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リヒト戦記~辺境の滅んだ小国の再興記  作者: スタジオぞうさん


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幕間 リヒトの欠点

舞踏会からの帰り道 リヒト・フォン・シューネヴァルト

 いろいろなことがあった舞踏会だが、まあ結果的には良かったのかな。

 皇子派の貴族たちは意気消沈して途中から陰口をたたく者もいなくなった。

 西部の皇女派の貴族たちとは顔合わせを済ませることができたし、何人かの貴族とは交易の話をすることもできた。

 中でもアーレン子爵とは仲良くなれたようだ。

 でも、舞踏会ではグウィネスを酷い目にあわせてしまった。

 シューネヴァルトへの帰り道に立ち寄った町で休憩したときに謝った。

 「グウィネス、舞踏会では嫌な思いをさせて済まなかった。」

 「いえ、嫌がらせを受けることは想定していました。むしろ閣下を私のトラブルに巻き込んでしまい、申し訳ありませんでした。」

 「グウィネスは何も悪いことはしてないよ。被害者なんだから謝る必要なんかない。」

 グウィネスは「恐れ入ります」と言った後で、「でも、閣下が怒ってくださったことは嬉しかったです」と小さな声で言った。

 「あんな酷い目にあっているのを放ってはおけないだろう。」

 「それでも、臣下のために決闘まで申し込んでくださる貴族など聞いたことがありません。」

 グウィネスは強い口調で言った。

 「そうなのかな。それにグウィネスのことは臣下だと思ってないよ。お父さんのグウィン殿と一緒に領主への蜂起に参加してくれて、僕がまだ爵位も領地も持っていないときから共に戦ってくれている。僕は仲間だと追っているよ。」

 「もったいないお言葉です。」

 グウィネスは俯いた。頬を染めているように見えるのは見間違いだろう。

 「ところで、帝国貴族のことは嫌いになったかい?」

 「良い方もいました。皇女殿下は私のことを凛々しくて美しいと、お世辞で褒めてくださって。」

 「そうかな、皇女は素直な感想を言ったんじゃないかな。グウィネスは本当に凛々しくて綺麗だし。」


マクダレーナ・フォン・ノルトライン

 アルに綺麗だと褒められて、グウィネスは真っ赤になっている。

 休憩のために立ち寄った街でグウィネスを呼び出して二人で何を話しているのかと思って、建物の陰から様子を見ていたんだが。

 まったく、これだからもう。

 「アルは意識せずにこういうことをするのは反則だね。」

 思わず口走ると、隣にいるエルナも応じた。

 「まったく兄さんは困り者だよ。自覚なくあんな台詞を吐くんだから。これまでも妙な女の子が寄って来ないように、どれだけ私が苦労したことか。」

 シューネヴァルトに赴任してエルナから聞いたところでは、私が帝都に引っ越した後にアルは体が丈夫になって身長も伸びたようだ。

 優しくて、もともと顔立ちは整っているアルは女子にモテるようになっていたらしい。

 もっとも本人はまったく気づかず、小さい頃と同じように女子には見向きもされないと思い込んでいるようだが。

 「今回の舞踏会でも兄さんに色目を使おうとする貴族の娘は多かったんだから。わざと兄さんにくっついてみせて、笑顔で周囲をけん制するのは疲れたよ。」

 うん、エルナは頑張っていたよ。私も気持ちのうえで応援していた。

 中小貴族はあわよくばリヒトに娘を嫁がせようとして群がってきていたな。

 家格からいって正妻は無理でも側室でいいと思う者も多い。

 シューネヴァルト辺境伯家は帝国貴族に縁がほとんどないので、自分も入り込める可能性はあると思ったのだろう。

 「今ではレーナもすごく美人さんになったから立派な戦力だね。まあグウィネスは良い子だからいいけど、兄さんに変な女性が近づいてこないよう、私たちで防ぐよ。」

 えっ、私も戦力なのか。戦場で戦うのならともかく、そういうのは苦手なんだが。


40話と41話のアーレン子爵の言葉を修正します(初対面なのにタメ口なのは変だと思いました)。

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