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黒さんは言葉選びが悪い


「はぁ……無事に終わったけど、私は必要なかったよね」


【四葉】出版社の人達との話し合いが終わって、今はビルの出口に向かってる。白先生や小鳥遊先生は紗季に助け船を出してたけど、私は一方的に驚いてただけ。『アニメ化!!』の一言よ。


「いやいや……陣子がいた事で心強かったから。新担当は勿体ないけど、担当が黒さん継続で良かったわ」


 紗季は背を伸ばしながら、黒さん継続なのを喜んでいる……のもあるけど、白先生が見てないところでニヤついている。この言葉に白先生がどう反応するか期待してるだけね。


 私と紗季は先頭、白先生と小鳥遊先生は後ろで話している。帰り、黒さんは見送りのために一緒に来ないのは、上司と酢男の三人で話す事があるかもしれない。


「私も黒さんの方が安心だわ。酢……煤川って新担当だった、私のストレスが増えそう。下手したら、髪の毛が薄くなるわ」


 冗談で紗季の話に乗ってみる。本当にストレスで【変更】時、オッサンの髪の毛が減っていったら、ビックリだけど。本来の姿見だと洒落にならないから。


「有野の事を考えると、銅島さんの方が良いに決まってるさ。二人で滅茶苦茶して問題を起こしたら、笑うに笑えない。ストッパー役が必要だ」


 白先生は自身が嬉しいかを口にしない。紗季のストッパー役として信頼されてるのは分かるけど……欲しいのはそれじゃない。


「し、白先生!!」


 小鳥遊先生の車に乗る直前、黒さんが追い掛けてきた。それも紗季に用事があるわけじゃなく、白先生に……


「後羽先生の担当を継続出来るようになり、これからもよろしくお願いします。それと……この後にでも飲みに行きませんか?」


 担当している漫画家がいる……というより、白先生が受け持つ生徒がいる前で言うの!? 若干タイミングが悪いというか……白先生が鈍感な事もありそうだけど、黒さんのタイミングの悪さも関係してるのでは?


「すみません。学校にバイクを置いていて、飲むと飲酒運転になるので。それに祝うなら、私だけじゃなく、有野や叶だと」


 そうなるよね。出版社に来た時と同じよ。気持ちは分かるけど、漫画家の紗季よりも白先生を優遇するから。


「そ、それなら、このメンバーで今から食事でも。迷惑を掛けた分、私が奢り……あの!! ちょっと」


「ゴメン。陣子は先に帰っててくれ。私は黒さんと単行本の話と今後の漫画について相談してくるわ」


「それなら、私も能力者に関する事を助言します。保護者も一応必要でしょう。白は叶さんの事をお願いします」


 黒さんは私達を使って、白先生との食事を目論んだが、紗季と小鳥遊先生に両腕を掴まれ、出版社に連れ戻されてしまう。きっと漫画の事ではない気はするけど……


「タクシーを使うのであれば、後から私が払いますから」


 黒さんは叫んだ。小鳥遊先生の車で来たわけだから、帰りはタクシーを使う? これも会うきっかけと裏を読んでしまう私がいる。


「叶は徒歩と電車でも大丈夫か? 流石に銅島さんに払って貰うのは違うからな」


 ここでも黒さんの言い方が!? 自分じゃなくて、『【四葉】出版に請求書をくれたら』でしょ。会う理由を逃してるよ。

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