表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

63/245

悟は寝返りました

「それは私がナンパで困ってる時、あの人自身も男達が怖くて、声が震えてたのに助けてくれたの。そして、名前も告げずに立ち去って行った……邪な気持ちなんて一つも無かったわ。そして、今日もしつこく付きまとう男から……こんな事が続けてあると思う? これは運命よね」


 蛍は熱く語ってるようだけど、本人は滅茶苦茶探してるから。ある意味引き寄せたといってもおかしくないけど……


「へ~……その人が二度目に助けてくれた時、コスプレしてたんだ。けど、前回は普通の姿だったのに……バレないようにしたのかな?」


 残念。そういうつもりもあったけど、本音は嫌われようとしてました。悟がそう考えるのもおかしくないよ。疑問に思うべきなのよ。


「あの人が子供の心を忘れてなかったから。もしくはヒーローショーの仕事をしてる人かもしれない。姿形で私は決めないから。助けてくれたのは事実でしょ

。見返りなんて何も求められなかったし」


 あのオッサンの姿から見た目で判断してるとは思わないし、蛍はイケメンにナンパされても断ってるからね。


「良い人じゃないですか。年が離れてるみたいな事を聞いたけど、純粋に優しい人だと思います。どんな姿でも気持ちが変わらないのも素敵です」


 悟が蛍の言葉で寝返りそうだ。私と紗季は蛍に諦めて貰いたいとは言ったけど、そもそも相手は悪人でもなんともないわけで……むしろ、私だし。年が離れてるだけじゃ、悟が蛍を応援する側になっても仕方ないかも。


「でしょ!! 陣子と紗季はそこまで肯定してくれなかったし」


 いやいや……蛍の他の友達に言っても反対されると思うから。他の人には話してないわけだし……そう考えると一番仲が良いと思ってくれてるのなら……余計にね。


「自作するのも手だと思うけど……そんな人達が多いのよね」


「そこまで調べたわけ? コスプレは基本手作りだからね。もしくは依頼するしかないでしょ。どっちにしても時間は掛かるけど」


 漫画家という事もあって、紗季も情報は知ってる。コミ祭にも参加した事があるし。勿論、私も一緒に連れて行かれたけど……


「今回は市販されているのを見に行って、どのキャラがあの人が好きなのかを考えてから決めるわ。商店街に怪しげな店があったわよね。紗季なら何度も行った事があるわよね?」


 蛍の言ったみたいに怪しい店とかじゃなくて、コスプレの店。主にレンタルというか、写真を取るのがメイン。目立つ場所というか、奥の方にあるからそう思うだけ。その横はフィギュアショップだったりする。


「ない!! 隣の店には足を運んだ事はあるけど、自分のコスプレする姿なんて見たくもない」


 そうなのだ。私もそうだが、コスプレする自分の姿なんて見たくもない。ジャージがお気に入りの私だぞ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ