだ。


「盗賊団ベリアルの討伐依頼ってありますか?」

「はい、御座いますが?」

「率直に言いますと、壊滅させてきました。」

「はぁ……壊滅。壊滅ぅッ!?」


反応が面白いな。


「し、失礼ですが何か証明する物をお持ちでしょうか?」

「あ、僕としたことが失礼しました。」


と言って僕はギルドカードを差し出した。

ギルドカードには討伐履歴がついているので証明になるので、問題はないはずだった。

だがしかし、僕の場合は色が問題だった。

あれから僕は依頼をちょこちょこ受けていたので何だかんだで今のランクはSSだったりする。

AとSは金色で、SS以上がプラチナ色なのですぐに分かってしまうのだ。

そんなものを受け取ればどうなるか・・・・・・。


「え、えええSSランクぅうう!!?」


まぁこうなるのは仕方ないか。

でも叫ぶ必要は無いんじゃないかな?

周りの冒険者達もガヤガヤし始めちゃったし。

ほらそこらへんから『沈黙の魔竜』って聞こえてくるし。

まぁいっか。許してあげよう可愛い子だし。


「報酬は用意できますか?」

「は、はいぃぃ!すぐにお持ちいたしますぅうう!!」


その後。5分程度で僕は報酬を貰い、ギルドを後にした。

さて、明日から寮暮らしが始まる。

あ、そういえばオススメの宿聞くの忘れてた。

いいか。どうせ一泊だけだし。

あー。明日が楽しみだなぁ!


そのあと、僕は適当に近場の宿を取って眠りについたのだった。

おやすみ~。

モブが多い回でしたw


後半、文章が拙くなったような気が?

何かありましたら御指摘お願いします。


それでは次回お会いしましょう。


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