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イニシエノチ



ガッコウの校庭に降り立つ

炎の巨鳥。


激しい砂塵が巻き起こる。


カフエリとフエンは飛び降り

ミサキを探して校内を走る。


「センセー!ミサキ先生!」


叫ぶカフエリ。


カフエリの肩をチョンチョンと指で付く

フエン。


「…。風に聞いたら?」


「あっ…確かに、ありがと。」


瞳を閉じて風に語りかけるカフエリ。


白い靄がカフエリにささやく


(ミサキ、ミツケタ。ソトノ、トリミテルヨ。)


校庭に戻るフエンとカフエリ。


するとフエンの造り出した

炎の巨鳥に人だかりができていた。


「うわぁ~。スゲェ。」


「綺麗だね。」


「これは、すごい魔力で造られてますよ。」


「背中に乗りたい!」


「こら触っちゃ、駄目ネミル。」


騒がしい周囲に迷惑そうな顔をする炎の巨鳥。


翼を羽ばたかせ振り払おうと

するが余計に注目を浴びてしまう。


「やっと見つけた。ミサキ先生!アユムから聞きましたか?」


聞き覚えのある声に振り向くミサキ。


「アユム達の事ね。知ってるわ。」


「あの呑んだくれが今、治療してるって事も知ってる。」


カフエリ達は息を整える。


「先生、”血魔の叫び声”について教えてください。」


「何か…。分かれば力になれるかも。」


それらの話を聞いていたギラン。


聞いてもいないのにしゃしゃり出る。


「僕は、知ってるよ。血魔の呼び声。」


何故か二人の勘に触るギラン。


「なら…。何でも良いから話して。」


「無駄だったら…。許さないけどね。」


凄み睨み付ける二人の威圧感に何故か頬を

赤らめるギラン。


「あのさ…。もしも役に立つ事をさぁ…。教えたら今度…。デートしてくれる?」


舌打ちをするフエン。


人差し指をギランへと向ける。


炎の巨鳥が凄まじい雄叫びを上げ、ギランを嘴でくわえると天へと垂直に飛んで行く。


「ギャアーーーーー!!!」


ギランの叫びが陽炎の町に響き渡る。


ゆっくりと降りてきた炎の巨鳥。


ギランを離すと大人しくなる。


「早く言え…。ギラン。」


フエンは、涙を流し真っ青な顔をしている

ギランの胸ぐらを掴む。


薄紅色に彩る唇から出る言葉。

あどけない少女の見た目とは思えない行動。


フエンの容赦無い姿がメルと重なって見えるカフエリ。


少し笑ってしまう。


(これは…。この娘達にちゃんと教えなきゃ。)


メルの背中を見て育った二人。


特に影響を受けたのがフエンだったのだと

知る、ミサキであった。


「エグッ…。ヒクッ…。言うよ、言う!だから手を、話せ!」


フエンの手を払いのけるギラン。


スッと手を離すと地面に尻餅を付く。


周りが引いている中、やはりネミルだけは

フエンに対して特別、熱い視線を送るのであった。


涙を服の袖で拭うとギランが

血魔の呼び声について語り出す。


「血魔の呼び声は、古代の悪魔サモデスが

生み出した邪病だよ!」



「感染したら一時間位で咳と発熱症状が現れ

2日目で血を吐く。」


「3日目には…心臓が止まり、目が覚めると血肉を貪る化物になるのさ。」


「治す方法はたった一つ。」


「サモデスの血を飲ませれば良いけど…。」


「物凄く、強いから無理だよ。」


カフエリが座り込むギランと目線を合わせ


「サモデスは何処にいるの?」と笑顔で尋ねた。


何故かまた頬を赤らめるギランは、また調子に乗る。


「僕は占い師だからね…。知ってるよ。」


「じゃあ、占って教えて。」


「無料では、教えれないなぁ…。」


「カフ…。!」


フエンは不敵な笑みを浮かべ

又、人差し指を動かし、炎の巨鳥をギランへと差し向けるようとする。


怯えるギランは魔力を帯びた本を取り出す。


『ガーディング・スター』


本のページがパラパラと捲れ

淡く光りを放つと金色に発光する。


「出たよ…。サモデスはここにいる。」


本の中身をカフエリとフエンに見せる。


「ここから西に3キロ『ポロの沼』。」


「場所はわかった!先生ちょっと行ってくる。」


カフエリとフエンは炎の巨鳥に飛び乗る。


「はぁはぁ…。あっ、やっと見つけたカフエリ!フエン!何処に行くの?」


息を切らしているクリエラ。


「ちょっと、ポロの沼まで行ってくる。」


「直ぐに帰るから待ってて。」


クリエラへと手を振る二人。


巨鳥が羽ばたくと地面から離れて行く。


トンッ…。背後から気配を感じる。



炎の巨鳥が少し揺れる。

カフエリとフエンは後ろに振り向くと

ミサキが立っていた。


「あなた達だけで、行かせる訳無いでしょ。」


断ろうとするが…。


ミサキの放つ威圧感にカフエリとフエンは

言葉を飲み込む。


「ふん…。まぁ…。足手まといにならないでね!」


フエンのローブを掴むカフエリ


「急ぐから…。捕まってて。」


魔力を注ぎ込むフエン。


「分かったわ、気を付けるわね。」


またクスッと笑うミサキ。


風を切る速度でポロの沼へと飛んで行く。


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