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16.竜じゃないよ?龍だよ!

今回少し短いです。

明くる日。僕はある衝動にかられていた。

それは竜特有と言っても過言ではないことであった。

すなわち、


(飛びてぇ。すげぇ今この瞬間に飛びたーーーい!)


とういうことである。


(もうなんだかんだで、全然飛んでないや)


最後に僕が飛んだのいつだったっけ?


(うーんと確かあれはミリアに一度だけでいいから見せて欲しいと言われて調子に乗ってミリアを背中にのせて飛んだら母上に怒られたんだっけ)


下位や中位の竜は遊びで人間を襲うことがよくあるそうだ。

なので、見つかると大騒ぎになるらしい。

ではなぜ竜はきらわれていないのか?

答えは上位や最上位の竜は人を襲わず、国を守ってくれたりするからだ。

所謂守護竜だ。

だが、守護竜というのは有名だからこそなれるものなのだ。

僕がもし飛んで人にばれれば、

「未確認の最上位竜の子供が飛んでる」と騒ぎになるわけさ。

だからこそ、飛ぶときは細心の注意が必要なのだ。


(もっとも、僕には偽装スキルがあるから下位や最下位の竜に化けることも出来るからそこは問題なし)


あれ?今思えば普通に飛んでも大丈夫なんじゃない?

鳥とかに化ければ騒がれる心配もないわけだし。

よっしゃあっ!それでいこう!


(でも何処に行こうかな?)


やっぱ、森でいいか。近いし。

そうと決まれば出発進行!

おっと、カモフラージュ。


「母上!冒険者ギルド行ってくるね!」


キッチンより母上が、


「お昼はいる?」


と聞いてくる。

どうしようかな?母上の料理ってめっちゃうまいんだよ。

竜なのに。


「お弁当食べたい!」

「ふふふ、分かったわ。今から作ってあげるわね」


それから待つこと30分。

物凄く良い香りと共にお弁当を手渡され、


「はしゃぎすぎちゃだめよ?」


と言われた。

……なんでこんなに鋭いの!?


「うぅ。分かったよ」

「そう。いってらっしゃい!」


頭を撫でられた。

もう母上はなでなでの達人だ。


「うん!行ってきます!」


僕は屋敷をあとにした。





冒険者ギルドに入ると視線のビームが……。

この人達なんなの!?いつもやってくるんだけど!!

もう次から気にしないことにしよう。


しかしなんでこんなに騒がしいのだろう?

まるでアルティメット・オーガがでたときのようだ。


僕は気になりながらも掲示板に行き、依頼を選んでカウンターに向かった。

今日はリルが居なくて、セリナがいた。

もちろん行く先はセリナだ。

……セリナのところへ行くと他の受付嬢がちょっと残念そうだったのは気のせいだろう。

うん。そうに違いない。


実を言うと、受付嬢の中で、レイは今数少ない気になる冒険者の一人だ。

なぜか?それは一気にランクを駆け上がったのもあるが、一番の理由はその愛くるしい容姿だ。

この男臭いギルドで、そのかわいさは受付嬢達の中で、まさに砂漠中にあるオアシスを思わせたのだった。



閑話休題。



「これお願いします!」


僕が取り出したのは、


薬草採取依頼のみ。


「レイの坊やは今更薬草の依頼を受けるの~?

というか持って来なくていいって言ったのに~」

「あっ。すみません!すっかり忘れてました」

「いいわよ~、坊やなら許~す。まあ薬草は~常にたくさん必要だから。こちらとしては~ありがたいんだけどね~」




癒されるなあ~。

……はっ!危うく意識を持っていかれるところだった!

危ない危ない。


「ええ。初心を忘れて取り返しがつかなくなる、なんてことにはなりたくないので」


微笑む僕。

受付嬢の全力で愛でたいオーラ。

冒険者()どもの胡散臭いものを見るような視線。


「了解よ~。いってらっしゃ~い」

「いってきます!」


そうして僕は森へ向かった。





「森にとうちゃ~く」


さて早速、


『竜化』


僕の体を水色の魔力が包み込む。

そして……


「竜化完了っと」


そこには太陽の光を反射、輝く水色のクリスタルのような美しい竜が佇んでいた。

全長は五メートルほどで、成竜でないのは明らかだが、その圧倒的な存在感は並の成竜をも軽く凌駕していた。

煌めく薄水色の鱗はある種の神々しさすら放っている。

その華奢なフォルムは人間の時のレイと雰囲気が同じだ。

2対の翼はとてつもなく大きく、広げれば15m以上ありそうだった。


「やっぱこの姿はある意味人間の時以上に目立つなぁ」


ぼやくレイは、


『偽装』


と呟くと、

そこに竜の姿は既に無く、現れたのは一羽の美しい小鳥であった。


「初めてやったけど、これはすごいな!これで思う存分飛び続けられる!」


そして僕は大空へ羽ばたいた。


(そういえば、森の奥ってどうなってるのかな?)


ふと気になったので行ってみることにした。


「すげぇー。こんな風になってたのかぁ!」


そこには海が広がっていた。

水は透明で透き通っている。

僕は砂浜に降り立ち、海面に顔を近づけた。


「お~。魚がいる!!」


そこでふとある考えがよぎる。


(ここにお姉ちゃんとミリアを連れてくれば絶景が見られるかも!?)


夢が広がるなぁ!


とそんなことを考えていると、

海中より巨大な魔力反応があった。


(近づいてきてるなこれは……)


物凄いスピードで近づいてくる巨大な反応。

その速さと魔力はアルティメット・オーガを凌駕する。

やがて、


ドドドバシャーーーンッッ!!!


青い龍が現れた。

竜ではなく、龍である。

幻想的な青の鱗は僕と比べてもなかなかのものである。

まあもちろん僕の方が数段綺麗だけどね!

体長は20mほどあり、海面から体をつきだしてこちらを睨み付けてくる。

そして、


「愚鳥よ。此処が妾の縄張りと知っての狼藉か!返答しだいでは地獄を見てもらうことになるぞ!」


鳥にわざわざ話しかけるということは、動物と話せるのかな?

だったらなんて素晴らしい能力だろう。

まぁ僕も異世界言語あるから話そうと思えば話せるんだけどね!

っと、返答しないとね。


「失礼。あなたの縄張りとは知りもしませんでした。非礼を詫びましょう」

「もう遅いわ!!既に貴様は妾の縄張りに入ったのだからな。貴様はここで消えてもらうぞ!!」


最初からこっちの言葉聞く気ないじゃん!?

この世界にはなんて人の話を聞かない人が多いことだろう?

おっと。人じゃなくて龍でした。


「見逃しては頂けませんか?」

「妾を嘗めているのか?」


やだ!この龍怖すぎ!?

もうこうなれば徹底交戦だ。

大丈夫。縄張りに入ったのはこっちだから殺しはしないけどね。

もしかしたら冒険者ギルドが騒がしかったのはこの龍のせいかもしれないな。


「なるほどね。そっちがその気なら僕もそれ相応の対応をさせてもらおうかな?」

「ほざけ!愚鳥が!」

「鳥じゃないよ。後悔してもしらないからね?」

「何を言ってる!どう見ても鳥……」


その瞬間、

レイの体を魔力の光が包み込んだ。

光に包み込まれながらレイは告げた。



「始めよう……」



光が晴れるとそこには一体の水色の美しい竜がいた。





殺陣おしおきをさ!!!」





そして数値にして50万の圧倒的な魔力の片鱗が青い龍の鱗を打った。





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