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第59話 おっさん、いなくていい

盗賊だ、と断じたが、違うかもしれない。

こっちを見て悪そうな顔をしていたり、既に武器を抜いていたり、矢をこちらに向けているが分からない。


山賊かもしれないし、野盗かもしれない。傭兵崩れの何かかもしれない。


だが、こちらに敵意や害意があることは間違いないだろう。賊は賊、敵は敵だ。


既に矢を射掛けてきているわけだし。


敵は15人ほど。まだ隠れてればもっとか?商会の護衛を足しても、向こうが多い。


ネツァリの指示で俺は馬車上でエライザの護衛をすることになった。

要は砲台を守れということだ。一応盾を出し、矢や魔法を弾けるようにはしておく。

あとせっかく俺も高所にいくんだから投石しまくるかな。


リックたちは馬車を背に3人で連携して数を減らす。


ネツァリとトゥーヴァは単騎特攻ってとこだ。


商会の護衛は馬や馬車、積荷を守る。


口上はなかった。


合図もなく賊達がこちらに走り出す。


もっとこう、なんかないのか。

へっへっへ、積荷と女を置いていくんなら的なことは。


まあ出てきてそんなことのたまうやつは、実際いたらただの的だろう。


あれは、漫画やアニメだから分かりやすい悪役として言わされてるんだ。


実際は仕事としてただ淡々とやるだけ。

向こうもプロということだ。


俺は馬車に飛び乗り、エライザの手を掴みを引き上げる。


「前線手前にけん制でファイアアロー、その後弓兵を狙っていく感じがいいか」


「うん」


言うとエライザは、直ぐに詠唱を始める。


「『地に眠る怒りよ、熱き刃となりて敵を貫かん!ファイアアロー!!!』」


矢はものすごい勢いで放たれ、前列にいた一人の賊の太ももを貫いた。


牽制というか仕留めてる。


賊は足を貫かれ、焼かれ、のたうち回っている。

俺はゴブリンの傷跡を思い出す。

アレが足にできたんだとすればもうあいつの戦線復帰はないだろう。


賊の進軍が少し(にぶ)る。


あんなの見せられて、まだ気にせず走ってこれるなら余程の命知らずか馬鹿だろう。


逆にエライザはどんどんファイアアローを放っている。

さすがに警戒されてるから必中ではないが、それこそ牽制としては十分すぎる。


そして俺はそんなこちらの砲台を狙うような遠距離攻撃を警戒しているが矢は飛んでこない。


どうやらまだ矢の射程外のようだ。

そのせいか向こうの弓兵たちはこっちではなく、前線のネツァリたちをターゲットにしているようだ。

混戦のせいかうまく射掛けられてはいないが。


見るとエライザは楽しそうにファイアアローをどんどん放っている。


・・・トリガーハッピー状態になってないか?狙いは付けられているようだが。


「どうだ、効率よくなったか?」


一旦落ち着かせるために、声を掛ける。


ちょっと思案顔になったあとこっちを向くと、


「うん、なってる!」


若干の興奮状態で、キラキラした笑顔でそう答えた。


かわいいがもうちょっと落ち着いて欲しい。


「敵の弓兵には届くか?混戦でうまく狙えてないみたいだがウチの前衛に射掛ける気らしい」


その言葉で少し冷静になったのか、落ち着いた表情で今度はウインドアローの詠唱を始めた。


「『万象にそよぐ囁きよ、見えざる刃となれ!ウインドアロー!!』」


ひゅっ―――


詠唱が終わると同時に空気の裂ける音がした。


そしてほぼ同時に敵弓兵の持っていた弓とその脇腹が切り裂かれた。


こわっ


なんて恐ろしい魔法だ。


その様子を見た他の弓兵たちがこちらに射掛けるが、矢はもちろん届かない。

いや、何とか直前までは届いた矢もあるが勢いは失われヘロヘロだ。


エライザは次々とウィンドアローを放ち、残った弓兵の腕や弓を切り裂いた。


これでもう彼らは弓兵としては役に立たないだろう。

いや、普通の兵としても怪しい。


エライザはまた少し興奮状態になっているようだ。


「いっぱい撃てるの楽しい」


と、うっとりつぶやいている。


「ちなみにどれぐらい効率がいいんだ?」


俺が聞いてみるも、


「わかんない」


「おい」


「んー、この感じだと1.5倍かもうちょっと」


なん・・・だと・・・


おいおい、それはちょっと効率がいいってレベルじゃないぞ。


うんこれも秘匿案件だな。


しかし本当に秘密にできるだろうか。

このうっとりした顔のエライザを見てると不安しかないんだが。


ふと見るとリックたちの前には2人ほど倒れている。


エライザが倒したのは最初の足をファイヤーアローで撃ち抜いたやつと弓兵4人。

あといっぱい撃ってたからな。体の一部を焦がして転がってる3人もそうだろう。


そしてトゥーヴァとネツァリの前には6人。いや、あれ5人だな。


頭の数が5つだ。1人は胴体から真っ二つで何人かは足が飛ばされたり腕が飛ばされたりで分かりづらい。


人体でパズルすることになるとは。


おそろしや、Cランク冒険者。


シールズもリックたちを投擲で援護したりしながら警戒を怠っていない。


一番偉そうだったやつとその側近ぽいのがまだ立っているが敵はほぼ壊滅状態だ。


ん?そういえば俺は何もしてないぞ。

矢も飛んでこなかったし、そういえば石も投げてない。


えっ、俺いらなかった説?




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カクヨムでも連載中の作品になります。

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