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神社の。 第1章 僕の追憶  作者: 赤崎夕夜
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彼の葛藤

第2作目です。赤崎夕夜です。

今回は少し想像性に長けた作品を書いてみました。これを第1章として優斗君の悩みと彼の得意なものを表しました。私の想像としては、彼は少し変わった性格で、と考えていて、どうこの文字にそれを落とし込もうかと何度も試行錯誤して作り上げました。第2章もお楽しみに。

僕の家から見える木は、何年も後の先祖様から受け継がれてきた御神木という木らしい。僕の家は神社だった。僕も鳥居の周りの落ち葉をホウキで集めたり、僕の神社で時々開かれる小さなお祭りの屋台のお手伝いをしていた。

僕はまだ10歳で小学生だった。僕はお母さんやお父さんに、鳥居の真ん中は神様が通るから綺麗にしなければいけないよ、正式な神様へのお供え物式典ではあまり音を立ててはいけないよ。神様がご無礼だと感じて帰って行ってしまいますからね。と、毎日教えられた。僕はお母さんお父さんにこの神社を継いで、神様の御礼を後世に伝えていくんだぞと言われて、実は僕は神様が居ることは絶対居ると思っているけれど、神様が僕達を守ってくださっている、とは信じてはいなかった。こんな神社の家に産まれて今更なんで神様を信じられないのさ、と言われたら僕は困ってしまう。正直に言うと、僕はもう飽きていた。神社に住んでいることで特別扱いされる。僕はそのことに最初はいい気になっていた。けれどいつの間にかそれは僕の周りのタグではなく僕の内部も含めてのタグになってしまって、僕は内心、もうこんな生活嫌だ、と感じるようになってしまった。というのは、先程も言ったように毎日毎日式典の舞の練習をして、夏休みの日記やなにかの自由研究では必ず神社や神様、式典や舞についてやらなければいけないかのように、僕の自由が必ず神社関係になってしまって束縛感を感じていた。束縛感、というと語弊があるけれど、訂正すればそれは束縛感ではなく圧だった。必ずこの神社をつがなければいけない。神社の息子。神社の。神社の。…と、僕を圧するように僕を締め付けて僕の神社という肩書に飽き飽きさせる原因になっていた。


ある日、学校の国語の授業のことだった。僕の小学校は少し変わっていて、授業それぞれのプロジェクトを自由にこなしていって最終的にその単元を理解するという授業方法だった。そして今回の国語の授業のプロジェクト内容は「古典の意味を自分で解釈しよう」というものだった。僕は国語が大得意だった。だから僕は毎日近くの市立図書館に通って古典や近代文学、現代文学を沢山読んでいた。だから僕はどこ古典を選ぼうか迷っていた。僕は国語の授業が大好きだったから、僕は調子に乗ってどんな古典を選ぼうかな〜と態と独り言をいって自慢していた。僕は近代文学だと島崎藤村、太宰治、堀辰雄、久米正雄あたりが大好きだった。お母さんには、神に関係する文豪さんが多いね。流石優斗だ。と言われて、先生には渋いね、私はこの中だと堀辰雄が好きだよと言っていた。だから僕はそのことを鼻持ちにしている。それで結局なんの古典を選んだかというと、よくお母さんが読んでいる、「松尾芭蕉」という俳句や詩を書いている人の、「おくのほそ道」を選んだ。僕らしくなく結構有名な作品を選んだことにみんなが以外がっていたが、僕は恥じることもなく「おくのほそ道」を翻訳した。僕はみんなより読書経験が豊富だと思っているから、みんなより旧漢字や旧文字が読めるし、〜したし、などの昔の書き方にも慣れていて翻訳はスラスラと進んだ。…またこんなことで目立って、期待の目を向けられていると感じるとその歓びもまた、いつか消え失せてしまいそうになるけれど。


僕はその翌日、神様にお供え物をお供えする正式な式典の日があった。僕は白い、余計でガバガバな袴を袖に透してシワを払ってから橋のさされた目の前にあるお供え物にお腹が空くが、それでお腹がなることを避けるために目を閉じて毎回念じるように言う。神様がこれを頂いてこの地の幸せ、幸福をお守りくださいませ。ご成就あることを。と正座をしながら言う。母と父はそれを鮮やかに正座してこちらを見据えている。だからこういう式典は緊張する。セリフを間違えないように。正座が崩れないように。余計な音を立てないように。そして言い終わると開放された、と心の内に留めながらthe・和という建物を、両親がお供え物に嘆願するのを見ながら静かに出た。


…これを第1章としてまずは書き上げました。彼、優斗君は小学校と神社をうまく両立して、彼の悩み、霧を晴らすことができるのでしょうか。第二章目にご期待ください

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