表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
佐峨村  作者: peng
3/7

始まりは…2

「え?剛君のお家に一緒にいるんじゃないの?」



「…え?」


莉央の家に来てチャイムを鳴らせば、出てきたのは莉央の母さん。


莉央を呼んで貰ったらそう返ってきた。




昨日から莉央、帰ってきてないのか?



「昨日から帰ってないのよ。昨日は莉央を泊めてくれたんでしょ?」


「え…あ、……はい」



何俺はいとか言ってんだよ!!!


でも…帰ってないのは確かだし、ここでいいえとか言ってお母様に心配かけたくないし。たまに俺ん家泊まりにきてるから、そう思うのも確かだ。


「じゃぁどっかで遊んでるんじゃないかしら。そのうち帰ってくるでしょ、全くあの子ったら」

「そうですか…分かりました。それじゃぁ、また」

「そう、じゃ気をつけてね」



虚しく扉の閉じる音が響いた。







雅の言う通り莉央は昨日から帰ってない。




勿論俺の家には来てない。お母さんにも言わず帰ってない、なんてのはおかしい。


昨日から…あの会話のあった時から…。






――♪…―♪



「ぉお!?電話?」



突然ポケットにいれていた携帯が鳴った。


びびらせんなよ!!

慌てて携帯を取り出せば耳にあてる。



『もっしー?剛?』

『ん、竜也か?』

『おぅ』

『あのさー、…健一の奴やっぱ昨日から居ないって』

『……』

『おーい、聞いてるか?』

『…お、おぅ』

『どうした?あ、そうだ莉央ちゃんはどうだった?』


健一も居ない…のか?

二人して昨日から居ない。

昨日見た二人。

佐峨村へ行く、て言葉。


偶然か?


『莉央も、昨日から居ないって』

『え!?嘘?マジで莉央ちゃんも?』

『……』

『やっぱりこれ雅の言うとおりじゃね?』

『…まさか』



二人してどっかへ行ったと?


学校を休んだりして。

しかもあの莉央がお母さんに何も言ってないってのが気になる。


確かに夜遊びとかあったけど、ちゃんと毎回お母さんに連絡してた。




もしそうだとしたら、事故か事件に巻き込まれた可能性が高いよな。




『とにかく、俺は今から莉央を探しに行く』

『え、今からってもう夜になるぞ?』

『心配なんだよ。莉央母さんに何も言ってないんだぞ』

『あの莉央ちゃんが?それは珍しいな』

『じゃ、切るぞ』

『分かった。俺もその辺探してみる』



竜也の返事を聞いたら直ぐに電話を切った。


とにかくこの辺を調べてみないと。莉央の周辺や親しい奴に片っ端からあたってみて、莉央の行きそうな場所を調べてみせるさ!



携帯をポケット深くに押し込むと、自転車のペダルを勢いよく踏んだ。












「だから絶対あの村が怪しいんだって!」


「…黙れ」


人通りの少なくなった駅前で、自転車を転がして荒い息を整える。

竜也と一緒に駅の階段に寝転がるように転がって、雅がそんな俺達を見下ろして言った。



一通りこの辺は調べた。


電話もかけた。



でも莉央も健一も見つからなかった。



もう真夜中で人もまばらの駅は静かだ。

こうなったら…


「警察に言った方が良い…のか?」


諦めてそう呟いた。


「いーやあいつら、実際事件が起こらねぇと動かないからな」


そしたら雅が座り込みながら否定した。


「じゃどうすんだよ?」

「……うーん」

「明日になったら戻ってきたりしてねぇか?」


竜也が同じように息を整えながらそう言う。


「考えすぎだって剛」

「とりあえず今日は遅いし帰って、明日考えようぜ?」

「……」

「な?明日学校もあるしこんな時間からじゃ無謀だろ」

「…明日?」

「明日ころっと来てるかもしれないだろ?実は内緒で女友達の家に泊まってたり」


明日ころっと…ね。

それなら良いんだけど。


もしかして…莉央、俺に何か隠し事でもしてたかのか?俺には相談できない事…とか。



「分かった」

「明日、明日また改めて考えようぜ」

「莉央からの連絡待ってみる」



「おぅ、じゃまた明日学校で」

「またなー」

「……」



雅と竜也に手を振ってその場は別れた。


連絡を待ってみる、これが今俺にできる事…なんだよな。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ