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ドウホウ



「なぁ、お、…獣人族の民は何処に、いる。」


メグラはマルビロ王に尋ねた。


「そうか、そうだな。ソウガン!」


マルビロ王はソウガンを見る。


「ハッ!」


「メグラ殿、案内しましょう。」


メルを除く一行は王に一礼をする。


慌てたユウが「あんたも!」

とメルの、頭を押さえ付ける。


王の間を後にしたメル達は


獣人族の民達がいる場所までの


道中、ソウガンに、質問攻めをしていた。


「あのさ…あたし達だけで

戦え的な事言ってなかった?」


カフエリに睨まれ額から汗が

滲むソウガン。


「は、ハイ!アユム殿がメル達に任せれば楽勝だと…。」


「駄目ならアユム殿が出るとも…。」


「…!…。…、、。」


フエンは額の角を指で擦り

考え事をしていた。


メグラは何度もソウガンを

追い抜いては戻るを繰り返す。


メルは変化の手袋を着けた右手を見つめ口角が上がる。


ユウはただひたすら、ため息を

していた。


「着きました!」


王の間の時と同じ木目調の扉が見える。


ソウガンが扉を叩き開ける。


中に入ると


耳が白く長い者。


鋭い牙が長い者。


人間族と見た目が変わらぬが

瞳だけが黄色く細長い者。


多種多様であった。


「メグ!!」


人混みの中で、手と尻尾を、

ふる獣人族が走ってくる。


ドンッ!


微動だにしないメグラ。


「良かった、良かったよぉ…。」


泣きじゃぐる獣人族の女性が

メグラの胸を叩く。


覚醒したメグラとは少し違う

銀色に輝き小さき耳がひくひくと頭の上に

申し訳なさそうに生えている。


肌も獣人族とは思えぬ程に

白く腕も身体も細い

そして二歳メグラより年上だが幼い見た目が

妹の様に見えたのであった。



ふさふさの尾がメグラに巻き付く。

身体の線が見えぬ様に灰色のチェニックが

風と気持ちの様にゆらゆらと揺れる。



メグラがメル達に説明する。


彼女の名は『マキア』

メグラの幼なじみで

獣人族の、国ミンガの近くにある村に住んでいた。



そこにはメグラの妹『ラグ』

も住んでいたのだが…。


マキアはメグラ達に伝える事があると腫れた瞼を擦り話す。


メグラの妹ラグは人間族に

囚われ”贄”として神の国へと

連れてかれた事。


メグラ達の育ての親『ゴウ』

が戦死した事。


ゴウを殺したのがダークナイト

という神だと言う事


自分達も贄として神の町に連れて行かれそうになったのをグランが救ってくれた事。


拳を握り締め

息を荒げながら伝えた。


メグラはただ静かに聴いている。


するとふわふわの毛玉が

”ちょこちょこ”とこちらに

動いてくる。


メグラは跪く。


「お久し振りでございます。」


「老師、ご健在でございましたか。」


「戦士ロウガの息子メグラです。」


いつもと違うメグラの行動に


メルは、(変。)


カフエリは、(スッゴい変!)


フエンは、(!!、!)


ユウは、(大人だねぇ。)


各々不思議な感情が芽生える。


毛玉から黄色く丸々とつぶらな

瞳を時々覗かせる。


カフエリは凄く抱き付きたい

衝動を押さえていた。


フエンはもう既に

毛玉の奥にある手を握っていた。


白い毛玉が話す。


「メグラ、元気でしたか。」


「良かった…。」


「私達は…。もうほとんど。」


「ですがグラン様のお陰で

生き残る事ができました。」


すると独特の笑い声が聴こえる。


身体が勝手に動き戦闘態勢となるメル達。


「私だよ、私。グ、ラ、ン。」


険しい表情を浮かべ睨みつけるメル達を見詰め、左手で自分を指差す。


「おまっ!」


メグラが言葉を飲む。


メル達もその姿に同じく驚愕する。


右腕と左足先端が無い。


老師がその姿を悲しげに見詰める。


「あぁ~これね。流石に神六人と戦ったら私でもこうなるさ。」


白い布が、きつく巻かれた右側を擦りグランは笑っていた。


「ありがとう…。本当にありがとう、あんた、、お陰だ。」


メグラはグランを抱き締める。


優しく頭を撫でるグラン。


「でっ、君達アユムに会ったね?」


突然に言われメル達は頷く。


(道理で…。)


ユウがメルに目線を送る。


軽く頷きグランに二人は近付く。


「エワカ!」


「ルメイド!」


綠炎の炎と聖なる光がグランを

包む。


「ありがとう、流石にこれは…。!?」


右肩と左足の先端が

グニュグチュと鳴りながら

筋肉が骨が組織が成形されていく。


そして他の傷まで塞がる。


綠炎の炎と聖なる光が収まる。


グランの失った筈の右腕と左足の先端が再生されたのである。


「こ、コ、これは奇跡じゃ!」


老師がはしゃぐ。


「落ち着きなさい。」


カフエリが笑顔で老師をたしなめた。


右腕と手を動かし左足の指を

曲げのばしするグラン。


(ここまで…時がきたかな。)


「みんなに話したい事がある。」


そう言うと冷たい床に座り

メル達の方を見つめる。


グランの周りに集まる

メル達。


そこにソウガンも入ろうとすると

グランが断る。


(シルミ)


白い膜が覆い周囲から自分達の姿と、声が聴こえなくなる。


「これで普通に話せるよ。」


グランの顔がはっきりと見える。


疑問に思うメル。


「なぜ、隠す?」


それも含めて全て伝えると話す。


◆◆


グランは、神の頂点

『サガワノボル』が

自分の、父親である事


母親ナエは、この世界の人間族達に殺害された事。


その事で父親は、荒みこの世界を縮小して、えらばれし者だけが住まう世界にしようとしている事。


それを止めようとしたグランは

神の町『ランド』を追放され命を狙われている事。


そして最も恐ろしく感じたのは

サガワノボルは、各場所に


魔王を、造りだし勇者を求め

その者達を自分の駒として

使っている事。


現在、勇者メルフォードクラウディアは愛する姫を人質に取られ仕方なく神に従っている事。


王国ディロアは既に神の領地となっている事。


自分が歩んで来た道を

全てをメル達に伝えた。


ユウは「なぜその事を話したの?」淡々と語るグランに尋ねた。


たった一言「知って欲しかったからさ。」


それをいうと

メル達に想いを告げる。


「私の父を止め…いや、楽にしてあげて欲しいんだ。」


メグラが「あんたはそれでいいのか?」


グランの気持ちを汲み取ろうとする。


「あぁ。」


その哀しげな眼を見て覚悟を

決めるメグラ。


それぞれが悩み考えている。


重苦しい空気と不穏な様子を感じ、

独特な笑い声で吹き飛ばす


「今は目の前の問題から片付けようか。」


グランは10万の死霊達と

勇者メルフォード率いる軍4万を

退ける策をメル達に伝える。


◆◆


話し終えたのか白い膜が消える。


「よっしゃー、いくか!」


メグラが”酒呑の金棒”を振り回し気合いを入れる。


(メグラ!策を覚えているか?)


「要は暴れりゃいいんだろ!」


カフエリが、村正の柄を強く握り締める。


(拙者が付いておる。)


「うん、ありがとう。」


フエンはアルテミスの弓を

床に置き額の角を触る。


(いい角じゃん!)


「…、?!」


ユウはロンギヌスの槍を握り

イージスの盾を見つめる。


「名前、ロン君とイーちゃんで良い?」


(それは今でなくてはいけないのか?)


メルは獣人族の為に

用意された肉を食らいつき

満足そうにしている

翼竜フグエルレンを掴む。


「やるぞ。」


(やるのはメル、お前だ!)


グランが気合いの掛け声をあげる。


戦場に向かう彼らの姿は

希望そのものであった。






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