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第71話 おっさん、なすりつける

俺が前田を呼ぶと、三好はなんか情けない顔をしてるし三好の彼女(まだ違う)の方はあてが外れたって感じの顔だ。


機会は均等に与えられるべきなのだよ。


というのもあるが、前のランチミーティング以来、前田の昼いつでもいけますよ感がアップした。


「弁当持ってくんのだるいんすよねー、やめちゃいました」


別に聞いてないのに言ってくるし。


「最近この辺のおしゃれな店開拓してるんですよ、こことか~」


それ全部ハズレだってAI(えい)が言ってっぞ。


これだけ聞くと、だるいうざ絡みしてくる最近のチャラい若者みたいだが、実際前田はそんな奴じゃない。


仕事はちゃんとするし、技術も結構高い。人当たりもそこそこな真面目でいいやつなのだ。


実際三好の彼女(まだ違う)を真面目に狙っていたらしく、結構今の状況に焦ってしまっているようだ。


それ故、空回ったりウザくなってしまっていると思えばかわいいものである。


とはいえ鬱陶(うっとう)しいことに変わりはない。


ということで、今回は前田の好感度アップ作戦だ。


(お任せください)


相変わらず頼れるAIだ。


あー、(たの)し。


まあ、あんまり面白がっても悪いからちゃんと好感度アップするように動いてやるかね。


といっても三好の時とやることは変わらん。


ただ、前田が空回りしそうだったんでこっそりアドバイスしておく。


「焦ってるっぽいのは分かるけど変にカッコつけたり三好を下げるようなこと言ったりすんなよ?」


「大丈夫っす。ちゃんとメモ取っておきます」


それは最初だけだろ。

その後を心配してるんだが、大丈夫だろうか。


あとそっちが無理そうなら、新たに俺のファンになっちゃってる娘を押し付けたいんだが・・・


俺の心配をよそに、意外にも前田はちゃんとしていた。


三好を貶めたり、俺にしてきたようなダルくてうざい変なアピールみたいなこともせず、変にカッコつけたりもせず、ふつーにおねーさん方に接することができていた。


なので結構俺からアシストするのは楽だった。


ただ今回は俺の都合もあり、2人の相手というか、どっちかというと俺のファンになった娘の方との盛り上げに力を入れてしまった。


それでも話題はどちらにもハマるのを選んでいるし、変な誘導なんかはしていない。


そして早くも三好の彼女(まだ違う)の方は結構前田にいい印象を持ち始めているようだ。


おぉ、前田やるな。

その調子でもう1人も頼む。


しかし前より早い気も・・・


そう言えば、前田は三好よりちょっとだけ顔がいいし背もちょっとだけ高い。


全然好みによってどっちがってのは分かれそうなレベルではあるが。


まじか。


三好と結構いい感じに話してたじゃん。


・・・女怖っ


いや、そうと決まったわけでもないか。


楽しそうに話してるだけ、そうなるまでの時間が早い気がするだけ。


誤差の範囲だ。偏見は良くない。


うん、これ以上は手出しせずにいよう。


俺は食後のコーヒーを啜りながら傍観を決め込む。


たまに目が合う三好の彼女(まだ違う)には当たり障りのない返事を返しているが、彼女は俺に愛想笑いというかちょっと気まずそうな反応になってきた。


・・・これは、気づいてるな。


おそらく、最初の自分の好意に俺が気づいていたことも、おそらく最初から俺に脈が無いことも。


そこまであからさまな態度や行動には出していないはずだが。


途中、女子2人でお手洗いに行ってきたあと、もう1人の娘も似たような反応になっていたからおそらく情報共有したんだろう。


この後は、前田が2人のおねーさんと親睦を深めるためにいっぱい頑張ってお開きとなった。


と言っても帰り道は一緒なわけだが、今日は来たときと同じく、俺と前田が前を歩いて戻るかたちとなった。


まあいい、これで俺は当初の目的を達せたわけだ。


前田にも三好にも機会(チャンス)は平等に与えた。


後は勝手に頑張ってくれ。



そんで後日、


「お昼行きません?」


俺はまたデジャヴュを感じていた。


しかし前回ので2人とも俺に脈ナシだってのは察したと思ったんだが、だとすると今回タダメシ狙いでのお誘いってことか。


すげーな。

もう誘いはかからんと思ってたが、そのへんは割り切れるってことか。


俺は分かりやすくため息をつくと、


「いいよ」


多分この娘らも、俺がいろいろ察してるの知っててそれでも誘ってきてるんだろう。


そーゆースタンスで来てくれるなら俺も楽だ。


(この娘ら、魚平気かな)


(二人とも好物なようです)


俺はAI(えい)にそれだけ確認すると、たまに行く路地を少し入ったところの狭い定食屋に連れて行った。


ここは夜は居酒屋をやっていてどっちかっていうとそっちがメインだ。


そして魚が美味い。


「魚は全部うまいよ、俺サバ塩大盛り、納豆、卵」


席に着くと俺は2人に言いながら近くの店員に注文も済ませる。


「あ、ゆっくり決めていいよ、大盛りはマンガみたいなの来るから気をつけて。

おかわりもできるから」


店員も2人が初めてっぽいのを察して俺の注文だけとりあえず通してくれる。


2人は店内をキョロキョロ見回している。


結局2人もサバ塩を注文していた。マカロニサラダを付けて。


それ(マカロニ)もうまいんだよな。


しかし、2人とも竜田揚げとかに流れずにちゃんと魚を選んでくれたな、よしよし。


それ(竜田揚げ)もうまいんだが、この店は焼き魚だ。いや、アジフライもあったな。

それ以外は魚を制覇した後、最後でいい。


「もう、誘われないかと思ってたよ」


そして、俺から話を切り出した。




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カクヨムでも連載中の作品になります。

https://kakuyomu.jp/works/16818093080286722080

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