第8章 南の草原
一行が南の平原を進んでいるうちに、
太陽は西に傾いていた。
「夜が来る前に決着をつけよう」
と、槍を担いたランスロットは、弟子を従え、
先頭に立って平原を進む。
「オーガは何匹くらい、いるのですか?」
僕が鎧の男に質問すると、
「まあ、せいぜい、15、6匹だろう」
という返事が返ってきた。
マユは無言のまま、緊張した表情で、
黙々と歩いている。
僕は、そのマユに小声で言った。
「マユは後にいて、逃げ隠れ、していればいいよ」
それから、しばらく歩くとランスロットが、
「よし、着いたぞ」
と、足を止め、その視線の先には、
巨大な建造物がありる。
ランスロットは、その建造物を指さして言った。
「あれがオーガの宮殿だ」
宮殿はバロック様式の石造りの建物で、
「何だか、圧倒されるな」
そう僕が小声を漏らした、次の瞬間。
ババッ、バッ、ババッ、バッ。
宮殿の上層階から、投石の攻擊が始まった。
「敵襲!」
鎧の男が叫び、一同は身を伏せる。
バラ、バラバラ、バラッ。
握り拳ほどの大きさの石が、
雨のように降り落ちてくるなか、
僕はマユの方を見て、無事を確認してから、
「マユ、後ろに下がれ!」
と、大声を出した。だが、その時、
「ウオーッ!」
奇声をあげて、
棍棒を握ったオーガが飛び出して来た。
奴らは人間より、一回り大柄で、
その数は、ザッと見ても、
「30匹は、いますよ!」
僕は焦った声で言ったが、鎧の男は、
「思ったより、多いか」
と、至って冷静な様子で、
「さあ、オーガ狩りだ」
と、剣を抜いて、敵に向かい走り出した。
マユも逃げずに、果敢に剣を抜いて、
鎧の男の後を追う。
やや、遅れた僕も、剣を抜いて突撃した。




