10.転生して初めて死んでもいいと思ったw
今回も頑張りましたw
僕は受付のお姉さんに質問しながら『選択の間』に向かった。
・・・訂正。そうしたかった。
「あの!」
「ひゃい!?」
「えっ?大丈夫ですか?」
「だだだだ大丈夫でしゅ!」
・・・・・・全然大丈夫じゃないよね!?
あ~もうさくっと答えてもらおう!
「選択の間とはなんなんですか?」
「すぅ~はぁ~。は、はい!ご説明させていただきます!」
何か深呼吸してるし!可愛いから赦すけどね!?
「選択の間とは、職業を選択するための所です。
各冒険者ギルドに必ずあり、真ん中にある水晶に触れると、
その人に最も合致した、あるいはなることが出来る職業を示してくれます」
ほうほう便利だなぁ~
「製作者は開発されてから100年経ったいまでも不明。
原理も謎というなんとも胡散臭・・げふんげふんっ!
とても便利な魔道具なのです!」
うん!今胡散臭いって言いそうになったね!?
可愛いからゆるs・・以下略。
それにしてもだいぶ緊張(?)もほぐれたみたいだし、
もう少し聞いてみるかな。
「へぇ~。どんな職業があるんですか?」
「そうですね~。有名どころはやはりファイターや魔法使い。
変わり種だと聖騎士や竜殺し
とかですね」
なるほど。変わり種はルビふりが多いとw
「あとは職業がそのままふたつ名になったケースなどもありますね」
うん?もしや・・・
受付嬢が気付いたように笑みを浮かべた。
めっちゃかわいい・・・
「剣聖や竜王もそうですよ!!」
マジでっ!?
称号じゃなかったんだ・・・
「本当ですか!?てっきり称号かと思ってました。」
「称号がそのまま職業になることもあるそうですよ!
あなたの父君のようにね!」
「ほえぇ~。」
他にもレベルが30上がるごとにサブ職業につけるとか、
レベル30以内だったらメイン職業を変えられる等の説明を受けた。
すると、通路の先に光が見えた。
どうやら出口のようだ。
「そろそろ到着しますので、選択の間に入ったら中程までお進み下さい」
「わかりました!色々とありがとうございます!」
「いえいえ。これが天職ですので」
そう言った受付嬢は再度満面の笑みを浮かべた。
うん!!納得だわ!君の天職!!!
そして僕達は通路を抜けた。
そこは殺風景な部屋だった。
(暗いけど、何故だか安心できるなぁ)
縦横10m四方で高さ4、5m程度の水晶以外は何もなく、強いて特徴を挙げるとするなら、
真っ黒な大理石が綺麗な部屋だった。
だがレイは思った。
(あの水晶、どこかで見たような?)
水晶へ近づき、手を伸ばしながら考える。
水晶は白銀に輝きを放ち、それはさながら
(夜空に輝く月のようだな)
手が水晶に触れた瞬間、
水晶がまぶしいくらいの閃光を放ち、時が止まった。
「うわぁっ!?」
レイは驚いて後ろに転げそうになった。
すると優しく肩を抱き止められる。
首だけ後ろに回すと、
「大丈夫?」
月の女神である、アルがいた。
・・・ダジャレじゃないよ?
しかしこの抱き止め方だと背中に幸せな2つの感触が!?
何とは言わない。ただ察して欲しい!
・・はっ!?いかんいかん!危うく理性が飛ばされそうになった。
月の女神、なんて恐ろしい子!?
「相変わらず騒がしいわね」
「何も言ってないよ!?」
「顔がね」
「うそっ!僕そんな顔に出てた!?」
・・・なにげにひどくない?
アル曰く、肉体に精神が引きずられて口調や態度が年相応になってるらしい。
(だからこっちに来てからやたら考えてることがバレてたのか・・・)
納得である。
にしても、
「やっぱりアルが関係してたんだねこの魔道具!」
「ふふふ、分かる?」
「何か似てるなぁ~って。雰囲気が綺麗でアルって感じがする!」
「うふふ♪ありがと!」
うん!アルはやっぱり美人だなぁ!
それよりも、
「アルはどうしてここへ?」
「あっ、そうそう忘れそうだったわ。
あなたと話しているとどうしも調子が狂うのよね~」
う~ん?反応に困るなぁ~。
まぁここは日本人の秘技、
困った時の愛想笑い、発動!!
「うふふ。喜んでいいわよ?」
ばれてるしーーー!
「今日はあなたの職業について話しに来たのよ」
「僕の職業?」
「ええ。ところで、あれから魔剣は創れてる?」
ぎくっ。
「やっぱりね」
そうなのだ。あれから魔剣を創ろうとスキルを発動させたのだが・・・
ショボい物しか創れないのだ。
炎を纏う魔剣を創ろうとすると、ライター程度の火しか出なかったり、
持ち主の身体能力を上げる魔剣を創ればSTR が1上がるだけだったりと
とにかくショボい。かろうじて銅の剣には勝てる程度の強度しか持たない。
だからしたくても魔剣無双が出来ずにいたのだ。
なんとかならないかな~と時々考えていたのだ。
「なんとかなるわよ」
「・・・マジですか!?」
「ええ。あなたに魔剣についての知識を与えればね!」
「ちょうだい!早くちょうだい!!」
「はぁ。せっかちな所も相変わらずね」
呆れられたがそんなの関係ない!
やっと魔剣無双が出来るのだ!
心踊らずにはいられようか?いや、いられない!
というわけで早くはやくぅっ!
なんかアルの眉がピクピクしてるが気にしない。
「どうやら少しお仕置きが必要ね。
いいわ!そこまで言うなら・・・
最も速い方法で教えてあげるわ!」
「うん!分かった!」
「うふふ。どうなっても知らないから!」
と言ってアルは素早く、それでいてゆったりと僕に近づき、
「目を閉じて」
と言われた。
なんだそんだけか。
僕は言われた通り目を閉じた。
瞬間、
僕の唇にとても柔らかい感触がした。
驚いて目を開けると、目の前には美女のどアップが!?
そしてアルは少し頬を上気させ、
「経口伝授よ!か、勘違いしないでよね!」
・・・・・・うそだろ?
いやいやいやいやいやいや
もしかして、いや、もしかしなくてもこれって・・・
TU・NN・DE・REEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!!
破壊力やばすぎだろ!いつも余裕たっぷりツンツンしてる妖艶系美女がまさかキス1つで照れた上に、デレるとは!!!!まさに萌え!これぞ萌え!!むしろこれが萌え!!!惚れてまうやろぅ!!!!
あぁ、僕今日死んでいいかも・・・
「しょ、職業はあなたに合ったのを作っておいたから。
現実に戻りたいときは水晶に触れなさい!以上!」
早口でまくし立て、アルは去っていった。
30分後・・・
ようやく再起動したレイは水晶へ向けて手を伸ばした。
女神やべぇな!?
感想お待ちしております♪




