第44話 おっさん、清楚ビッチと処女ビッチと
「じゃあ、俺QR出しますね」
結局Iineは交換することにした。
スキル『情報端末化』使えば脳内でスマホ操作を完結できるとは言え、ちゃんとカムフラージュ用に端末は持っている。
「はい、・・・あ、出来ましたっ」
言うが早いか可愛らしい『よろしくお願いします』のスタンプが送られてくる。
俺も『既読だ』のひとつ目オヤジのスタンプを返しておく。
「あはは、なんですかこのスタンプ」
「あ、あの!アタシもいい?Iine」
ギャル子の方もついでと言った感じでスマホを出してきた。
「はい、いいですよ」
と、もう一度QRを出す。
(こっちの子は処女ビッチです)
マジで!?
そういえばついでにって感じでIine交換を言ってきたが慣れてない雰囲気もちょっとあったよな。
(はい、かなり意を決して言っています。
今彼女の心拍は跳ね上がっています)
なにそれ、かわいいか。
タメ口で金髪、化粧はそこまで濃くないがそれでもバッチリギャルメイク。
トレーニングウェアは結構タイトな感じでスレンダーな体型がよくわかるが、本人は男の視線などを気にしている様子はない。
うん、イメージ通りのギャルって感じの子だが、そうか、処女ビッチなのか。
ちなみに簡単に言うと『清楚ビッチ』は清楚な見た目のくせに経験豊富な女子、『処女ビッチ』は見た目がギャルなのに経験無くてウブだったり奥手だったりな女子だ。
まあ、解釈や定義によって若干違うかも知らんが大体そんなイメージでいいだろう。異論は認める。
もちろん俺はどっちも好きだ。今さら処女厨だったりはしない。
「ねえ、よかったらこの後ご飯食べに行かない?時間大丈夫?」
言ってきたのはギャル子だ。
「時間は大丈夫ですが」
「やった!ねえ、ミヤもいい?」
清楚ビッチちゃんはミヤっていうのか。
というか、行くことになってしまったぞ。
行くとは言ってないんだが、そうか、そういう誘い方をすれば断られにくいわけか。
「行く?」と「時間ある?」を同時に聞いたのがうまい。
迷ってる場合、行くかどうかははっきり答えにくい。
そこに時間があるかどうかという質問を足してそっちに答えさせることで前向きな回答を得られやすいのか。
なんか心理学とか行動学で名前がついてそうな聞き方だな。
恐らくそんなの知らずに陽キャやってるうちに身に着けたんだろう。
さすがギャル。コミュニケーションおばけか。
「うん、私も行くけど。
ほんとに大丈夫ですか、シンさん」
こっちはこっちで強引に誘ってる感じなのを気にして聞いてきてくれる。
こうやってバランスとってる二人組なのか。
あるいはそのせいで清楚ビッチちゃんの方に男が寄っていく感じなのかもな。
まさか台本通りってわけじゃないだろうな。
まあ、どっちでもいいか。
「はい、大丈夫です。
時間もありますし、どうせ一人でもご飯には行きますし」
てことで、俺たちはトレーニングウェアから着替えると3人でファミレスに来ていた。
注文も終わり、ドリンクバーから飲み物も持ってきて改めて自己紹介。
「Iine交換したから分かるかもだけど、アタシがマヤで」
「私がミヤです」
「あ、シンです。
よろしくお願いします。
もしかして2人って―」
姉妹か?
「うん、姉妹だよー」
「えー、全然似てないですねー」
ギャルと清楚系ってのを差し引いても似てない気がする。
「よく言われるけどね。
あ、敬語じゃなくていいよ?」
「俺18ですよ?」
「「うそ?」」
2人がハモった。どっちだろうか?
「え、老けてます?」
「老けてるっていうか、落ち着いてる?
一緒くらいかなーって思ってたんだけど。
あ、アタシ21ね」
「私は20です。私たちは大学3年と4年です」
え、姉が処女ビッチで妹が清楚系ビッチってことか?
なんだろう、興奮してきた。
「あー、それで言うと俺は高3ですね。行ってればですが。
じゃあ俺も敬語やめるんでミヤさんも敬語なしで」
「うん、じゃ改めてよろしくね、シン君」
「そっかー、じゃあ居酒屋とかにしなくてよかったねー。
高校生に声かけて居酒屋連れ込んでたらウチらヤバかったかもね」
「だねー。
行ってれば高3って、不登校なの?あ、聞いても平気?」
「あー、全然。
不登校じゃなくてそもそも高校受けてないから。中卒のフリーター?
まあ中学もほとんど行ってなかったけど」
「えーなにそれ、すごいいろいろ聞いてみたいんだけど」
「全然面白くないと思うけど、施設出身ってだけかも。
自分のことだからもうそれが普通って感じになってる」
あと全部戸籍偽造した時に作った『設定』だしな。
「シラフじゃ話せないってこと?」
「飲んでても別に面白い話が出てくるわけじゃないでしょ」
「飲めないとは言わないんだ?」
「・・・飲めないっす。未成年っす」
「あはは、超ウソじゃん」
「私でも分かるウソだねー。あと18は成人でしょ?20歳未満だけど」
「その辺ややこしいよな、酒も一緒に飲ませてくれればよかったのにとは思うわ」
実際おっさんの俺はその辺割とどーでも良かったりするが、酒はかわらずダメとか、ややこしいとは思っていた。
「ねえ、ご飯食べたらうち来る?」
と言ったのはマヤ(姉)の方だ。
「「は?」」
俺とミヤは同時にそんな声を上げた。
本作主人公は実年齢45歳がスキルで18歳に変身している設定ため、飲酒が可能なものとしています。
本作の登場人物の飲酒に関する発言は未成年者の飲酒を容認、推奨するものではありません。
ご理解の程、よろしくお願いいたします。
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カクヨムでも連載中の作品になります。
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