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21.魔王(?)

新しい作品を書きたくなりましたが、こちらが疎かになりそうなので今はやめておこうと思います。

Side~レイ~




「ふぅ~、楽しかったな~」


僕はヒーローショーを終えて一息ついた。

現在僕が居るのは舞台の裏方だ。


(それにしても前世より動きにキレがでるなんてね)


この体は本当にすごい。改めて思った。


「とにもかくにも、成功してよかった」


ひょっとすると勘が鈍っているかと思ったけど、今思えば前世より激しい動きはたくさんしてたな。

次回はもっと色々やってみよう!


「次回も頑張ろう!」


と決意していると、


「「レイ(君)~!!」」


ミリアとレイシス(お姉ちゃん)がやってきた。

お姉ちゃんは抱きついてきたけど。


「レイ君すごくかっこよかったわよ!惚れ直しちゃったわ~!」


……惚れたらダメなんじゃない?

まぁ可愛いからいいか。


「すごすぎよ!びっくりしたわよ!」


ミリアから一言。

頑張った甲斐があったな!


「二人ともありがとう!次も頑張るよ!」


そこへ、


「レイ……かっこよかった」


シャルロットがやってきた。


「シャル!来てくれたんだ」

「友達……誘われれば……来る……普通」

「そっか!ありがとう!」


ナデナデ。ナデナデ。

やばい。つい手がのびてしまった。

でもシャルも満更じゃなさそうな顔してるし大丈夫かな。

頬染めてるシャル可愛いし。


「「(ジト~~~)」」


はっ!しまった!つい熱中してしまった。


「レイ君?そのまな板は誰なのかしら?」

「レイ?誰なのそのお子様は?」


二人とも軽くオコだよ!これがSHURABAか!?

予想以上の精神ダメージだ!


「えと、えっとね。僕の友達で鍛冶屋の」

「シャルロット。……レイとは……とっても(・・・・)仲が良い。よろしく……雌牛ども……」


……最後なんかボソッと聞こえた気がするけど、怖いから聴かなかったことにしておこう。


「あらあらどうも。私はレイシス。レイ君ので、一緒・・に住んでいるわ」


やたら姉と一緒にって部分を強調するね!?


「ご丁寧にどうも。私はミリアよ。レイとは5歳から(・・・・)の付き合いよ」


うん、はっきり言ってちょー怖い!!

胃が!胃が痛いよ!


「……ただの姉と……それだけ一緒に居たのに何も出来なかったヘタレ……フッ」


シャルはまるで勝ち誇ったかのように無い胸をはる。

畏るるに足らずと体で表現している。


ブチッ


何かが切れた音がした気がする。

ヤバイ。これはヤバイ。

本能が告げている。


「ま、まあまあ。みんな落ち着こうよ。ね?」


と僕が提案するも、


バチバチバチバチ


無視されました。

というか睨みあっていて僕の声がとどいていないみたいだ。

悲しくなってくるなぁ。

僕はワイワイガヤガヤと騒いでいる三人から逃げ出すように控え室に向かった。

控え室は最初に着替えていた場所である。


(さすがにこの格好で外は出歩けないからね)


控え室に入ると目の前に黒髪美人の顔がっっっ!?


「うわぁ!」


僕は驚いて後ろに倒れそうになった……のだが、腕を引かれて抱き止められた。

あれ?なんか既視感デジャブ

そして見上げると、やはり美人だった。

というかアルだった。


「びっくりした~。突然視界に美人が入ると驚くよアル」

「あら?嬉しいことを言ってくれるわね。でも毎回そのリアクションだとちょっと面白味に欠けるわよ?」

「いや僕別に笑いをとろうとしてるわけじゃないから……」


なかなか手厳しい。


「それにしてもまたとんでもないことしたわね」


え?僕なんかしたっけ?


「全く身に覚えが無いんだけど?」


うん。とくにやましいことはしてない……はず。


「無自覚なところがまたなんとも言えないわね……」


なぜかアルはやれやれと言った具合に頭に手を当てる。


「???」

「はぁ。あなたの今やったことはヒーローショーの域を越えているわよ?」


うん?どうしてだろう?


「……どういうこと?」

「そのまんまの意味よ。あなたがやったヒーローショーは既に地球と次元が違うのよ。それほどまでのクオリティーだってこと」

「いや~照れるなぁ。本気でやったからね」


アルはもう一度ため息をついた。

なぜ?


「まぁそれは良いのよ。でも魔力を使ったのはいただけないわ」

「たしかに演出に結構魔力を使ったけど、なにかだめだった?」

「あなたの『結構』は常人にとって(・・・・・・)の『結構』の何万倍だと思う?」

「あ~そりゃそうだね」


だけどそれの何がいけないのだろう?

アルは続けた。


「まさか忘れたの?ここの近くにはアルティメット・オーガを追い出した奴がいるのよ?そいつが魔力を探知できないとでも思っているの?それも莫大な量の。」


……………………あっ。


「忘れてたぁあああ!!!」


すっかり忘れていた。

さらにアルは驚愕の一言を告げる。


「あとそいつ十二人いる魔王の一人で今こっちにかなりの速度で向かってきてるわよ?もっとも、まだ街の外だけど」


魔王って十二人もいたんだ。

なるほどね。こっちに向かって来てるって、ええっ!?


「そ、それってちょっとした街の危機なんじゃ?」


魔王っていかにもヤバそう。


「ちょっとじゃなくて十中八九そうね。呑気に着替えてる場合じゃないわよ?もうそのままで良いからレーヴァもって行ってらっしゃい!」


どうやらちょっとじゃなかったようだ。

てかめちゃめちゃ強いらしい。


「えっ?あっ!うん!行ってきます!」

「もうすぐ森の入り口にたどり着くから転移するならそこにしなさい」


アルは優しいな!


(僕、将来結婚するならアルみたいな優しい人がいいなぁ)


心中でしみじみと思う。


「なっ、なななななな何言ってるのよ!」

「えっ?声に出てた!?」


すごい恥ずかしい!


「早く行きなさい!!!」

「はいぃっ!!行ってきます!『転移!』」


レイは部屋から去っていった。


「うふふふふ。結婚するなら私みたいな……うふふふふ♪」


顔がにやけっぱなしの女神アルであった。





僕は森の入り口に転移してきた。

姿はスーツアクターの正装だ。

……ものは言いようだね!

うん!これが僕の正装さ!

もう開き直るしかない!!

さぁ!どっからでもかかってこい!


「てか魔王どこ?」


僕は魔力をソナーのように放ち、魔王の位置を調べた。

この方法は正確だが、相手にも位置を悟られてしまうので普段は使わない。

ちなみに普通の魔法使いは半径50mが限界だが、レイが使うと10kmくらいは余裕で調べられる。

反応があったのでその方向を見る。

すなわち、前方かなり上方向を。

それはゆっくりと降りてきた。


「随分と珍妙な服を着ているな」


威厳のある低い声でこちらに話しかけてくる。

僕はその姿を見て、かける言葉を失った。


「む?なんだ?挨拶も無しか?」


僕はやっと反応を返せた。

……というか反射的に返してしまった。






「お前にだけは言われたくねぇええええ!!」






目の前のつぶらな瞳を持つ子狼・・に向けてレイは全力で叫んだ。


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