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番外編 花畑薫の日常


「はぁ……何でこんな羽目になってしまったんだ。これも昨日のコスプレの呪いか。いや、有野の呪いだな」


「何言ってるのよ。【変身】は二時間で解けちゃうんだから。もっと買い物を楽しまないと!! 薫の服とかをずっと選びたかったんだよ」


 テンションが上がりまくりの母さん。一緒に買い物なんて何年ぶりだ? これも【変身】出来るようになったから可能なわけだが……周囲がチラホラとこちらを見てるのも、母さんがはしゃぎすぎだからだろう。


 学校を休んだにも関わらず、母さんと一緒に買い物にしたのには朝から色々な事があったからだ。


 昨日は家に帰るまでに【変身】が解けたが、魔法使いの三角防止、黒のマント、大きなぬいぐるみが奏して、男とはバレずに到着する事が出来たとは思う。


 それは良い。母さんも出掛けた直後だった。【変身】出来る事は知ってるし、【妖怪の森】等の可愛い物好きなのも知ってるが、流石にコスプレまではドン引きするに違いない。


「ジャージも忘れ、【ウサニン】の着ぐるみも……明日にでもジャージを取りに行って、コスプレを交換すれば……有野達が連日来る事は……授業をしている間なら」


 俺は早めの夕食の準備をしながら、【ウサニン】の着ぐるみをGETするか考える。コスプレでも【妖怪の森】なら、母さんも呆れるぐらいで終わるはず。


 俺と母さんは二人暮らし。父親はいない。母さんは夜の仕事、スナックを経営している。なので、家事全般は俺がやる事が多い。


「取り敢えず、魔法使いのコスプレは袋に入れて、見えない場所にでも隠しておくか。放課後に行くにしても……一度家に戻ってこないと駄目だからな」


 急な持ち物検査の可能性よりも、紗季の意外な行動が怖い。更に言えば、井上には【透視】出来るのがヤバい。二人は昨日、【愚弟】にいたわけで……


「さてと……今日は心身共に疲れたから、【妖怪の森】の映画を見てから、早めに寝るか」


 俺の朝は早い。新聞配達のバイトをしてるから、疲れてる時は八、九時に寝てる時もある。その原因は大概が有野なんだが。


 そして、いつも通りの朝の二時くらいに起きて、新聞配達の仕事へ。この時間は母さんは帰ってない。酔い具合によるが、帰宅する時には朝御飯を用意して待ってくれているんだが……


「ただいま……今日は朝御飯は作って……って!! おい」


「薫、ありがとう!! 少し先だけど、誕生日プレゼントを用意してくれてたなんて。滅茶苦茶私に似合ってるし、店で来たら、みんなも喜ぶかも」


 俺が帰宅すると、隠していたコスプレを誕生日プレゼントと勘違いして、それを着た母さんが歓喜の踊りを待っていた。そういえば……二週間後が母さんの誕生日だが!!


「昔はコスプレもよくしてたなぁ……アニメとか可愛い物好きなのも私に似たよね」


 TVは一台しかなく、アニメを一緒に見る事が多かったが、母さんも実はオタクだったのか!?

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