表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/88

第15話 おっさん、異世界で仕事の後

宿に戻るとアイリスさんの笑顔に迎えられた。


マジで一日の疲れが吹っ飛ぶぞ。なぜ繁盛してないんだこの宿。


しかも


「すぐにお食事になさいますか?」


のひとこと。


この言葉を帰宅(宿だが)時に美人のアイリスさんに言ってもらえるなんて。


なんならこのワード、生涯言ってもらえない男もいるんじゃないのか?


俺が感動していると


「・・・きも」


鋭いナイフが飛んできた。


そのナイフはおっさんには大きなダメージを与えた。


おっさんにキモいはダメだよエミちゃん・・・


別にアイリスさんの言葉を噛み締めて嬉しくなっていたのはほんの一瞬だったと思うが・・・


確かにキモかったかもしれないけどさ。


母娘から心に刺さる言葉をいただいた俺は、そのまま夕飯をいただくことにした。



夕飯のあと、少しまったりしていると、エミちゃんが寄ってきて、水を注いでくれながら、


「それで?ちゃんと冒険者にはなれたの?」


と聞いてきた。

そういえば少しだけいた他の客もいなくなっている。

他の客もちらほらいたと思ったがいつの間にかいなくなったらしい。


「ん?ああ、ちゃんとなれたぞ。

ちょうど同い年くらいの冒険者と知り合いになれてな、そいつらに着いてきてもらって」


「えー、なんかダサい」


うっ。

エミちゃん、さっきから言葉鋭くない?


「仕方ないだろ。村の連中にさんざん脅されてきたんだぞ、気をつけろって」


「まあ、わからなくもないけどねー。

でもいつの間に冒険者の知り合いなんてできたの?」


「ああ、実はこの街に入るときにな―――」


俺はリックたちとの出会いや、今日の出来事なんかを、エミちゃんも客や仕事の愚痴や街のことなどを話していると結構時間が経っていた。




「そろそろ部屋に戻って休むよ」


「そう、おつかれさま」


「ああ、ありがとう、エミリア」


今危なかった。が、


「今エミちゃんって言いかけたでしょ」


と睨まれた。


「いや、そんなことは・・・」


「エ↑ミ↓リアなんて言っておいて誤魔化せるわけないでしょ」


「・・・すまん」


素直に謝ることにした。

自分の名前だもんな、変なイントネーションで呼ばれたらそりゃ気づくよな。


「はぁ、もういいわ。おやすみ」


「おやすみ」


最後にやってしまった。


反省しながら部屋に戻る。


いつになったらエミちゃんの好感度が上がるのやら。

日本人ムーブで楽勝みたいに思ってた俺を殴りたい。

見た目を若くしたところで女心が分からないおっさんな中身はそう簡単に治らないらしい。


でもエミリアってマジで「エミちゃん」って感じの雰囲気なんだよな~。


何がどうとはうまく説明できないが。


まあいいや、これからは気をつけよう。


実際、今日は疲れたし、クリーンかけて寝るかな。


と、クリーンをかけてさっぱりしたところでふと思いついてストレージからあるものを取り出す。


片手で持つのにちょうどいい丸い筒。

仕事のあとと行ったらこれ。


そう、この異世界には存在しえない。

キンキンに冷えてやがる犯罪的なあいつだ。

悪魔的だっけ?まあいいや。


プシッと開けると、喉に流し込む。

喉が炭酸に耐えられる限界まで流し込む。


そして、


「つぁはーーーーーーーーー!!」


なんとか抑えたが最初の「つ」は結構でかい声が出てしまったかもしれない。


350ml缶の8割ほどを一気に飲み干した。


やばい。


確かに犯罪的なうまさだ。


仕事の後の一杯のうまさは知っていた。


知っていたつもりだが、今日の労働はそれこそ魔物との命のやりとりだ。


余裕を持って切り上げたつもりだったが、それでも体の疲労や精神的なストレスは相当なものだったのだろう。


デスクワークのそれとは比べ物にならない。

まあ開発業務も疲労やストレス半端ないけどな、種類が違う感じか。


俺は今日の酒の味を忘れられないかもしれないな。


そりゃあ、ギルドに酒場が併設されるわけだ。


俺は残りの酒も飲み干しベッドに仰向けになると、今日を振り返ってみた。


といっても大したことはしていない。

冒険者登録をして採取と魔物狩りをしただけだ。

しかも半日だけ。


まだ換金してない素材もあるが、今日だけでみてもこの宿に泊まり続けられるくらいの稼ぎは出していけるだろう。


まあ消耗品もあるし装備などを良くしたりしていくことを考えればもう少し稼ぎたいが、今日がミニマムと考えればいずれそれも達成できるだろうから、表向きは今日くらいの目立たないムーブでいいか。


まあ、表向きと言っても裏で成り上がったり無双したいわけではない。


ではないが、鍛えてどこまでいけるのか、どんなスキルや魔法を習得していけるのかは試してみたい。


なので午前中は今日みたいな感じで、目立たない程度に日銭を稼ぎ、冒険者としての実績を積んでいき、午後は、レベルアップやスキル、魔法の習得に費やすって感じで行くことにしよう。


しばらくはそんな感じだな。


そういえば今日はレベルアップしてないけど、これは昨日の大幅レベルアップのせいだろうな。

この辺の魔物ではもう上がり難いのかもな。


まさか、開発業務でしかレベルアップしません、なんてことはないよな。


・・・ないよな?

女神に会ったら聞いてみるか。


しかし、ホントに今日くらいで満足というか、これ以上を望んでないんだよな。


アイリスさんとエミちゃんに「いってらっしゃい」、「おかえり」されて、アイリスさんの料理食ってエミちゃんとだべって、仕事の後の一杯を飲んで、寝る。


十分すぎんか?

無双?ハーレム?ざまぁ?そんなのいるか?


おっさんにはスローライフが1番。流行りはFIRE(ファイアー)(Financial Independence, Retire Early)だろ。


まあ、現代日本(むこう)ではAIのおかげでその辺に目処が付きそうだが。


それは日本(むこう)の俺に任せるか。


こっちはこっちで、悠々自適な冒険者ライフを目指そう。




作者のモチベーションになりますのでいいね、お気に入り登録、感想など、よろしくお願いします。


カクヨムでも連載中の作品になります。

https://kakuyomu.jp/works/16818093080286722080

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ