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第1章 異世界の森

 高校教師だった僕は、春休みに、

 生徒のマユと駆け落ちして、心中する。

 なぜ、駆け落ちだけでなく、

 心中までしたのかというと、

 

「僕がマユの父親を殺害したからだ」


 今は、その経緯(いきさつ)は言わないでおこう。

 だが、しかし、死んだはずの、


「僕とマユは、異世界に転生したのか?」


 二人が目が覚めると、そこは森の中で、

 色とりどりの花が咲き、

 小鳥や蝶が、自由に飛んでいた。


「先生、ここは何処?」

「わからない。しかし」


 僕は直感的に、こう思った。


「この世界は僕たちとってには理想郷かもな」

「本当に先生、ここは怖い世界ではないの?」


 だが、少なくとも僕とマユにとっては、


「前に生きていた世界よりかは、良い世界だろう」


 それからスーツ姿の僕と、

 セーラー服を着たマユの二人は手をつないて、

 森の中を歩いた。

 僕は34歳。マユは17才だ。


「先生って、この世界でもカワイイね」


 マユの二倍の年齢を生きている僕だが、

 いつもマユには子供扱いされてしまう。

 だが、その時だ。


 ガサガサ、


 茂みが音をたてた。


「ほう、可愛い女の子だな」


 三匹の小鬼(ゴブリン)が姿を現す。


「ま、魔物か!」


 僕は驚いて、腰を抜かしそうになりながらも、

 勇気を出して、怒鳴り声をあげる。


「なんだ、お前たちは!」

「男に用はない、消えろ」


 そう言って、ゴブリンはニヤニヤとしながら、

 近づいて来た。奴らは、

 マユに危害を加えるつもりだろう。


「先生、何、この魔物、怖い」

「大丈夫だ。マユは僕が守る」


 マユの庇うよう身構える僕を見てゴブリンは、

 ゲラゲラと嘲笑う。


「守ってみろよ、男前さん。震えているぞ」


 こうして異世界に転生して、早々、

 僕たちはピンチに陥った。

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