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ゾクサヌモノ

不定期更新にて執筆しております。


暖かい眼で見守っていただけると幸いです

探索を終えたメル達の頭上には、星屑の光が舞っている。


メグラは、「腹へった…。」

グゥ…。と胃の中身が無い。


その知らせが静寂に満ちた森に

響き渡る。


皆も飢えの渇きを感じているが


我慢をしていたのだろう。


疲れもあり川辺の側で休息を


とることにした。


メルは、飢えの辛さと苦しみを知っている。


食べられる木の実と薬草を


皆に分け与える。


だが六人分もの量には程遠い。


メルはゴブリンはお腹が空かないと嘘をつき川辺を歩く。


グランとフエンはその優しき嘘に気付いていた。


あえてグランは気付かぬフリをしてメルの様子を見ていた。


フエンは、メルの

不器用な優しき嘘に戸惑う。


今まで生きてきてその様な

優しさを向けられた事など無いのであった。


まさか、悪鬼と呼ばれる

ゴブリンに暖かみを覚えるとは

思ってもいなかった。


そして同時に凄まじさ不安が

フエンを襲う。


自分には利用価値が無いからである。


戦闘能力はフエンには無い。


求められる事と言えば別の事

だけである。


そしてこの先フエンは用済みだと切り捨てられる。


そう感じていた。


孤独である。


だがメルは不思議なゴブリンである。


言葉を、発する事の出来ぬ

フエンの様子を心配して

大きな木の実を持って食べろと

渡す。


メルは細かい心情など理解できない。


元気が無いのは飢えからだろうと必死で木の実を砕いて渡す。


「この花を、混ぜれば甘い。」


フエンは、不器用なメルを見て笑ってしまう。


自分を見捨てる事などメルはしない。


共に過ごした時間が短いがそう確信していた。


グランは、魔法で火を付け暖をとる。


そして独り言の様に


古来から人間族に伝わる伝承を


語り出す。


人間族、獣人族、精霊族、魔族


これらが生まれるより更に昔


本来は一つの種しか存在しなかった。


その種は”属さぬもの”紅き眼を

持ち全ての種族の祖とも呼ばれている。


その種は、正邪の理を越え


平等を好む。


だが稀に正邪の天秤から


外れる者も現れる。


それらが新たな種を産み出し


完全なる闇を望む魔王、


絶対的な光を望む勇者、


そのどちらかに変化する。


かつて魔王になった属さぬものは勇者が現れるまで常闇の世界を支配していた。


勇者てなった者は闇を許さず

魔王が現れるまで光元の世界を

駆け巡る。


世界の均衡を望む神々は

紅き眼を持つ属さぬものを

殲滅させる。


だが隠れ潜むその者達は、

神々が天に帰るのを見届けると

世界に散り存在と力を封じた。


そして天と地と光と闇が争う時

混沌を納めに現れると伝わる。


またの名を(聖不の種族)だと

伝承がある。


それを聞いたメグラは、草を

牛の様にムシャムシャと頬張り


「俺も聞いた事あるけどそんなの嘘だね。」


「本当なら、もう6000年も続いているこの戦争は終わっているはずたぞ。」


カフエリも頷き、芋虫の様に小さな口で木の実と葉をモクモクと食べる。


グランは「だよね。」と笑っていた。


(だけど…。メル君がもしかしたらね。)


そんな話を全く聴いていない

メルはまだフエンに木の実を

食べさせようとしていた。


ユウは、それをみかねて


「大丈夫。」


「フエンは子供じゃ無いから食べられるよ。」


「そうだよね、フエン。」


フエンはコクコクと小さく頷く。


メルは分かったと離れ


グランにペンダントを見せ


メルフォードクラウディアに


ついて知っているのか尋ねる。


そのペンダントを見たグランは


表情が強張る。


「会ってどうする?」


「これ、返したい。」



グランは、


「止めときな。」


「メル、死ぬよ。」


氷の様な瞳で、話す。


メルは、


「だがこれはあの人の形見だ。」


「これを渡す事が運命のな、

気がする。」


ペンダントを握り締めて

真っ直ぐにこちらをみる。



グランは深くため息をして


「なら旅をしなよ。」


「その内には会えるかもよ。」


それを伝えると石を枕に


深い眠りにつく。


気がつくと他の者も寝ている。


メルは夜こそ危険だと知っている。


火を絶やさず辺りの気配を

探り続けるのである。


グチュ、メリと切り捨てた

左手から新たな手が生まれる音がする。


光が射す朝まで気を抜けずにいた。




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