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紗季の後悔


「くそっ!! 陣子ばかり面白い場面に遭遇して。漫画に対する厄年か? 寝坊したのが悪かったんだけど……」


 紗季が学校に来たのは昼休み。私と悟、蛍が教室でパンを食べてる時だ。寝坊というか、【ライソ】を見ずに二度寝したに違いない。『毎度厄介事に巻き込まれる私の方が厄年だ!!』とは流石に言えない。その原因は紗季、蛍、悟だから。厄介だけど、楽しくないわけでもないし。


「あれでしょ。学校に変質者が現れて、白先生が追い払ったらしいわね。眼鏡とカメラがいかにも怪しかったって、私のクラスで噂になってるわ」


 カメラは分かるけど、眼鏡で怪しまれるのは酢男に同情するかも。


「私も陣子から聞いたよ。紗季の漫画は大丈夫なの?」


 変に噂が一人歩きしてたから、紗季の漫画の担当で危険はないってぐらいに、蛍と悟には説明しておいた。悟が心配そうな顔をするのは紗季の連載が打ちきりになるか。蛍もモデルになるのが嫌だとはいえ、紗季を心配してる。


「大丈夫大丈夫。まだ挨拶をしたわけじゃないし、一切関わってないからね。白先生が気を使って、警察には連絡してないんだろ?」


「学校からも連絡は入れないって、白先生は教えてくれたわね。放課後、酢……紗季の新旧担当者が学校に来る予定だったけど、場所は変更するって。噂が流れてるから、もう一度学校に越させるわけにはいかないらしいわ」


 休憩時間に何度も私に情報が更新するたびに伝えにきてくれた。学校の噂になってるから、私達が出版社の方に行く事。そこには校長、教頭ではなく白先生が一緒に行くらしい。紗季の担任でもあるし、志願してくれたみたい。


 学校側は紗季の漫画を辞めさせるつもりもなく、そこは安心していいと思う。


「出版社まで行くのは面倒なんだけど……白先生とか家に入れるも嫌だし」


 本当は紗季の家で新旧担当の引き継ぎをするはずだったわけで、場所を提供する事は出来たんだろうけど……掃除はしてないんだろうなぁ。


「担当はこのまま変更? 別の人にやって貰った方が健全な漫……安全なんじゃ」


 蛍は酢男が紗季の漫画の担当になる事によって、変な漫画になる事を危惧してるみたい。紗季自身が独特で、前の担当者が抑えてるところもあった。蛍も修正前の紗季の漫画を見た事があるから……


「どうだろ? 漫画家にその権限はないからね。テコ入れのためとか、人気になったとか、担当交替には出版社側の理由だから。私は別にそいつでいいんだけどさ」


 紗季ならそういうと思ってた。酢男は学校に迷惑をかけたけど、面白いネタを提供したわけよ。紗季の案に体を張ってくれるかもしれないし、破天荒ぶりが+じゃなく×になる可能性もある。まぁ……警察沙汰前だったから、諸刃の剣になるのは否めないけど。


「紗季が良いなら構わないけど、私がモデルになってるキャラを変にするのはなしだから。勿論、あの件も触れたら駄目だから。花畑君もそう言うと思うわ」


「いやいや……漫画の協力は惜しまないんだよね」


「うっ!! ……検討しておいて」


 蛍はオッサン捜索のため、紗季の漫画に協力……文句をあまり言えなくなったから、蛍がお願いする側に。


「薫に関しては大丈夫。今日、休んでるみたいだから、どんな状態なのか分からないだろうし」


 そうなのだ。花畑君が学校を休んでくれたお陰で、酢男の方に集中出来るわけ。花畑君は昨日なんともなかったように見えたけど……

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