第9章 オーガとの戦い
僕の目の前に、一匹のオーガが迫ってきた。
屈強な巨体、凶悪な表情と眼。
「ヴオオオーッ!」
雄叫びをあげながら、
棍棒で襲いかかって来る。
僕は恐怖に足が、すくみながらも、
ガゴッ、
棍棒の一撃を、剣で受け止めた。
だが、そのまま、オーガの強力な腕力で、
グイグイ押され、
真後ろに押し倒された。
「う、うぁ」
転倒したが必死に立ち上がり、
剣を構える。もう僕には、
マユのことを気にかけている余裕もなかった。
「ウゴオォォーッ!」
「おりゃぁぁーっ!」
両軍が入り乱れる、乱戦。
ランスロット、弟子たち、鎧の男が奮戦する。
その中で、僕は、
ブオォォーン。
オーガの振り下ろした棍棒を、
「う、あぁっ」
後ろに跳んで、避ける。恐怖に震えながらも、
「うああぁぁぁーっ」
僕は叫び声をあげ、
剣を滅茶苦茶に振り回した。
ブン、ブンッ、ブオン、ブオォーン。
剣は空を切るばかりだったが、
そのうちの一振りが、
ズサッ、
オーガの手首に当たったようだ。
「ギャアッ」
短い悲鳴と同時に、オーガは棍棒を落とす。
「今だ!」
僕は武器を失ったオーガに、剣を突き刺した。
グサリッ。
確かな手応えがあり、剣を引き抜くと、腹から、
ドバッ。
と、血が噴き出す。
「グアァ」
うめき声を漏らし、しゃがみ込んだオーガ。
「この野郎がッ!」
僕は一心不乱に、
ズサ、ズサッ、ズサン。
何度も剣の切っ先を、敵に突き刺した。
熱い返り血を浴びながら、
「はあ、はあ、はあ、はあ」
息を切らして、肩で呼吸をする僕。
その目の前で、瀕死のオーガが、
「ゴァ、ゴァ」
弱々しく声を漏らす。
やがて奴は、ピクリとも動かなくなった。




