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19.加速するシスコン!

今日は休みなので捗ります!



あれから一週間たった。

この一週間は特になにもなかった。

たまに薬草採集したり、魔物と戦ったりしたくらいだ。

そして気づいた。


「防具が欲しい!!」


DEFの高い僕に何故防具が必要なのか。

その答えは簡単だ。


(服が動きに耐えられないんだよ!)


そう。レイはいつも戦う時でさえ普通の服なのだ。

無論仮にも貴族なので上等なものを着ているが、それだってレイの人間離れした動きについていくことなどできるはずがない。

なので戦闘後、レイはいつも怪我をしていないにも関わらずボロボロになるのだ。

初めての戦闘の時(つまりアルティメット・オーガ戦だ。)は代えの服を所持していなかったので、物凄く恥ずかしかったのは記憶に新しい。


「というわけで来たぜ鍛冶屋!!」


僕が来たのは、荷運び依頼をしたシャルロットがいる鍛冶屋だ。

セリナにオススメの鍛冶屋を聞いたところ、

「だったら~シャルちゃんがやってる鍛冶屋がいいわよ~」と言われたので来た次第だ。

どうやらシャルロットは見かけによらず凄腕らしい。


ギィ~


中へ入ると、


「……っ!いらっ……しゃい」


相変わらず声が可愛い。

庇護欲が刺激される。


「久しぶりシャルロット!元気元気のんた○してた?」


ハイテンションで話しかける。


「……元気元気の○たんって……何?」


……なん……だと?元気元気のん○んを知らない……だと?

そういえばここ異世界だった!地球(地元)トーク通じないの当たり前だった!

(※元気元気のんた○を知ってる人はそうそう居ません)


冗談はさておき。

事情を説明する。


「……というわけで防具つくって欲しいんだけど?」

「戦闘で……服壊れるの……当たり前……アホ」


なんか罵倒された!?

ひょっとして無口毒舌キャラ!?

可愛いから許す!


「作っても……いい……素材あれば……」

「素材なら多分最上級のが有るぞ!」

「???」


小首を傾げるシャルロット。

可愛い、じゃなくて素材素材。

僕は亜空間より()の鱗を取り出した。


「!?~~~っ!!?」


シャルロットの表情が目まぐるしく変わる。

めっちゃ可愛い!

少し落ち着いたシャルロットは


「それ……何処で手に入れたの?」

「手に入れたもなにもこれ、もともと僕の一部だし。材料費0Gだよ」

「!?」

「一応これでも竜王の孫だよ」

「……」


ついに完全に閉口していまったシャルロット。

いや、驚いて口はあいてるけどね。

しばらくして立ち直ったシャルロットは


「分かった……がんばる!」


と、その小さな拳を握ってやる気を見せる。

ホントね、めっちゃ可愛い!!


「どのくらいで出来るの?」

「……遅くても……7日後には……仕上げる」

「ああ!お願いするよ!金はいくらかな?」

「いらない。……これからも……ここを利用して……欲しい。

それから……シャルでいい」

「分かったよシャル!ありがとう!」

「別に……いい」


お代無料ってなんて太っ腹なんだろう!

そして僕はもう一つの用事を済ませる。


「あといつでもいいからこれを作って欲しいんだ!」


僕はある設計図を取り出す。


「……何これ?」

「ふっふっふ。これはとても面白いものさ!出来る?」

「大丈夫……だと思う」

「そっか!よかった~。それじゃあよろしくね!こっちはお金を払うからね」

「……うん。こんなの……何に使う?」

「秘密。出来たら見せてあげる!」


そう言って扉へと向かう。


「これからもここを利用させてもらうよ!じゃあね!」

「また……きて」


かわいすぎるっ!!


僕は店を出た。




さて、次に向かうのは道具屋だ。

なんのためにか?


「全てはあれ(・・)が出来たときのために!」


さっきシャルに渡した設計図に関係している。


「しかしあれをやるならあと4人は欲しいところだなぁ」


まぁ一人でも問題はないけどね!


「というわけで着きました道具屋!」


早速中へ入ると様々な物が綺麗に並べられていた。


「いらっしゃいませ!本日はどのような品をお求めで?」


近くの執事っぽい服を着た店員さんに話しかけられる。


「接着剤やテープなどはありますか?」

「はい。ご案内致します」


接着剤があるとは思ったが、テープがあるとは予想外だ。


「テープって誰が作ったのかご存じですか?」


案内されながら僕は問う。

店員はそれに淀みなく答える。


「テープとは先々代の勇者様が世に広めた物でございます。今では庶民から貴族様まで大人気の商品なのです」


なるほど。勇者は地球人か。

会ってみたいな~。


「先々代がいるということは、今の代も勇者は居るのですか?」

「ええ、50年前にお亡くなりになりましたがね」

「……勇者でも命を落とすのですか?」

「勇者様はとてもお強いですが無敵ではございません。魔物5万の大進行があり、単独でそれに対処しました」

「なるほど。いくら勇者でも魔物5万の数の暴力には勝てないか……」


勇者でも魔物の大進行はキツいのか。


「いえ。勇者様は見事に勝利しました」

「えっ?ああ、勝ったんですか」


どうやら勝っていたらしい。

しかしだとしたら……


「何故勇者は亡くなったのですか?」

「勇者様が帰還し、王国内はお祭り騒ぎになりました。しかし、隣国の『ユルリア帝国』は勇者様が疲弊している今が好機とばかりに攻めこんできたのです。帝国兵50万の大群を伴って」


ユルリア帝国って名前の割に穏やかじゃないね!?

ていうかゲスいよ、やることが……。


「疲弊していた勇者様は出せないと王国は兵を出来る限り送りました。

しかし、集まったのは5万ほど。多勢に無勢です。そこで立ち上がったのが勇者様です!」


段々とヒートアップしていく店員。

この人店員よりも吟遊詩人になったらどうかな?


「勇者様は禁忌魔法『魂転換(ソウル・イーター)』を発動させ、帝国兵に立ち向かったのです!」


魂転換(ソウル・イーター)』とは名の通り魂をエネルギーに転換することが出来る魔法だ。発動すると、個人差はあるが通常時の約10倍のステータスにアップするのだ。

だが、使えば最期。魂は疲弊し、二度と目覚めることはないという。まさに諸刃の剣だ。


「文字通り、最後の力を振り絞った勇者様により帝国兵は殲滅されました!ですが勇者様は(こころ)も体も限界を越えており、戦いが終わると同時に息を引き取りました。その時の勇者様は敵の将軍の首をはね、立ったままお亡くなりになられたとか……」


……どこの弁慶だよ!?



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