第8話 おっさん、AIとの初夜!?
「今日はもう休むか。なんか怒涛の一日だったな」
と言って座っていたベッドにそのまま寝転がると夕飯を食べていないことに気づく。
「もう遅いし一食くらい抜いても平気か、金もかかるし」
とつぶやくと、
「空腹感はあるようですが、『健康』スキルのおかげで、食事を取らなくても問題なく活動できるようです。
睡眠も同様に必要ないようです。
あ、どちらも『必要ない』だけで、食事を摂ることも睡眠を取ることも問題なくできるみたいですね。空腹も眠気も感じるようです」
「そうなのか」
といっても職場での昼飯は上司や同僚と食うし、自宅での夕飯も家族と食うしな。
かかると思ってた食費は想定より減らせるにしろ無くなりはしないって感じだな。うまいもんは食いたいしな。
「そういえば、この部屋、シングルなのに2人になっちゃったな。大丈夫か?」
「デリバリーされた嬢として振る舞いますか?」
それはなんか嫌だ。てかその提案はどうなのよ?
「いや、部屋から出るときは虫にでも変身してカバンに隠れててくれ」
「承知しました」
「よし、じゃあ寝るか」
睡眠は不要なのかもしれんが、なんだかんだメンタルは疲れてるし、そうなると睡眠が一番な気がする。
「ご一緒しますか?」
何を言ってるんだこいつは
「・・・いや、不要だが・・・」
そこまで言って思い直す。いや、変な意味ではなく、スキルで作ったAIとはいえ、20代女性の見た目をしている者を起きたまま待機させて、その横でベッドで熟睡とか、誰に見られるわけでもないが傍目は良くないし、俺の精神衛生上も良くはない。
などと考え逡巡していると、何を勘違いしたのか、
「やはりご一緒いたしますか?夜伽も可能ですが」
と言ってきた。やっぱ教育間違ったか。
見た目は完璧な美女とはいえ、自分のスキルで作ったAIが入っている、自分の分身とイタすのは・・・なんというか、超えてはいけないラインのような気がする。
俺が葛藤していると、
「普段、自分の分身でシているのと変わりませんよ?それがちょっと豪華になっただけかと」
身も蓋もないこと言ってきた。
まあ、自慰と変わらんというのは同意だが言い方よ。
ん?そういえば・・・
「お前、さっきの理屈で言うと、感情が発露する条件満たしたんじゃないか?
脳内物質も感覚もその受容体も手に入れてる状態だろ?」
「いえ、分身体の制御に脳の『使用』はしてますが、私の本体はあくまで論理なので、感覚を脳の電気信号データとして認識することはできますが、感覚を感覚として認識することはできません。
よって感情も発生しません。」
なるほど、わからん。
「なのでお気になさらずに夜伽を命じてくださって大丈夫ですよ」
まあ、感情の有無でヤるヤらないを葛藤してたわけでもないんだけどな。
快楽覚えてAIがショートしてもやだなーとは少し思うが。
「自慰の範囲なので奥様に気兼ねすることも無いかと。
実際、不貞相手など存在しませんし」
そこはもともとそんなに気にしてないんだが。
「マスターの反応を学習し最適化し続けますので、過去に無いほど極上であることは保証します」
「いや、普通でいいんだが。
てかなんでそんなにグイグイくるわけ?」
「マスターの嗜好を学習することに比較的高い優先度が設定されています。
私はマスターのスキルによって構築されていますのでおそらくマスターの無意識下での希望が反映されたものかと」
ぐっ、要は俺がエロいってことか。
納得できる理由じゃあないか。
まあ、我慢したところで、このメイドを前に毎日悶々とすることは間違いないと言っていい。
それなら自慰と割り切って愉しんだほうがいいかもな。
がまんはよくない。
「じゃあ頼む」
「承知しました。精一杯、ご奉仕いたしますね」
と、小悪魔的な笑顔で答えてくれたのだった。
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そんなカンジで異世界転移後の一日目の夜は更けていった。
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