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拉致されました


「ちょっと……意味が分からないんだけど!! どうして閉じ込められてるわけ。どう考えても掃除用具入れの中でしょ。雑巾臭いし」


 昨日は【四葉】出版社に行ったり、花畑君の母親にあったりと色々あったのは覚えてる。そして、いつも通りに部屋で眠ったわけなんだけど……今週起きた出来事の中で一番訳が分からない。狭い箱のような物に閉じ込められて、外に出れない。


 誰かに拉致された? 親は大丈夫なの? 能力者だと知られて? と頭の中で考えがグルグルと回る。


「目を覚ましたようですね、能力者K。安心してください。ここは能力者の集い。手荒な真似はしませんし、親からも了承を得てます。他の能力者達もそろそろ集まってくるのでお静かに」


「その声……小鳥遊先生!! 白先生に怒られたはずなのに、前回よりも酷くなってるでしょ」


 掃除用具入れで想像するべきだった。こんな事をするのは小鳥遊先生ぐらいしかいない。扉の隙間から覗き見ると、ジェイソンのマスクをした白衣を着た人物ともう一人。ゾンビのマスクに、女子の制服を着ているという事は……紗季がグルとなってるとしか思えない。お母さんも面白がって、了承したんだろうけど……


「私は首謀者T。小鳥遊という保健医ではありません」


「私は助手S。お前達の秘密を我々に話して貰うからな」


 間違いなく紗季だ。紗季のSで、小鳥遊のTでしょ。こんな事するのは……今後の【学遊日誌】のため、能力者に協力を得るのが目的?


「ちょっと!! 私は別に閉じ込めなくてもいいでしょ。二人とも私の能力の事は分かってるんだから……って、他にも能力者が来てるわけ?」


 思わず叫んでしまったけど、能力者の集いなら、私以外にも能力者がいるはず。扉の隙間から、私が入ってる掃除用具以外にも、幾つか配置されてるっぽい。その中に能力者がいてもおかしくないわけで……


「そこはまだ大丈夫。陣子は嫌がるだろうから、こんな方法を取っただけ。他の人には小鳥遊先生が連絡してるから」


「それなら安心……じゃなくて、私の名前を言ってるのと、声で紗季だと分かってるんだから」


 拉致されて、強制参加させられてるのは私だけ? 他の能力者には小鳥遊先生が連絡してるというけど、本当に来るわけ? 誰も来なかったら、拉致された私って一体……となるんどけど!!


「すみません……教室前に置いてあるマスクは被った方が良いんですか?」


 来た!! って、この声は悟!? ここが学校にある何処の教室で、入口前に小鳥遊先生のマスクのコレクションがあるわけ?


「念には念をです。バレないためにも掃除用具入れの中へ。声も気になるのであれば、用具入れの中にボイスチェンジャーもありますので」


「分かりました。どの用具入れでも大丈夫ですか?」


「いや……一人はすでに来ていてね。そこ以外なら大丈夫だぞ」


 紗季も悟が来るのが分かったのか、ボイスチェンジャーで声を変えた。そこは助手Sとしてのキャラを通すつもりみたいだけど……

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