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リヒト戦記~辺境の滅んだ小国の再興記  作者: スタジオぞうさん


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75話 ブレイザー伯の最期

皇子派諸侯軍本陣 ブレイザー伯爵

 「どうなっている!なぜ半数の敵に押されているのだ。」

 前線からの報告は、我が軍の劣勢を伝えるものばかりだ。

 こちらは二倍の兵数があり、古代魔法師も多く配置している。

 私は若い頃に殿下と共に古代遺跡を発掘し、古代魔法師を見つけて訓練する知識を得た。

 以来、密かに古代魔法師を発見して訓練してきた。

 古代魔法師部隊は私が生涯をかけて育ててきたのだ。

 敵に精霊魔法師がいて、狼人が精強といっても負けるはずはない。

 幕僚の一人が痛恨の面持ちで口を開いた。

 「閣下、味方の古代魔法師は当初は敵を圧倒しておりました。しかし、なぜか途中から敵の精霊魔法が威力を増し、人狼騎士(ベイオウルフリッター)の動きも良くなったようです。」

 どういうことだ。一体何が起きている?

 そこに伝令が駆け込んできた。

 「報告致します。帝国騎士の一団がシューネヴァルト軍に味方しました。赤の騎士(ローテリッター)を先頭に我が軍の側面を衝いています。」

 「何だって?帝国騎士団は中立のはずだ!」

 「赤の騎士(ローテリッター)たちは帝国騎士を辞めてシューネヴァルトと共に戦うと言っているようです。」

 そんなはずはない。帝国騎士たちはみな帝国への忠誠心は高く、騎士団長の命令に反することなど考えられない。

 そもそも帝国騎士団に入団することは帝国人にとって大きな名誉であり、勝手に辞めるなど聞いたことがない。

 新しい伝令が駆け込んできた。

 「ステアノット伯爵の軍勢が来て、敵に味方しております。その数、およそ3千。」

 「何だと!」

 ステアノット伯爵はもともといくさが苦手だ。伯爵の一族には同じブリタニア系貴族として付き合いのある者もいて、事前に働きかけておいた。伯爵はシューネヴァルトと同盟関係にはあるが、今回の戦争には参加しないようにしておいたはずだ。

 考えられないことばかりだ。

 だが、味方が劣勢なのは現実だ。

 悔しいが、ここは一度退くべきだろう。

 「止むを得ない。退却するぞ。バダノッホに戻り、体制を立て直す。」

 周囲の幕僚たちもうなずく。


 私は本陣のテントを出て、護衛がひいてきた馬に乗った。

 そのとき、背中に強い衝撃を受けた。

 胸から血が出ている。

 何だ、これは。

 驚いていると、今度は頭に後ろから衝撃を受けた。

 目の前に地面がある。

 どうやら私は落馬したらしい

 まさか、敵の矢か。

 ここは本陣だぞ。周りは護衛の兵が固めている。こんなことはあり得な…。

 何も見えず、何も考えられなくなった。


皇子派諸侯軍本陣の近くの木立ち ルクス・ルーナエ

 ブレイザー伯はシューネヴァルトの蜂起を不当に鎮圧しようとしただけでなく、皇子派諸侯の主力軍を連れて攻めてきた。

 兄さんの行く手を阻む仇敵と言っていい。

 悪徳で愚かだった前の領主と違い、ブレイザー伯は優秀だ。

 今回も負けを悟るとすぐに退却を決意していたようだ。凡庸な貴族なら予想外の事態に動揺して判断が遅れるのだが。

 やはり危険な敵だ。

 将来の禍根を断つためにここで討つべきだ。

 隠形して敵の本陣の近くの林にいた私は、ブレイザー伯が天幕から出てきたところで矢をつがえる。

 よし、上手く当たった。本陣から近いといってもかなり距離はあったが。

 兄さんの上位精霊魔法「森の王」のおかげで私の能力も強化されている。

 念のためにもう一矢。

 これで良いだろう。

 矢が飛んできた方向を探して、近くの帝国兵が騒ぎ始めた。

 長居は無用だ。

 私は隠形の精霊魔法を掛けなおして木立ちを出た。



この三連休も仕事が入り、昨日は更新できませんでした。ストックもほぼ尽きてしまい、今後は不定期の更新になりそうです。

それでも、何とかシューネヴァルトの再興まで書きたいと思っています(もう遠くありません)。

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