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27.怨念信仰憑依型?



Side~レイ~




僕は邪神の元へ行くため、森の中を疾走している。


すれ違ったり、道を塞いでくる魔物の急所を片っ端から斬り飛ばす。

既に森に入ってから100は殺しているが、襲撃が止む気配がない。


それでも僕は止まらずに駆け続ける。

ひっきりなしに襲いかかって来る魔物は確かに面倒だが僕の足を止めることが出来るような強さではない。


もう何度倒したかも分からないBランクの魔物であるオークナイトやオークジェネラルの腹を左手に持つレーヴァテインでかっ捌き、群れのリーダーらしいAランクの魔物であるオークキングの首を右手に持つミストルティンで断ち切る。

そこからさらに前進し、取り巻きのオーク共を黒炎による一閃で焼き殺す。


さらに進めばSランクであるワイバーンの群れに遭遇した。


ワイバーンは一体でもAランクに相当し、群れで行動することが多いためにSランクに認定された非常に厄介な魔物だ。


今回遭遇した群れはさらに厄介で、群れのリーダーがレッドワイバーンという単体でSSランクという強さを持つ魔物であった。

レッドワイバーンは普通のワイバーンに比べ、速度が段違いに速いため、通常大規模な討伐隊を組まなければ倒せないと言われている。


「まぁ、僕にそんなことは関係ないけど……ねっ!」


僕は空中に水氷魔術による氷の剣を無数に展開し、ワイバーンの群れへと放った。

ワイバーンは避けようとするも、その飛行は高速かつ直線的なためほぼ全ての者が墜落を余儀なくされた。

地に落ちたワイバーン共を両の剣にて片っ端から切り捨てて行く。

唯一墜落を免れたレッドワイバーンは僕に結構な速度で接近してくる。


「そのまま墜ちてくれればよかったのになぁ。はぁ、しょうがない。『守護者の剣(ガーディアンズソード)』」


僕の言葉とともに十字架を象った剣が僕を守護するように展開される。

そこにレッドワイバーンは躊躇なく突っ込んできた。


「自動迎撃開始。三枚おろしにしてやれ!」


守護者の剣は僕の前方に陣形を組み、レッドワイバーンを迎え撃った。

そして守護者の剣とレッドワイバーンが交差した時―――、


レッドワイバーンが文字通り三枚におろされた(・・・・・・・・)


遅れて大量の血しぶきが大地に降り注いだ。

僕はその中を最初と同じ速度で駆け抜けた。


その後も大量に襲いかかって来る魔物を全て殺しながら進んで行くと、ついに……


「っ!あれか!」


僕の前方には見上げるぼど巨大な……いや、見上げても分からないほどに巨大な何かがいた。


「でかっ!?あれが邪神!なんか気持ち悪いな」


何か……邪神はとても醜い容姿をしていた。

形は人間の女性に近いが、その肌はドス黒く、紫色の血管的なものが常時脈動している。

肌の至る所からは触手が生え、うねうねと生理的嫌悪感を持たせるには十分な動きをしている。

さらに体表の至る所にはあたかももがき苦しむ人の顔らしき物が浮かびあがり、悲鳴をあげているのだ。

頭は雲に接するほどに巨大で顔には目も鼻も口も無く、それが不気味さを増大させている。そして体からは濃密な邪気が溢れ出ていた。


「女性の巨人?というか肌に顔が浮かんでるし……おぇっ」


思わず呻いてしまった。

……これ常人だったら間違いなく発狂ものだろ。


そんなことを考えている間も、邪神はこちらへと近づいて来ていた。

邪神が通った跡には木々は枯れ果て、大地は大きく陥没している。


「これ以上自然破壊を許すわけにはいかないよね。」


少しズレたことを言った気がするが、僕はその場で大きく深呼吸をした。


「すぅ~……ゲホゲホっ!空気悪いからむせちゃったよ」


やはり締まらない。

しかしそれが僕クオリティー!


「よし!行くか!」


両手に持っている金と黒の魔剣の感触を確かめる。

既に相手は視界に入っている。

なら、


「『転移』」


僕は空間魔法の転移を発動させ、邪神の腹の前に一気に移動した。


「君に恨みはない」


レーヴァに魔力を送る。

黒炎が渦を巻き、大気が悲鳴を上げる。


「でも……」


そこでやっと邪神は目の前の異物に気がついたのか、無数の触手が僕へと殺到してきた。

が、


「悪いけど死んでくれ!」


黒い炎により触手はいとも容易く断ち切られた。


「グォオオ!」


痛みなのか怒りなのかは定かでないが、邪神は雄叫びを上げた。

そして黒炎が邪神に到達するかと思われたその時、

黒炎は霧散させられてしまった。








「あちゃ~、『神力障壁』か。レーヴァの黒炎に神力乗せれば行けると思ったんだけどなぁ」


レイの言葉通り、レーヴァテインの黒炎は邪神に触れると思われた瞬間、何か透明な壁のようなもの、所謂『神力障壁』と呼ばれるものにぶつかり、霧散してしまったのだ。


『神力障壁』とはその名の通り神力によって形成された障壁であり、神々が行使する基本の防御術である。

神力を注げば注ぐほどその強度は上がり、魔力で作られた障壁や竜語魔術による障壁とは比べ物にならならないほどのスペックを誇る。


どうやら邪神はそれを圧縮し、身体全体をすっぽりと覆っているらしい。


「だったら量で攻めるまで!」


瞬きするほどの間に、レイの周囲には氷の大剣が浮いていた。

その一本一本に神力が込められている。

その数ざっと1000。


「サウザン〇ナイフ!なんちゃって」


決してナイフとは言えないサイズの氷剣が音速を越える速度で射出される。


そこでようやくレイを脅威と判断したのか、邪神が触手の一本一本にどす黒い神力を流し込み、氷剣を迎え撃った。


しかし数が多く、捌ききれなかった氷剣が神力障壁を貫通した。

が、手傷を負わせるには至らなかったようだ。


「フッフッフッ。ならば数で補うまでだっ!」


と、何気にえげつない宣言をしたレイはさらに氷剣を形成する。

その数……10000。


「一桁増えたけど、これならどうだ!」

「グギャアアアアア!!!」


邪神は咆哮を上げ、触手を伸ばし、捌こうとするが手数が圧倒的に足りていない。

氷剣は容赦無く邪神の神力障壁に突き立てられ、

遂に破られた。


そこへ無数の氷剣が邪神の皮膚を抉りにかかる。


「ギィイイイヤアアアアアァァァ!?」


今度は間違いなく悲鳴が上がった。

そして、


「お・ま・け・☆」


ミストルティンによる金の剣閃が邪神に直撃し、爆発を起こした。


「ふぅ~やったか?」


直撃により少し気を緩ませたレイは呟いた。


「……は!?ヤバイ!」


そこでレイは重要な事に気付いてしまった。

これってフラグじゃね?っと。

慌てて視点を邪神に向けると、


煙を突き破って、すぐ目前に触手が迫って来た。


「ちょっ!?」


それを首を少し傾けることでギリギリ躱す。

しかし、完全には避けきれず、触手が頬を掠めた。

頬から垂れる血を冷や汗を掻きながら見詰める。


「あっぶねぇ~」


触手を切り裂き、もう一度邪神へ視線を向けると、


「何か生えてる!?」


そう。邪神の背中から翼が生えていたのだ。

その翼は、邪神を覆うように守っており、レイの作り出した氷の剣が幾本も突き刺さっていた。


「翼か。ん?というかあの翼全力で開いたらヤバくない?」


レイの疑問を解消するかのように邪神はその翼を開いた。

暴風が吹き荒れるほどの全力で。


「ギシャァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」

「嘘だろォォオオオオ!?」


悲鳴を上げながら必死に返ってきた氷の剣を避け続けるレイ。

だが、暴風のせいでうまく避けることが出来ない。


「くぅっ!?『守護者の剣』、『神力障壁』!」


守護者の剣を使い、迫る氷の剣を捌く。

だがレイはすっかり失念していた。


邪神の攻撃は氷の剣ではない事を。


暴風と氷剣をやりきった頃には、

すっかり触手に囲まれていた。


「Oh,yeah......」


一瞬時が止まったような気がした。

そして、


「Noooooooooon!!!」


酷く情けない悲鳴を漏らしながら高速立体機動により触手を躱して躱して躱しまくるレイ。

その動きはもはや残像が見える程だ。

そして、距離をとろうと高度を上げるが、

それにピッタリと触手は追従してきた。


「来るなぁああ!!」


と、ここで1つ疑問が湧く。

ちょっと元気過ぎないか、と。

神力と自らの強大な魔力で作り出した氷の剣があんなにも突き立てられたにしては動きに変化が無さすぎる。

むしろ速度がとんでもなく上がっただけのような気すらしてくるのだ。

湧いた疑問を解消するべく、レイはあえて下から迫って来た触手に突っ込んだ。


今度はあえて身体に掠めるかというギリギリのタイミングを狙って躱し、急降下する。

迫り来る触手に怯まず、ひたすら前へと飛び続ける。


「空中戦というのもなかなか楽しいものだね」


と呑気なことを言いつつも、邪神を視界におさめ、瞳を金色に光らせる。

そう、『超解析』である。

ただし、これは格上相手にはあまり使えない。

見れる情報が制限されるからだ。

しかし現状有効な手段はこれであるため、レイは一か八かの賭けに出たのだ。

果たして結果は……。



邪神シェヘラザード 怨念信仰憑依型邪神


Lv.1753


称号:狂わされし者 邪教信仰神 元死神 運命を呪いし者

職業:???


HP: ?/? MP: ?/?

STR:?

DEF:?

VIT:?

INT:?

DEX:?

AGI:?


スキル: ???


バッシブ:

魔力無効化体質

生命吸収

魂吸収

怨念吸収


ユニーク:無し





「よっしゃあ視れた!なるほど、『魔力無効化体質』か!」


最も欲する情報が見れただけに、レイは少々浮かれてしまった。

しかし、同時に何かおかしいと思った。


「怨念信仰憑依型?狂わされし者?ひょっとしてコイツ……!?おっと!」


レイの思考を中断したのはやはり触手であった。

避けることが出来ないと判断したため、それを守護者の剣で防ぐ。

5本の十字剣が自動で触手を迎撃するが、先程からミシミシと嫌な音が守護者の剣から聞こえてきていた。

どうやら相手の攻撃に剣の方が耐えきれなくなってきているようだ。


「まずい!考え事は後にしよう!とりあえず方針は決まったしね!」


すぐさまミストルティンの一振りで触手を切り裂き、時間を稼ぐ。

その刹那の時間でレイはまず、守護者の剣を亜空間へしまい、半竜神化を解いた(・・・)

翼が消えさり、爬虫類的な縦に開いた瞳孔も人間に戻った。


「これを見せるのは君が初めてだよ……」


すると、突如レイの体から紅い神力(・・・・)による輝きが放たれた。

そこへ再び触手がレイへと殺到する。

邪神も本能的に理解したらしい。

あれをやらせたらまずい、と。


だが既に手遅れだった。


それを証明するかのように金と黒の剣閃が宙を駆け、四方八方よりレイを襲った触手が一つ残らず塵程にまで切り裂かれた。

同時に纏っていた紅き神力が散り、レイが姿を現した。


しかしその風貌は先のものとはかけ離れたものと化していた。


溢れ出す神力は燃えるような紅。

空を写したかのようだった水色の髪は、この世の全てを飲み込むかのような漆黒。

もともと赤かった瞳は真紅となり、すこし動くだけで紅い残像が尾を引くほどに輝きを帯びている。

そして何より特徴的なのは、その額からまるで天を貫くかのように伸びている穢れ無き純白の()だろう。


レイは隠していてもにじみ出るような覇気を放ちながら、淡々と言った。



「『鬼神化』完了」



と、その時レイの頭に久方ぶりの自動音声が聞こえた。


『ユニークスキル【鬼神化】を取得しました。』


どうやら新たなスキルを取得したようであった。


「初の試みだったけど、上手くいって良かったぁ」


レイのしたことは至って単純だった。

取得した『鬼化』を神力を混ぜながらやってのけたのだ。

『鬼化』は全ての魔法や魔術(魔剣創造は例外)を使えなくなる代わりに、肉体が通常の約2倍になるというものだった。


このままでも十分に強いが、レイはふと考えたのだ。


鬼化に神力使ったら鬼神化出来んじゃね?、と。


しかし、思い立ってすぐに出来るものでも無かった。

なにせ神力操作もままならないのにその先に行けるなんて都合のいい話がある筈ないのだから。


だが、アルテミスに教えてもらい、神力操作を覚えた今ならできるのではないかと思い、ぶっつけ本番でやってみたというわけだ。


結果は見事成功。


しかも鬼化の時よりも肉体のスペックがかなり上昇しているという、まさにチートスキルであった。


まあここでレイが言いたいことは分かるだろう。

つまり、


「魔法が効かないなら、物理で殴ればイイじゃない!」


ということである。


「反撃開始だ!」

「ウォォオオオオオオ!!」


触手が再びレイを襲うが、


「その手は何度も見たよ!」


レイはその場から跳び上がり触手を避けると、神力障壁を自分の真上(・・・・・)に展開した。

そこから真下を向き、展開した障壁を足場にし、思いっきり蹴った。


今更だがレイは魔法が使えないし翼も広げられない。

ならばどうやって飛ぶか。


「答えはこうやってだ!」


蹴りつけた勢いで加速するレイの背中に、真紅の神力によって翼が形成された。

しかし、鳥や竜のような翼では無く、不定形なジェット機の炎のような翼である。

レイが通った後には瞳の残像と紅い翼の粒子が残った。


触手はレイのあまりの速さに対応出来ていない。


「グゥオオオオオオ!」


と、ここで触手での攻撃を諦めたのか、邪神の顔にパックリと口のようなものができ、そこにどす黒い神力を収束し始めた。

今からでは邪神のブレスの方が少し早いと判断したレイは、


「がっちゃんこ!」


なんと、レーヴァテインとミストルティンの柄の裏同士をくっつけてしまった。


「そんなこと出来たのかよ、って思った人!僕が創ったんだから形状変化なんて容易いのさ!」


今やレーヴァテインとミストルティンは一つの剣となったのだ。


「名付けて『レヴァ・ミストルティン』。安直過ぎたかな?まあいいか!」


そうこうしているうちに邪神のブレスが放たれようとしていた。


「避ける?いや、僕は避けずに……」


そして十分に溜められたブレスが轟音と共にレイへと放たれた。

それに対しレイはレヴァ・ミストルティンを目の前に掲げ、高速で回転させた。

それはさながら盾のようになった。


「受け流す!!!」


ブレスと高速回転している剣が衝突した瞬間、


ブレスが四方八方に飛び散った。


だがそれはレイの後方には全く被害を出さず、レイは全て防いで見せたのだ。


「一度やってみたかったんだよね!高速回転させてビームを防ぐみたいなこと!」


邪神は動揺しているのか、ここにきて初めて隙をみせた。

そしてそれは決定打となった。


「『縮地』」


レイは剣の高速回転を止め、一気に距離を詰めた。

そして、


「止めだ!」


邪神の顔のど真ん中に、レヴァ・ミストルティンを突き立てた。


その時、


確かな手応えとともに何かがレイの頭の中に、レヴァ・ミストルティンを経由して流れ込んできた。


「こ……れは?記憶?」


自分は美しい容姿をもって、この世界に神として生まれた。

しかし自分はあろうことか死神であった。

最初はそれでもいいと思った。

だが、死とはほとんどが悲しいものである。

自分はだんだんと自分の運命が憎くなってきた。

それでも、死者の魂を冥界に送り続けた。

そうしなければ、役目を果たさなければ消滅してしまうから。

だが、そんなある日酷く穢れた何かが自分の頭の中を支配した。

それは信仰だった。

邪教徒によるどす黒く、醜い信仰だった。

人を殺せ、大地を殺せ、世界を殺せ、と。

その何かに自分は抗えなかった。

自分の意思はそこで終わった。

気付いた時には山に封印されていた。

それも人間の手で。

最初にふざけるなと思った。

自分をこんな風にしたのはお前達だろう、と。

そして次に思った。

今度は自分の意思で人間を殺してやる、と。

自分は人間が憎い!運命が憎い!

だから壊そう。

この世の全てを!!!




「はっ!?今のは!」

「私の記憶ですよ」


気づけば目の前に真っ黒な鎖でつながれた女性がいた。

紛れもなく美女だろうが、酷くやつれた顔をしており、老婆のようにも見えた。


「そっか。君が邪神……いや、死神シェヘラザードなんだね」


シェヘラザードはその問いにこう返した。


「言い直さなくても結構よ。私は紛れもなく邪神よ。」


その言葉は投げやりだった。

シェヘラザードは続けた。


「私は人間が憎いの。運命が憎いの。だからこれは私の意志。私が望んでやったこと。」

「そうなの?」

「ええ。そうなのよ。」


その時レイは全てを理解した。

彼女の、シェヘラザードの表情を見て。

だからあえて問うた。


「だったらどうして君は泣いてるの?」

「え?」


そう、彼女は泣いていた。

音も立てずに、その瞳からは大粒の涙が止めどなく頬を流れていたのだ。


「私が、泣いてる?」

「そうだよ。君は泣いてるんだよ」


レイはそう言うと彼女へと近づき、その頭を撫でた。


「辛かったんだよね?」

「……うん。辛かったわ」

「寂しくて悲しかったんだよね?」

「ええ、寂しかった。悲しかったわ!」

「悔しくて、苦しかったんだよね?」

「そうよ!でもどうしようもないじゃない!」

「痛かったんだよね?」

「そうよ……ひっぐっ……心が……痛かった……」

「うんうん。よく頑張ったね」

「そうよ。そうよ!そうよ!だから!」


シェヘラザードは涙の軌跡を描きながら下げていた頭を上げ、レイを見た。


「助けて……私を……殺して……」

「うん、分かった。僕は君を助けるよ」


レイはシェヘラザードを縛る鎖をいつの間にか持っていたレヴァ・ミストルティンで断ち切った。


「だから……どうか安らかに。」


そしてレイはその剣を彼女の胸の中心へ突き刺した。


「ありがとう!」


シェヘラザードはで濡れた瞳をレイに向け、微笑んだ。

その笑顔はレイが見てきた中で最も美しい笑顔であった。







「……はっ!?」


レイは邪神の顔から即座にレヴァ・ミストルティンを抜き、距離を取った。

レイが跳び降りるのを待っていたかのように邪神は瞬時に崩壊し始めた。


「ん?あれは……まさか!」


崩れていく邪神の中に輝く光の玉が浮いているのが見えた。

すぐさま鬼神化を解き、転移を使って回収する。


それに触れたとき、微かに聞こえた気がする。


「ありがとう、か。『超解析』」


光の玉を解析した。


『シェヘラザードの想い』

レイ・ヴァン・アイブリンガーのみが使用可能。

即死効果のつくあらゆるものを無効化する。



「……帰るか」


レイは一度邪神を振り返ると、


「さようなら、シェヘラザード。」


レイは城塞都市へ転移した。





その日は勝利の宴が開かれ、街はお祭り騒ぎとなった。


僕は今日のことを絶対に忘れないだろう。

そしてシェヘラザードという悲しい死神がいたことも。

僕は一生忘れない。

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