謝ることが出来ない人間
私は、謝ることが出来ない人間は、最低だと思っている。
最近、すごく仕事が忙しかった。
その中で、私の不用意な一言で消されたデータがひとつあった。
復元は私がやった。
30分もかからなかったが、関係した人たちにはしっかり謝った。
自分の考えが足りなかったことを説明した。
すると、よく調べなかった自分たちも悪いから…と逆に謝ってくれた。
ビックリした。
絶対に怒られると思ってたのに…。
そこで話し合っているうちに、私も相手方も、前年度からの引き継ぎが不十分だったことが明らかになった。
そもそも、土台からしてシッカリしていなかったことが分かった。
だから、全員がもっと勉強するべきだった…ということで、お互いに頭を下げて、反省して、その場は終わった。
正直に謝った時、相手方が気持ちを素直に話してくれて、嬉しかった。
それが、不思議と信頼に繋がったのかもしれない。
なんと私たちは、ちょっと仲が良くなった。
新卒の頃、
「自分に非があるなら、誠意を込めて謝りなさい。」
「どんな事情があっても会議に遅刻したら、ちゃんと謝りなさい。」
などなど…。教えてくれた先輩たちに感謝している。
先輩たちが私を叱ってくれたから、私はちゃんと謝ることが出来る人間になった。
自分側に悪いところがあったなら、謝るべきだと心から思えるようになった。
それから、どうしてそのような間違いが起きたかは、可能な限り説明するべきだと考えられるようになった。
じゃないと、納得がいかない。
納得いかないものを、無理に押し殺してはいられない。
互いに隠し事や嘘、ごまかしがない、クリーンな状態でないと、気持ちよく仕事できない。
もともと、私は、ごめんなさいやありがとうございましたなどは、言える性格だったが…。
働き始め、ミスしたりフォローしてもらったり…。その度に、先輩たちが、謝り方もお礼の言い方も教えてくれた。
本当に、先輩たちが素晴らしかったのだ。
自分が素晴らしかったわけじゃない。
先輩たちのおかげで、仕事での人間関係を丁寧に築く努力が出来るようになったのだ。そう、胸を張って言える。
4月、デスクの配置がえがあった。
隣の人が、業務に関係ない無駄話、噂話や独り言を繰り返す日々が続いた。
この人は転勤したか何かで、新しく来た人だ。
4月末は、独り言を指摘したら、「俺は独り言なんか言っていない。(お前が悪いから)席替えしろ。」と怒鳴り出した。
その事件以降もうるさかった。
とうとう、先日、私の我慢が限界に来た。
管理職に相談したら、私がデスクを移動することになった。
私の席替えは決定事項として、すでに管理職から隣の人に伝えられたらしい。
今朝、たまたま上司の1人と話した。
「あの人は、あなたが席替えを希望したことをとても気にしている。そこは理解してほしい。」
と言われた。
何を言ってるのか、全く分からなかった。
一体、何を理解しろというのか。
現在、一方的に迷惑をかけられているのは私で、簡単に言うと被害者の立場にいる。
「悪いことをしてしまった」という罪の意識があるなら、謝ってほしい。
また、もし、「悪いことをしていない気がする」のなら、私が何にストレスを感じたか、直接質問してほしい。
加害者の気持ちを被害者が理解しろ、なんて、かなりの無理がある。
しかも、現在進行形で隣に座っている時は、相変わらずうるさいのに。
隣の人は、独り言を呟いている自覚がない。
話す時は、前の文と後ろの文の繋がりがない。
会話は出来ても、対話は出来ない。
時間を他人から奪っている自覚もない。
仕事に全く関係ない自慢話で1時間が過ぎることもある。
それに付き合わされている相手は、1時間分、仕事が出来ない…ということが、分からない。
何のために出勤しているのか。
デスクに座っているその1秒にも、給料が発生しているのに、なぜ仕事をしないのか…?
隣の人は、質問はする。
だが、理解の範疇を超えた技術と判断すると、「分からないから、もういい。」と言う。質問に答えてくれた親切な人をぶった切る。
そして、分からない仕事は、やらない。
お金をもらっているプライドが無いのだろうか…??
私は、分からないことは出来るようになるまでやるから、本当に隣の人が理解できない。
隣の人に、仕事が出来るようになってもらわないと困るから、親切な人たちは一生懸命説明しようとする。
でも、隣の人は、理解の範疇を超えたことは覚えられないし、覚える気がない。
覚えられないまま、4ヶ月過ぎた。
この4ヶ月、隣の人と周りの人たちの不毛なやり取りを見てきて、ものすごくストレスだった。
一生懸命仕事を教える人たちと、「分かんないから、もういい。」と途中で自己完結する隣の人…。
最近は、4ヶ月も勤務できているのが、逆にすごいとさえ感じるようになってきた…。
いや、本当に奇跡だ…。
なんで、事故とか起きないんだろう…。
最悪だったのは、隣の人しか編集できないデータを悪いようにいじってしまったが、
「俺はやってない。」
と言い切っていたことだ。
そんなの、最終編集者を見れば明らかだ。
なんで嘘をついたんだろう…。
それとも、編集した気はなかった…?
分からない…。
上司には、「理解してほしい」と言われたが、私が理解するのは無理だと思うし、それを私に言うのはおかしいと思う。
それより上司は、私の隣の人に、まず業務中の私語を慎むように注意すべきだ。
私語をやめて、新しい技術の習得に専念してほしいと言うべきだ。
つまり、上司は、話をする相手も内容も間違っていたと思う。
私の職場は、職業柄、1年間決まったデスクで業務にあたる。年度途中で席替えなんて、申し出た当の私ですら聞いたことがない。
私の嘆願がすんなり聞き入れられるくらいだから、客観的に見て隣の人は、本当にうるさいのだと思う。
もし、悪い事をしたと思う心があるなら、謝ってほしい。
悪い事をした自覚がないなら、話し合えばいい。
隣の人は、席替えが決定してから、私に話しかけてこなくなった。何が嫌で席替えにまで発展したのか、本当に「気にしている」なら、私に聞けばいい。
知るべきことを知らないままでいるのは、生きることへの怠慢だ。
謝ることが出来ない人間は、最低だ。