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第34話 おっさん、女神と過ごす

「マスター、1週間経ちました」


唐突に、AIがそんな事を言った。


てかこの(くだり)、前もやったな。女神への報告か。


なんか1週間だと間隔短くないか?

大して報告することないぞ。


まあ、いいか。今日やることはもうないか。じゃあ転移っと。


そして女神の部屋―――


あ、もう炬燵(こたつ)完備の和室はデフォなのな。


そこには炬燵で寛ぐ女神様が居た。


相変わらず、部屋着で漫画読んでるぞ。


せんべい食べながら。


まあ、スルメじゃなくて良かったと思っておこう。


「おーい、来たぞー」


と言って近づいていく。


そして自然な流れで炬燵に入ろうとすると、脚で侵入をガードされた。


「「・・・」」


見つめ合う。


なんかジト目なんだが。


可愛いと思ったらダメなんだろうがもう思っちゃったから遅いんだよな。


しかし、今日の女神は手強かった。

ちょっと表情は揺らいだが、相変わらずジト目で、炬燵への侵入はガードされている。


え?なんか怒ってる?


「え、なんか怒ってる?」


思ったことをそのまま口にする。


「・・・」


沈黙。


え、マジでなんだ?


なんかやったっけ?マジでわからんぞ。メンエス行ったことか?


機嫌を損ねる理由が全然思い浮かばずにいると、女神がボソッと、


「・・・来ませんでした」


と言った。


ん?来なかった?何がだ、俺は今来たし、遅れてないはずだ。


じゃあなんだ?来ない?

女が深刻そうに「来ない」っていうのは・・・


え?(せい)r―


「違います」


あ、はい。ですよね。


相変わらず睨まれているというかふくれっ面というか、そのかわいい表情は変わっていない。


あ、もっと睨まれた。ごめん。


じゃあなんだ。来なかったってやっぱ俺か。


と思い、女神の方を見るとどうやらそうっぽい。


「・・・早めに来てくれるって言ってました」


え?


「もしかして「来ちゃった」してやるって言ったアレか?」


訊くと女神は小さく頷く。

確かに言ったが、「気が向いたら」とも言った気がするし、女神も期待しないみたいなこと言ってた気もするが。


「ごめん」


謝っておく。実際悪いと思っている。言ったは言ったしな。


「・・・はい」


女神がそう言うと炬燵の脚ガードも緩くなった。


俺もこたつに入ると、茶を出してくれる女神。


「ありがとう」


と言って茶をすすり一息つく。


「やー、でもあの約束っていうか前回帰り際に言ったアレ、真に受けてると思わなかったぞ。

実際、冗談レベルでお互い捉えていたと思うんだが。

いや、わるいとは思ってるんだけどさ。」


「はい、思い返したら確かに最初は私も軽口くらいに思って気に留めてなかったですね」


「そうだよね」


ちょっと安堵。


「ただ日が経つに連れ、『早く来るかも』と思っていたのがだんだん『まだ来ない』になっていってました」


それは・・・


「そうか、そんなに俺が恋しかったか」


と茶化すと、


「いえ、そうではないのですが・・・」


うっ。


きっぱり否定されて俺はダメージを負った。

軽口を叩いた俺がわるいんだが。


「その、神界(ここ)では神同士はほとんど交流がなく、誰かと過ごすということが滅多にないのです。

なので短い時間でしたが、同じ部屋で誰かと過ごしたのが本当に久しぶりで、心地よくて、また同じように、という思いが強くなりすぎてしまっていたかもしれません」


そう言われるとわるい気はしなかった。


「というかじゃあやっぱり俺が恋し―」


「違います」


「あ、はい」


さっきも似たようなやり取りあったな・・・


まあいいか。


「じゃあ早速報告しちゃうけどいいか?」


と言って今週の報告をした。


マラソンやら、異世界(むこう)での冒険者ランクアップや『ねちゃり事件』、起業した会社の状況や、本職の方の仕事や日常生活についてだ。


1週間じゃそこまで話すこともないが、女神は呆れたりたまに可笑しそうにしながら俺の報告(はなし)を聞いてくれた。


「以上かな、そんな感じだ」


「承知しました。報告、ありがとうございます。

今日は、どうしますか?もう戻りますか?」


「んー、今日はもう、向こうでやることないし、もうちょっといていい?

そこに転がってる本、まだ読んでないやつが読みたい」


「わかりました。いいですよ。

好きにくつろいでいてください。

お茶おかわり持ってきますね」


「あー、ありがとー」


と言って俺は本に手を伸ばす。

最新刊じゃん。つかこの本というか部屋にあるもの、どうやって入手してんだ?


「知りたいですか?」


茶を持ってきた女神が、炬燵に入りながら、俺の思考に応えるように聞いて来た。


「思考読むなし。

まあ、ちょっと気になるから教えてくれるんなら教えて欲しいかも」


「ふふっ、禁則事k―」


「待った」


「なんでしょうか。ただのどこにでもある四字熟語ですよ?」


そうかもしれんが。


絶対、分かってやってるだろ。

目が笑ってんぞ。

そのラノベもその辺に転がってるし。いや、言いたくなるのは分かるが。


はぁ、憂鬱だ。


「てか実際どうなんだ?ホントに言えないなら別にいいんだが」


「アマゾネスです」


「嘘だよね!?」


「便利ですよね。神界(ここ)は離島とか一部地域扱いになっちゃいますけど。

プライマックス会員なので送料無料です」


すげーな、アマ(ゾネス)プラ(イマックス)。


てか、「神の権能でちょちょいのちょいです」とかのほうが納得できた気がする。




作者のモチベーションになりますのでいいね、お気に入り登録、感想など、よろしくお願いします。


カクヨムでも連載中の作品になります。

https://kakuyomu.jp/works/16818093080286722080

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