第22話 おっさん、マラソン大会に出る
初めて転移してから1週間とちょっと経ち、異世界も現代日本も初動が落ち着いてきていた。
起業も済んで、いい感じの電池もサンプルが出来てきている。
結局最初はリチウムイオンで性能アップの電池を作ることにした。
現在、容量が既存のものに比べ、5割増のものが出来上がっている。
しかも市販のものではなく、最新の研究で限界とされている容量の5割増だ。
市販品と比べると倍近い性能だ。
大きさそのままなら倍の容量、容量そのままなら半分の大きさだ。
もっと性能を上げようと思えば可能だが、段階的にやっていくことにした。
それでも発表すれば十分注目を浴びれるはずだ。
性能アップの要となっている技術は特許申請中らしい。
AIがうまくやってくれるだろう。
そんな感じで会社の方は順調である。
そして、スポーツで無双する件だが、こちらもまず最初の大会が迫っていた。
マラソンだ。
俺が出る大会は『首都マラソン』といい、一般参加が可能なやつで、都心の道路を使ってやる結構大掛かりなやつだ。
実は大会の存在を知ったときは既に申し込み期限がとっくに過ぎていたのだが、そこは『ハッキング』スキルでチョチョイのちょいだ。
さてどんな感じで嫌な奴ムーブしてやろうかな。
――大会当日――
この『首都マラソン』について少し説明すると、コースが2種類あり、一つはガチマラソンの42.195キロのコース、もう1つは10キロちょいのコースだ。
どちらのコースも本気でやる人もいればエンジョイ勢もいるが、やはり後者の方がエンジョイ勢の割合は多い。
俺が参加するのはもちろんガチの方だ。
何でも五輪の選考レースのうちの一つでもあるらしい。
一方で世界各国で開催される都市マラソンと同様、仮装で楽しむことも許されているらしい。
ガチマラソンの方もだ。
ということで、俺はガチマラソンの方で、仮装して出ることに決めていた。
ただ、許可されていると言っても仮装に関する規定もあり、顔を全部隠したり公序良俗に反するものは却下されちゃうらしい。
更に規定に沿っていても、運営がだめと言ったらだめらしい。
つまり規定の穴を突いてもやばいのはダメってことだ。
ということでどんな仮装をするか。
実はギリギリまで悩んでいた。
一応2つまで絞っていて、どちらの準備もしている。
一つはヤンキー。
金髪リーゼントにグラサン、プラス学校の体操着半袖ハーフパンツにペタンコ運動靴だ。
もう一つは女装でお姫さまだ。
どちらも規定には引っかからないだろうが、ヤンキーは公序良俗って言われたら最悪アウトだ。
だがそんなアーティストもいた気がするし、リーゼントはただの髪型だし、グラサンぐらい、マラソンランナーはよく掛けているし、おそらく大丈夫だろう。
姫も女装ってのがアレだが、今は多様性の時代だ。
女装やそっちの界隈に喧嘩を売れる勇者は居ないだろう。
散々悩んだ結果、俺はヤンキーでいくことにした。
優勝時、おそらくインタビューがあるだろうから、そこで舐めた態度とってハマりそうだと思ったからだ。
あと、真面目にやってきたやつほど舐めたヤンキーに負けたくないだろうしな。
ドレスの裾抱えて42キロ走りきって優勝ってのもやってみたかったが。
―――
――
―
そうして俺は『変幻自在』スキルで地毛をバッチリリーゼントにし、グラサン、体操着、運動靴スタイルでスタート位置に向かった。
スタート位置といっても参加者が多く、先頭まで数十メートルの人混みだ。
先頭は実績のある方々が陣取っている。
まあ、別に関係ないが。
ん、なんか俺の周りだけ人少ないような・・・
もしかしてガチヤンキーだと思われてる?
そんな気合い入ってるように見えてしまったか。
申し訳ないぜ。
お、もうすぐスタートか。
なんなら世界新でも出してやろうかな。
実際某都市で行われるやつはフルマラソンの方の参加資格が満19歳みたいですね。
本作のはフィクションな上に首都マラソンなので関係ないですが。
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